【日本ダービー】関係者が明かす“ここだけの話” 勝浦正樹氏がダービー出走陣営を直撃取材(前編)

2025年05月30日(金) 18:02

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▲日本ダービーでファンダムに騎乗する北村宏司騎手にインタビューする勝浦正樹元騎手(c)netkeiba

今年の日本ダービーを前に、勝浦正樹元騎手が美浦トレセンをリポート! 大一番に挑むキーパーソンたちに、“直撃インタビュー”を実施しました。

関係者が明かす「ここだけの話」からは、馬の現在の状態やこれまでの歩み、そしてダービーに懸ける本音が垣間見えました。

リアルな現場の声と、勝浦氏ならではの視点が交差する対話を通して、今年のダービーがより身近に、より深く見えてきます──。

◼︎取材にご協力いただいた皆様
【前編】マスカレードボール:手塚貴久調教師/嶋田純次騎手(※レースは坂井瑠星騎手)、ファンダム:北村宏司騎手、エムズ:戸崎圭太騎手、国枝栄調教師

【後編】ニシノエージェント:津村明秀騎手/千葉直人調教師、ドラゴンブースト:丹内祐次騎手、ショウヘイ:C.ルメール騎手、カラマティアノス:池添謙一騎手

※後編は5/31(土)18時に公開予定です。

(取材=勝浦正樹 / 構成=netkeiba編集部)

 今回、netkeibaのお仕事で、日本ダービーの当週追い切りが行われている美浦トレセンに行ってきました。

 現役時代、ダービーには5回乗せてもらいましたけど、やっぱりダービーは特別です。どの年も思い出深いですが、初めて乗ったヤマニンアクロ、アポロソニックは強く印象に残ってます。

 アポロソニックは、あの年のキズナ、エピファネイア相手に3着。いやぁ、本当によく頑張ってくれました。GIや重賞で勝つのももちろん記録に残りますけど、やっぱりダービーで馬券圏内というのは信じられない気持ちでしたよ。

 そういえば、ダービーに乗ると、昼休みの「ジョッキー紹介セレモニー」で撮った写真パネルがもらえるんですよ。それも思い出のひとつで、実家に大事に飾ってあります(笑)。

 さて、今回は見どころも聞きどころもたっぷり。さっそく、2025年のダービーに向けてリポートを始めていこうと思います。

 まずは、出走馬たちの調教を見にスタンドへ行ったら、ちょうど国枝栄調教師がいらっしゃいまして。国枝先生と昔話をしながら調教をチェックする、貴重な時間になりました。

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▲国枝栄調教師と一緒に調教をチェック(c)netkeiba

 最初の取材は皐月賞3着で、今回も上位人気が予想されるマスカレードボールから、いってみましょう!


マスカレードボール/手塚貴久調教師

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▲管理する手塚貴久調教師にインタビュー(c)netkeiba

勝浦 手塚先生、僕はマスカレードボール、めちゃくちゃチャンスあると思ってるんですが、いかがですか?

手塚 いいよねぇ。状態もすごくいい。さっき坂井瑠星から電話があって「(追い切り)どうでした?」って聞かれたから、「良かったよ」って話をしたところ。

 それと、マスカレードボールはやっぱり当日の精神状態がポイントになるっていうのは、瑠星も考えているみたいで。それを踏まえた作戦を打ち明けてくれたから、それを実行しようと思ってます。

勝浦 なるほど。すごいですね。

手塚 ダービーなのでね。やれることは全部やって、万全の状態でゲートインさせたい。

勝浦 今のところは、不安もなさそうですか?

手塚 動きとか中身に関しては出来上がってるし、気性のほうも今のところは大丈夫かな。

勝浦 昨年末にホープフルSを使ったことで、何か変化があったのでしょうか?

手塚 変わってきました。煮詰まっていたところがあったけど、ホープフルSを使ってガス抜きされたのかもしれないね。

勝浦 先生自身もこの馬に対して、「こういう接し方がいいんだ」とか得たものがあったんですか?

手塚 そうそう。学習しましたよ。お父さんのドゥラメンテも気性面の危うさはあったようだしね。

勝浦 “走る馬”ってそういう面も持ち併せていたりしますもんね。

手塚 うん。ちょっと狂気的なところがあるくらいのほうがね。あとはね、トビが大きくて綺麗な馬だから、あんまり土砂降りになっちゃうよりは良馬場がいい。“時計勝負は持ってこい”なので、速い時計のほうがよりいいかなと。

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▲「時計勝負は持ってこい」(c)netkeiba

勝浦 やっぱり中山より東京のほうが良さそうですか?

手塚 全然いいと思う。馬体重は460kgくらいしかないけど、非常にストライドが大きい。追い切りとか見てもらうとわかると思うけど、滞空時間が長いっていうのかな。あれは能力がある証だし、広いコースの良馬場向きだと思います。

勝浦 ダービーは、挑む気持ちももちろん違いますよね?

手塚 そりゃあ違うよ。2年前、ソールオリエンスで1.8倍の1番人気で負けてるから。今年こそは頑張ります。

勝浦 期待しております。ありがとうございました!


マスカレードボール/嶋田純次騎手(※レースは坂井瑠星騎手)

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▲最終追い切りに騎乗した嶋田純次騎手にインタビュー(c)netkeiba

勝浦 今日乗ってみてどうでしたか?

嶋田 2週前にも乗ったんですけど、その時より良くなっていますね。

勝浦 気持ちが難しい馬って言われてるけど、そういうところは?

嶋田 こういうことするとゴネちゃうよな、っていうのがあるんですけど、手塚先生もそこをわかってて、避けながらやってきたので、だんだんメンタルが安定してきました。

勝浦 その気持ちの難しさっていうのは、“引っかかる”っていうよりも、“やめちゃう”…って感じ?・・・

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