2024年01月09日(火) 18:00
【Pick Up】イフェイオン:1着
母イチオクノホシはクイーンCで2着の成績があります。ゼンノロブロイ産駒にしては珍しく鋭い決め手がセールスポイントでした。イチオクノホシのきょうだいには阪神牝馬SとクイーンCで3着となったコスタボニータ、菊花賞で4着となったハーバーコマンドがいます。フランス産の2代母レディインは優れた資質を伝えています。
「エピファネイア×ゼンノロブロイ」は、ヴェローナシチーやシーズンズギフトといった活躍馬が出ており、連対率25.1%、1走あたりの賞金額228万円。これはエピファネイア産駒全体の連対率16.9%、1走あたり178万円をそれぞれ大きく上回っています。ニックスといえるでしょう。この組み合わせは総じて直線の長いコースを得意とし、中山よりも東京、阪神であれば内回りよりも外回りの成績が良好です。阪神外回りコースの桜花賞、東京コースのオークスでは侮れません。
【Pick Up】ノーブルロジャー:1着
父パレスマリスは、現役時代にアメリカで走り、ベルモントS(米G1・ダ12ハロン)やメトロポリタンH(米G1・ダ8ハロン)を勝ちました。ジャスティンパレス(天皇賞(春))とアイアンバローズ(ステイヤーズS)の半兄でもあります。
日本で走ったパレスマリス産駒はわずか7頭。そのなかからジャンタルマンタルが朝日杯FSとデイリー杯2歳Sを、ノーブルロジャーがシンザン記念を勝ちました。今年から日高町のダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスで供用される予定ですが、相当な数の繁殖牝馬を集めることでしょう。
ノーブルロジャーは「パレスマリス×モアザンレディ」という組み合わせ。これはBCジュヴェナイルターフ(米G1・芝8ハロン)を勝ったストラクターと同じ。同馬は昨年から新ひだか町のレックススタッドで供用されています。
ジャンタルマンタルは大人びたレースぶりが印象的ですが、ノーブルロジャーも出入りの激しいレースのなかでうまく折り合い、直線で楽に抜け出しました。パレスマリス産駒の強みでしょう。
【モガミ】
初年度産駒シリウスシンボリが日本ダービーを、2年目の産駒メジロラモーヌが牝馬三冠を達成し、80年代に大きな存在感を示しました。軽快なスピードには欠けるものの、スタミナと底力に強みがあり、道悪、ダート、障害でも強さを発揮しました。
現代競馬に適応するようなスピードや切れ味に欠け、気性面でも難しさを抱えていたため、母方に入って扱いやすい血とはいえません。ただ、代を経ることでそうした臭みが抜け、スタミナや底力をサポートする役割を果たした場合、きわめて優れた産駒を出しています。その代表作がモーリスでありグローリーヴェイズです。前者の2代母メジロモントレーは重賞を4勝した名牝、後者の3代母メジロラモーヌは牝馬三冠馬。いずれもモガミの娘です。
「24年新種牡馬の産駒の馬産地の評判」
芝中距離向きのナンバーワンはサートゥルナーリア。新種牡馬のなかで血統登録頭数142頭は第2位、ノーザンファーム生産頭数37頭は第1位です。母はシーザリオ、半兄にエピファネイアとリオンディーズを持つ超良血。当然のことながら繁殖牝馬にも恵まれており、一定以上の成功は約束されているといっていいでしょう。育成も順調に進んでおり、現時点で気になる点はありません。適度に気の強さがあるのもプラス材料。
マイラータイプではアドマイヤマーズとモズアスコット。前者の仔はセリでの評価が高く、ノーザンファームのバックアップも十分。後者の仔はフランケル系らしい筋肉量豊富な馬体が目立ちます。日高の繁殖牝馬中心ですがちょっとおもしろいのでは、という声もあります。
ダート向きではルヴァンスレーヴとゴールドドリーム。前者の仔は線が綺麗な馬体で、芝向きと思えるようなものも目に付きます。後者の仔は気性面の激しさも垣間見せていますが、それを負けん気の強さやスピードに転化できれば楽しみです。
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栗山求
netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG
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