2025年05月21日(水) 18:01
▲「プロ集団」の秘密に迫る(c)netkeiba
『with佑』番外編として、佑介騎手が競馬開催に欠かせない重要な役割を担う鷹野運送株式会社の代表取締役・鷹野衛さんにお話を伺う企画をお届けしています。今回の話題は“利益と信頼のバランス”とその根底にある“使命”について。
馬それぞれの個性に合わせて、馬運車の積載頭数やレイアウトを変えるという馬運車。その実情を伺うと「2頭でトントン、3頭からようやく利益」といいます。それでも、利益より個々の要望に応えることを優先している鷹野運送。その背景には厩舎からの「鷹野さんにお任せします」という言葉に応えたいという使命があるのだとか。年間2万頭を無事に送り届ける「本物のプロ集団」の舞台裏に迫ります──。
(構成=不破由妃子)
佑介 現在、栗東トレセン起点では鷹野運送がシェア6割とのことですが、馬運車の台数やドライバーの数を増やせば、もっとシェアを伸ばしていけるものなのですか?
鷹野 そうですね。ただ、台数やドライバーを増やせばお客さんが増えるというものではなく、やはり運送技術も含め、「鷹野さんなら安心して任せられる」という信頼を今以上に積み重ねることが必要だと思います。その結果、お客様を増やすことは可能でしょうし、それを見越して台数と人を用意していくという順番になるのかなと。
佑介 確かにそうですね。特殊な仕事ですから、ただ数を増やせばいいというものではない。
鷹野 商売をしていくうえで積載効率というのも重要な部分なのですが、たとえば馬運車でいうと、1台にマックス4頭まで乗せることができるんです。それが2頭の輸送だと利益はトントン、3頭からようやく利益が出るかなというところで、1頭となると商売にならないという現実もある。
佑介 そうなんですね。そのあたり、1頭で行ってくれとか2頭で行ってくれとか、厩舎側から細かい要望があるのですか?
▲馬運車のレイアウトを変えて要望に応える(c)netkeiba
鷹野 いろいろあります。人間と一緒で、競走馬にもそれぞれに特性や性格があるので、左前の枠がいいとか、右後ろの枠がいいとか、前に1頭だけで運んでほしいとか。あとは、馬体と壁が擦れるのが嫌だから、通常の1枠ではなく、1.5枠使ってほしい、2枠使ってほしい、あるいは1頭で全枠使いたいとか。
佑介 すべての要望に応えるんですか?・・・
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。
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