2024年09月27日(金) 18:04
▲川田将雅騎手が馬とのコミュニケーションについて解説(撮影:福井麻衣子)
500キロ近い競走馬を常に制御しながら、レースに臨んでいるジョッキーたち。「競馬は減点ゲームみたいなもの」と語る川田騎手に、今回は馬との“コミュニケーション”について解説いただきました。
レース前には主導権をめぐる教育や、信頼を得るための繊細なやりとりが。競馬ファンなら一度は見たことがある馬への声かけや、積極的に撫でる理由もついに明らかに...!
(取材・構成=不破由妃子)
──今回テーマに選んだのは、ジョッキーと競走馬の『感情のやり取り』について。500キロ近くある生き物でありながら、当然、言葉は通じない。でも、生き物ゆえ、感情はある。それをどう読み取って、どうやり取りをしながら競馬を成立させているのか。非常に興味があります。
川田 馬は本来、群れで生活をする生き物なので、群れのなかには必ずボスがいて、ボスに従って群れは行動する。となると、僕が乗っているときは僕がボスになるイメージです。競馬の当日でいえば、まずはそれを理解させるところから感情のやり取りはスタートします。
──「ボスは俺だぞ」と主張してくる馬もいると。
川田 もちろんいますよ。そういう馬には、まず「違うぞ」と教える。500キロの生き物に主導権を握られたら、50キロの人間では何もできませんからね。気の強い馬はとくにですが、跨った瞬間から「俺のほうが偉いんだぞ」とパワーバランスで優位に立ちたがる。
だから、跨る瞬間から感情のやり取りは始まっていて、そこでしっかり「そうじゃないぞ」と伝えることがすごく大事です。それができなければ、競馬でコントロールなんて絶対にできないから。
──ちなみに、パワーバランスで優位に立ちたがるのは、男馬のほうが多い?
川田 そんなことはないです。自分のほうが上だと主張してくる女馬もたくさんいます。ただ、男馬ほど高圧的ではないです。
──川田さんが理想とするパワーバランスを構築できない馬もいますか?
川田 そういう馬の場合、最低限、対等の立場でいるように努めます。また、とても従順で、構築する必要がない馬もいます。共通して言えるのは・・・
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川田将雅
1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。
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