落馬激減の理由は「手綱を離せるようになったこと」──リーディング争い、重賞初制覇など…デビュー3年目の進化に迫る

アプリ限定 2024年12月02日(月) 18:02

加矢太論

▲好評を博した短期連載・加矢太論が復活!(撮影:桂伸也)

約2年前に人気を博した小牧加矢太騎手の短期連載『加矢太論』。馬術チャンピオンから障害専門のJRAジョッキーになり3年が経とうとする今、満を持して復活します!

2024年は重賞初制覇に障害リーディング争いに加わる活躍を見せる加矢太騎手。その背景には1年目や2年目とは違った沢山の試みがありました。“異例の新人”から障害界をけん引する存在へ──知られざる進化の裏側に迫ります。

(取材・構成=不破由妃子)

デビュー3年目での重賞初制覇も“親子リレー”はならず「Vサインすればよかったなぁと」

──2022年3月、障害専門ジョッキーとして新たな人生を歩み始め、早いもので2年9カ月が経ちました。1年目が9勝、2年目が12勝、3年目の今年は17勝をマークして(12月1日終了時点)、現在リーディングトップ。リーディング争いについては、12月28日に勝負が決してから改めて伺いたいと思っていまして、まずは加矢太さんの2024年を深掘りしていきたいなと。今年は新潟ジャンプS(ホッコーメヴィウス)で重賞初制覇もありましたね。

加矢太 はい。前走の東京ジャンプSでもホッコーメヴィウスの依頼をいただいたんですけど、先約があったので乗れなくて。乗りたいなぁという気持ちがあったので、東京ジャンプSが終わってすぐに、清水(久詞)先生に「次は僕を乗せてください」とお願いしに行きました。

──自ら動いたんですね。

加矢太 そうです。あの馬って逃げ馬じゃないですか。でも、僕はそれまであんまり逃げる競馬をしたことがなかった。だから、「逃げて勝てた」というのは、ひとつの大きな自信になりました。

──後続を引き付けつつの逃げでしたよね。逃げ慣れていない人の逃げではなかったような。

加矢太 後ろが来たなりに逃げようと思っていたので、ずっと後ろの音に耳を傾けながら乗っていました。僕自身、思ったよりもスローになったなと思うなかで、マジで誰もこないなと。

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小牧加矢太

1996年12月24日、兵庫県生まれ。父・小牧太は現役ジョッキー。一度は競馬騎手を志すも、身長の高さから体重制限が難しく、馬術の道へ進む。数々のタイトルを獲得し、2022年にJRAの障害騎手としてデビュー。2024年にはホッコーメヴィウスとのコンビで新潟ジャンプステークスを制し、重賞初制覇。同年には障害リーディングを獲得、JRA賞最優秀障害騎手にも選出され、異例のスピードでトップジョッキーの仲間入りを果たした。

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