2021年01月09日(土) 12:00
コロナ禍の去らぬまま迎えた新しい年。それでも、「まわるまわるよ、時代はまわる」で、「そんな時代もあったね」と話せる日は来る。競馬は明け3歳馬たちの本格的な出番がやってきた。まず言えることは、勢いのある騎手に有力馬が集まるということと、そこで勝った騎手のこの一年の活躍が目立って多いことだ。
毎年、この正月はそこにも注目してきた。早々にある重賞では、その結果だけでなく納得のいく、将来への可能性を広げていける走りが出来たかどうかがカギになっていく。厳冬期のこの時期に走るからには、それなりの覚悟をしている筈。かかえている課題に果たして回答を得たかどうか、そこはしっかり見届けておきたい。
5年前にシンザン記念を勝ったグァンチャーレの武豊騎手の言葉を思い出す。自身、レース7勝目の快挙の瞬間だったが、デビューから3戦続けて最速の上がりをマークしながら1勝のみ、4戦目の京都のオープンでは一変して逃げるというかたちで3着、5戦目の東スポ杯から彼に乗りかわっていた。そこで出遅れて位置取りがままならず、直線で窮屈になって脚を余して7着に。「いいレースができなくて、ここを使ってほしいとお願いした。責任を果たせて良かった」とシンザン記念勝利後のインタビューで語っていた。
このグァンチャーレについては、「粗削りだが、道中ためが利けば大きく弾けても」という手応えを語っていたが、本番ではその通りを実践してみせていたのだった。その後はマイルを中心に現役を続け、重賞の勝利はないものの3歳になって早々の時点では、ひとつの成果を挙げていたと言いたい。
勝ち馬の全てがビッグタイトルを手にするとは言えないが、なにかを克服してこの重賞を手にできたという共通点は見出せる。それと、この早い時期での重賞勝ちを弾みに出世したものも多いことも確かだ。
2012年、シンザン記念を牝馬13年ぶりの勝利で飾ったジェンティルドンナは、11月のデビュー戦は2着、続く12月にのぞんだ阪神のマイルをスケールのあるレースで勝ってシンザン記念で牡馬たちを従えて圧勝、これをきっかけに牝馬三冠を手にしていた。
そして3年前のアーモンドアイも、8月の新馬戦2着、10月の東京のマイル戦を勝ち、ここを目標に3ヶ月のリフレッシュ期間を取って出走し、大外一気の衝撃的勝利につなげていた。さらに昨年のサンクテュエールも牝馬で、初戦勝ってアルテミスS2着のあとここを目標にしていた。
この流れをみていくと今年は、牝馬のククナにどうしても目が向いてしまう。今年は中京が舞台だが、前走ソダシを追いつめた決め手が生きそうだ。牡馬では、コース実績があるダディーズビビッドを推したい。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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