2025年05月03日(土) 12:00
こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。
人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
(取材・文・構成=編集下M)
編集下M(以下、M) 先週は日曜東京10RのオアシスSについて「注目馬として名前を挙げた馬(差して好走経験のある短縮馬)たちが外枠を引いてくれることをお祈り」と書いたところ、該当4頭が6枠と7枠にズラリ。これはもらったと思ったのですが…。
立川(以下、立) まさかの内枠延長馬のワンツーで、特に注目していたドゥラレジリエント、タマモロックは9着、10着。前回のコラムで示していた懸念していた「短縮ローテが奮わないケース」の決着となってしまいました。
M オアシスSは決着時計が1.35.5。上位3頭は上がり3F35秒台の脚を使っていました。含水率が高めで時計が速く、上級条件では上がりも出せる馬場でしたね。
立 2024年は勝ち時計1.36.7で上位3頭の上がり3Fはいずれも36秒台、2023年も勝ち時計1.36.3で、1、3着馬の上がり3Fは36秒台半ばという決着だったので外枠勢が走りましたが、今年は高速決着で「上がりを使える内枠延長差し馬」が走ってしまいました。コラムを参考にしてくださった方にはもちろん申し訳なく思っていますが、レース質が違えば予想は「正しく外れる」ので仕方ありません。
M 正しく外れる。レース質マトリックスユーザーならお馴染みの言い訳ですね(笑)。
立 思考です(笑)。ともかく、今週以降の東京開催でも、含水率が低い馬場でレースが行われるタイミングで外枠短縮馬が台頭してくるはずなので、忘れずに狙ってください。
M では今週の話題に移りましょう。4日の日曜日には第171回天皇賞(春)が行われます。ただ、『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』の5月第1週のページは「JRA屈指の差し有利ダートである京都ダート1900mで行われる世代限定戦」。これはユニコーンSのことですね。
5月第1週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より。
立 初回コラムのネタに被せる形で恐縮なのですが、このユニコーンSはレース質で予想する人間にとってはGIのようなものなので。土曜12時公開のコラムで賞味期限が短いのも承知の上で取り上げさせていただきます。
M 最後に天皇賞(春)の枠順確定後の追記があるので、土曜の夕方以降にこのコラムを読んでいる方も、そっと閉じないでくださいね。
さて、天皇賞(春)を差し置いてまでユニコーンSを取り上げる理由を教えていただけますか?
立 このレースは一昨年までは東京ダート1600mで行われていて、この時もレース質が如実に現れるレースだったのですが、京都ダート1900mになったことで、よりレース質が顕著に出るようになりました。まずは京都ダート1900mの特徴をおさらいしておくと、以下の通りになります。
A 最初のコーナーまでの距離が400m弱と長めであること B 同競馬場の1800mは最初のコーナーまで300m弱と短く、内枠先行有利であること
M 距離が延びた分だけ、初角までの距離が長くなる。これは初回のコラムや単行本『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』の4月2週で取り上げた、ローカル芝1800mと2000mの関係性と同じですね。
立 そうですね。Bのイメージを持って1900mで先行争いをすると、Aに示したように最初のコーナーまで距離があることから、先行争いが長期化、激化してしまい、先行負荷が高くなりやすいのです。レース質マトリックスにおいて、コースがもつレース質を「差し有利」で設定している数少ないダートコースの一つですね。
M ダートは本質的に先行有利になるやすいので、差し有利のコースで施行されるだけでも波乱度は高まりますよね。
立 加えて、ユニコーンSは世代限定のダート戦なので、前走先行して好走している馬が多く、テンに流れやすいメンバーになります。さらに、1900mという距離設定上、延長ローテの馬も多い。必然的にハイペースの高速決着となります。時計が速くなると馬群の外々を回す馬は物理的に間に合わなくなるので、レースがもつレース質は「内枠・差し・ハイペース」で間違いありません。
M この条件で初施行だった昨年も、3枠の差し馬ラムジェットが楽勝し5枠9番のサトノエピックが2着。そこに2枠の差し馬ミッキーファイト、3枠の差し馬サンライズソレイユが続きました。今年の登録馬をみると、17頭中16頭が距離延長ローテ(レッドボブのみ同距離ローテ)なので、再現性は高そうですね。
立 内枠に入っていて、かつ近走で差して好走経験がある馬から組み立てれば大きくは外れないでしょう。特に、東京ダート1600mで上がり上位を使った経験のある馬は末脚性能が高くプラス評価。枠順次第ですが、注目馬は東京ダート1600mのハイペースを上がり1位で2着(勝ち馬ナチュラルライズ)しているクレーキングが差しに回る形、上がり上位をコンスタントに使い、稍重とは言え中山ダート1800mで上がり3F36.6は優秀なメイショウズイウン、流れに応じてマクリ気味に進出する経験が豊富なテスティモーネなど。クレーキング、メイショウズイウンは人気になると思うので、内枠なら軸として信用、穴党なら外枠に入って凡走してくれるのを期待する感じになりそうですね。
<枠順確定後の追記> 天皇賞春が行われる京都芝は近年同様、先週時点でかなり上がりの出る高速馬場でした。天皇賞春はほぼ上がり4F戦、あって5F戦になるので、速い上がりを使えてしまうと、切れない先行馬はまず捕まります。以前は穴をあけるのは「内枠・先行・スローペース」のようなイメージでしたが、近年はレース質を「外枠・差し・スローペース」で設定しているように、京都外回りで3〜4コーナーの下り坂の惰性を利用して加速できる馬が、直線外の進路をスムースに伸びてくるイメージですね。
したがって、今年の枠並びなら上がり性能上位で7枠に入ったジャスティンパレスは分かりやすく条件好転。あとは実はあまり上がりが速い馬場がプラスに働く馬は多くはなく、6枠のマイネルエンペラー、4枠のヘデントール、5枠のシュヴァリエローズがこなせる程度。差し馬が上がりを使えないと当然先行馬が残す場面もありますが、人気になりそうな3枠のサンライズアースは上がりが掛かる馬場向きのステイヤーなので恵まれて馬券圏内があるかどうか、1、2番人気なら馬券としては逆らう場面でしょう。
ユニコーンSは、金曜正午時点で京都ダートは不良馬場。土曜に向けて乾いていって、稍重〜重でレースが行われそう。改修後の京都ダートは含水率が高くなると良馬場時よりも時計が掛かって外からの差しが届くので、枠の内外はフラット気味に捉えてもよさそう。13頭立てと頭数がそろわなかったものの、初ブリンカーが2頭いるなどペースが流れることは間違いないので、内〜中枠で差しに回れるメイショウズイウンとクレーキングが普通に走ってしまいそう。穴ならやはり前走ハイペース差し経験が生きそうなテスティモーネと、自身の内枠が前に行けばラチ沿い3列目を通せるカナルビーグル。
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立川優馬
人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!
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