2025年05月24日(土) 12:00
こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。
人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
(取材・文・構成=編集下M)
編集下M(以下、M) 先週の飛龍特別は、前回のコラムで触れた菊沢騎手騎乗のレジーナローズが差して着差なしの2着と好走しましたね。同馬を除くと、6着まで全て二桁馬番が独占しています。
立 ですから“今後も外枠有利で穴なら差し馬”というねらい方でよいと思います。今週日曜に行われるOP特別の韋駄天Sは、2024年こそ1、2着馬は先行馬でしたが、3着以下は軒並み差し馬、2023年は差し馬のワンツースリー、2022年も差し馬ワンツーというレース。今年も楽しみですね。
5月第4週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より
M 『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』の5月第4週のテーマは「高速スローの外差し決着が発生するメカニズム」となっています。オークスの展望に移る前に、こちらについて少し解説していただけますか?
立 外差し決着というと、荒れた馬場やハイペースなどを想像しがちですよね。でも、高速馬場になりやすい春の東京や京都開催では別のパターンの“外差し決着”があるよという話です。
M 確かに、開催後半の小倉芝短距離なんかで外差しを狙うイメージが強いです。
立 先週日曜京都10Rの錦Sは、ココナッツブラウンが上がり3F32.8の高速上がりで差し切り。直線外目をスムーズに通せた外枠差し馬たちが軒並み上がり上位を使って1〜6着までを独占しています。
5月18日京都10R錦S。差し馬が上位を独占した
M この日は立川さんが主宰するオンラインサロンの観戦会だったので、朝から一緒に競馬場で観戦していたのでよく覚えていますよ。芝のレースは3R(ブライティアブーケ)、4R(キタサンハナビラ)、6R(トウカイエルデ)が勝って8R(ルミエールドゥース)も2着と逃げ馬が馬券に絡んでいて、馬場の内側が荒れているようにはみえませんでした。
立 Dコース替わりの週で土曜の雨が乾いたこともあり、馬場は完全にラチ沿い先行有利に回復していましたよね。ただ、それでも錦Sを外枠差し有利で取ったのは、12頭立てのスローペースからの末脚勝負になることで、高速上がりでの差し切りが決まると予想したためです。
M なぜ、高速馬場のスローペースだと差しが届くのでしょうか?
立 詳しいメカニズムは単行本『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』で確認していただきたいのですが、「スローペースで馬群が凝縮すること」「一般的に差し馬の方が速い上がりを使えること」「外の進路の方がスムーズに走れること」が主な要因です。今週も日曜京都9Rの聖護院特別が少頭数で逃げ馬不在のメンバー、日曜東京9Rの調布特別や同10RのフリーウェイSも手頃な頭数からの高速上がり勝負になりそうなので、馬場状態がよくてもあえて高速上がりを使える外枠差し馬をねらうのがオススメです。
東京芝2400mの立川式コース図。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より
M ではここからオークスについて伺います。まずはオークスのレース質について教えてください。
立 オークスは基本的に差しが届くレースだと考えてOKです。この時期の牝馬にとって2400mの距離は未知数かつ長いので、必然的に末脚の質を比べるような争いになりやすいことがまず一つ。また、ほとんどの馬が距離延長ローテ、しかも主要ステップの桜花賞組は1600mからの大幅延長になるので、ペースが流れやすいという面もあります。
M 想定オッズを見る限り、桜花賞の1〜3着馬がオークスでも人気を集めそうです。
立 従来の桜花賞は中距離質のレースになりやすく、のちにオークスを好走するような馬が桜花賞でも走りやすいというメカニズムになっていたので、2つのレースには大きな親和性がありました。ところが、京都代替開催で馬場造成が非常に硬かった2021〜2023年は桜花賞が超高速馬場でマイル質のレースになっていたため、桜花賞とオークスがリンクしにくい状況が続きました。そして京都競馬場の改修が終わった2024年は以前のように桜花賞が中距離質の外枠差し決着となり、上位入線馬がそのままオークスでも好走しています。
M 2021〜2024年の桜花賞上位3頭のオークス成績は以下のとおりです。
●2021年 ソダシ 8着 サトノレイナス 不出走 ファインルージュ 11着
●2022年 スターズオンアース 1着 ウォーターナビレラ 13着 ナムラクレア 不出走
●2023年 リバティアイランド 1着 コナコースト 7着 ペリファーニア 12着
●2024年 ステレンボッシュ 2着 アスコリピチェーノ 不出走 ライトバック 3着
立 みなさんご存じのとおり、今年の桜花賞は雨の影響でタフな馬場になり、外枠差し馬が好走する中距離質のレースになりました。したがって、今年の桜花賞はオークスにつながるレースであったと言えます。実は今年の桜花賞で純粋に中距離質だった馬は2着のアルマヴェローチェと3着のリンクスティップ、11着のビップデイジーくらいだったので、あの馬場になった時点で外枠に入っていたアルマヴェローチェとリンクスティップの好走は確定的だったのですが、それを内枠マイル質のエンブロイダリーが能力とモレイラ騎手のすばらしい騎乗で凌ぎきったという構図です。正直この上位3頭は強く、オークスへの適性の高さを考えると、2、3着馬が勝ち馬を逆転する可能性は十分にあるでしょう。
M 別路線組についてはいかがですか?
立 別路線組も含めて、前走先行好走組は割り引いて捉えるのが正解になります。例年フローラS組が奮わないのは、フローラSが行われる東京芝2000mがポケット発走の内枠先行有利のコースであり、そこで先行して好走した馬がオークスに出走してくるためです。
その点から言えば、今年のレコード外差し決着になったフローラSは、例年よりもオークスにつながりやすく、今年は穴馬の資格ありと見ます。例えば、直近でフローラSが差し決着になったのは、2019年のウィクトーリアが勝った年ですが、同年のオークスではラヴズオンリーユー、カレンブーケドール、クロノジェネシスに次ぐ4着に好走しました(フローラS2着馬も6着好走)。2017年にフローラSを差して勝ったモズカッチャン、2016年のチェッキーノもオークス2着に好走しています。今年の勝ち馬のカムニャックはもちろん、抽選突破なら3着のタイセイプランセスや、大外枠を嫌い捲っての4着だったエストゥペンダも面白そう。スイートピーS、忘れな草賞などその他のステップが先行決着しているので、そこを評価したり、エリカエクスプレスのような桜花賞先行組を評価したりするくらいなら、フローラS上位勢を買いたいところです。
<枠順確定後の追記> まず、穴で最も買いたかったエストゥペンダが6分5の抽選に漏れたのが非常に残念です。この馬は間違いなく強いのですが、人気になりにくいので追い掛けるのをオススメしておきます。
さて、今週末は土曜夜から日曜午前にかけてまとまった雨が降る予報なので、水捌けのよい東京芝でも稍重で見ておきます。そうなると、最内枠を引いたアルマヴェローチェにプラスに働くことはないので、3枠のリンクスティップを上位に評価することになりますね。
また、5枠2頭エンブロイダリーとタイセイプランセスは外過ぎない外枠というのはベスト。大外枠に逃げそうなエリカエクスプレスが入ったことで、隊列面でも外枠主導になってくれれば外に持ち出しやすい馬のほうが恵まれるので、7枠のカムニャックを含めて買いやすい枠の並びになったという印象です。意外にフォーカスは絞りやすいのではないでしょうか。
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