アプリ限定 2022年11月27日(日) 18:02
▲ヤマトナデシコ、最終回(撮影:桂伸也)
この秋スタートした永島まなみ騎手の短期連載「ヤマトナデシコ」も、今回が最終回。日に日に注目度が増すまなみ騎手ですが、ジョッキーとしてどんな将来像を描いているのでしょうか。
そこを探っていくと、やはりたどり着いたのは「追い負けたくない」という強い思い。一つの勝利を逃すことで、運命が大きく変わることもある競走馬の宿命をしっかりと受け止めているからこその思いでもありました。
また、先輩ジョッキーたちから妹のように気にかけてもらっているエピソードから、まなみ騎手の人柄がさらに見えてきます。
(取材・構成=大恵陽子)
──ジョッキーとしてこれまでで一番嬉しかった瞬間はいつですか?
永島 勝てた時が一番嬉しいんですけど、初勝利は自厩舎のアクイールで勝たせていただいて、すごく嬉しかったのを覚えています。逃げていて、ゴールまではすごく遠かったです。「頼むから、後ろから来ないでー!」と思いながら乗っていました。
──対照的に、一番悔しくて眠れなかった時は?
永島 自分が上手く乗れずミスをして勝たせてあげられなかった馬もいますし、追い負けて一番悔しかったのはセルレアで2着だった時です。
──セルレア! 10月に新潟の千直でただ1頭、内ラチ沿いを走って勝ったことが印象に強いですが、1年前に同じコースでクビ差2着に敗れたことがあったんですね。
永島 勝ったかなと思ったんですけど、最後の最後に小沢くんにピッと差されてしまって、同期だったので余計に悔しかったです。同期が活躍している姿はすごく励みにはなるんですけど、この時はゴール直前で差されて「ザワ〜!」って叫びそうになりました(笑)。
▲同期の小沢大仁騎手(写真手前)にゴール寸前で差され2着に(ユーザー提供:もふさん)
──「追い負けたことが悔しい」というレースを挙げたのは、ここまでのお話を聞いていてもなんだか納得です。
永島 どのレースも勝ちたいという意思で乗っているんですけど、勝負事なので負けてしまうことの方が多いです。その中で、「男性に負けた」とか「女子だからな」と思われるのがすごく嫌いなんです。
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永島まなみ
2002年10月27日生まれ、兵庫県出身。栗東・高橋康之厩舎所属。父は園田競馬の元騎手で現在は調教師の永島太郎師。競馬学校騎手課程の第37期生で、同期には同じく女性騎手の古川奈穂騎手がいる。2021年3月6日小倉2Rでデビューし、翌週14日の中京2Rを自厩舎のアクイールで初勝利を挙げている。
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