アプリ限定 2022年07月18日(月) 18:02
▲見る者を魅了…今村聖奈騎手の短期連載「エモーショナル」がスタート (撮影:桂伸也)
CBC賞で重賞初騎乗初勝利を飾った、新人の今村聖奈騎手。その勢いはとどまるところを知らず、女性騎手のデビュー年最多勝利記録の更新、7週連続勝利、同期で勝ち星トップを独走…など、プロのジョッキーとして勝負強さを見せています。
そんな今村騎手の短期連載がスタートします。見ている人の心を揺さぶるような活躍ぶりから、タイトルは『エモーショナル』に。
第1回の今回は、強気な逃げで競馬関係者をも唸らせた、CBC賞を振り返ります。初めての大舞台ながらも「緊張はしなかったです」と今村騎手。18歳の彼女は、なぜこんなにも肝が据わっているのでしょうか? さらには“大切な仲間”からのサプライズメッセージに、大感激の場面も…!
(取材・構成=大恵陽子)
CBC賞をテイエムスパーダとのコンビで勝つことができました。ありがとうございます。
テイエムスパーダの前走は一緒の競馬場で乗っていたので見ていて、「強い勝ち方だな。こういう馬が重賞戦線に出てきたら、軽量で開幕週だし面白いんだろうな」と、興味本位で見ていました。
元々、(自厩舎の)シホノレジーナの騎乗の話も挙がっていたのですが、レジーナ自身、競馬が終わって疲れがいつ出るか、馬って1週間後に疲れを出す場合もあるので、私からのコメントは控えさせてもらっていました。そこで私が何かを言っちゃったら、ニュースになるのは分かっていましたし、レジーナのファンやオーナーさんに過剰に期待をさせてしまうことを恐れてコメントしなくて。
そうしたらハンデが月曜日に発表されて、テイエムスパーダが48kgということで私が乗せていただけることになり、これまでずっと乗られていた(国分)恭介さんに連絡させていただき、この馬の癖を聞きました。
「ちょっと我が強くて、自分を貫く傾向がある」ということで、水曜日には追い切りに乗ったのですが、短距離馬は走りたい気持ちが強いですし、中にはコントロールが難しい馬もいるので、「馬と友達になれたらいいかなぁ」という感じでした。とはいえ、友達になるのは、そう簡単にはいかないんですけど(苦笑)。
テイエムスパーダはフラットワークからとても落ち着いていて、「中1週なのに心身ともにゆとりがあるな」という印象を受けました。追い切りの動きもすごく良かったですし、コントロールもできていたので、これならレースで自信を持って乗れるかなと思いました。
私自身初めての小倉でしたので、昨年の開幕週のレースを見て、「内枠・先行馬が有利な傾向がある」と感じました。また、前日の土曜日にイプノーズに乗って、初めて短い距離で逃げて勝たせてもらったことも自信に繋がりましたし、一鞍前のポメランチェで先行力を生かした競馬も経験になりました。
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今村聖奈
2003年11月28日生まれ、滋賀県出身。栗東・寺島良厩舎所属。父は元JRA騎手の今村康成(現調教助手)。競馬学校騎手課程の第38期生で、同期の角田大河と大久保友雅とは幼馴染という関係。2022年3月にデビュー。3月13日の阪神8Rで、デビュー17戦目で初勝利。7月3日、テイエムスパーダに騎乗したCBC賞で、日本レコードを更新しての重賞初騎乗初勝利を飾った。
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