2021年01月16日(土) 12:00
京成杯に日経新春杯、この重賞の持つ意味を考えることでレースの検討に近づいてみたい。競馬は勝つことが一番だが、それだけではない。目の前の結果に是非をつけるだけでなく、そこからどうすればより良い方向に進められるかを考えることの方が多い。そこに結びつくものが見つかる意味の方が大きいと言っていいだろう。どの馬だって、ずっとこの先にめざすものがあるのだから。
このとき、ふと頭に浮ぶのが、広い心、自分の感情に囚われない心の持ち方だ。山のように大きく、海のように大きい心、大心(だいしん)こそ、目の前の出来事に是非をつけるのではなく、どうすればより良く進められるかを決める力になっていくということ。競馬の場合の広い心とは、直近のレースや格に囚われないということになりそうだ。
明け3歳馬のこの時点の目標といえば、少しでも賞金を積み上げて檜舞台に近づくこと。京成杯2000米なら、同じ中山の皐月賞が見えている。まだ、そこまでの意識はないにせよ、新たな何かを見つけたい。この時期新馬戦を勝って2戦目で重賞を勝つのはムズカシイが、この2年はラストドラフト、クリスタルブラックと続けて2戦目の馬が勝ってきた。十分に成長を促しここを目標に戦うという成功例と言えるだろう。これでいくと今年は、グラティアスとタイソウがあてはまる。
余裕のある走りで逃げ切ったグラティアスは、長くいい脚を使えるのが特長。スタートが上手でかからず、最速の上がりで圧巻の勝利だったタイソウは、シンザン記念で産駒が始めて重賞勝ちした新種牡馬モーリスの子供で、いずれもどんな進化を発揮するか注目したい。勝ち続けるという魅力は大きくとも、一度敗れることで得るものも大きい。新馬戦は3着でも2戦目小倉で2000米をきっちり勝った、同じモーリス産駒のテンバガーは4か月半の休養でひと回り大きくなって登場する。荒れた中山の馬場を考えると2走前に東京の不良馬場を追い込んで勝っているプラチナトレジャーが、前走の東スポ杯2歳Sでもまれて4着から、もう一度上がってくる可能性があるかもしれない。
日経新春杯は、超一流は不在で今後の飛躍へとつながるレースだから、それにふさわしいものを見つけたい。4年前のセレクトセールで6億を超える高値で取り引きされたアドマイヤビルゴが、5戦4勝でいよいよ重賞の舞台に登場する。大阪杯を目標にどう戦うか、新しい年のV発進に注目したい。この10年で4歳馬が8勝もしている点も後押ししている。あとは、左回りしか勝っていないパワー型のダイワキャグニー、これまた中京で2勝しているサンレイポケットと、コースを重視してこれら古馬勢の戦い方にも目を向けたい。これらは全て末永く追いかけてみるつもりだ。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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