『時代に逆行したアナログ重視の文系予想でトガリを探す』(菊池グリグリ)

2025年06月15日(日) 18:00

直近でデビューした予想家や、これからデビューを迎える予想家が自身の予想法などを紹介。『ウマい馬券』での活躍が期待されるスター候補に、本人自ら綴っていただきました!

 初めまして。貴重なお時間を頂こうとしております、菊池グリグリと申します。少しだけ自分語りをさせていただきます。

予想家ROOKIES

「菊池グリグリ」氏

 私は、競馬はもちろん公営ギャンブル不毛の地である長野県で生まれ育ちましたが、両親が若い頃に東京競馬場の近くに住んでいたことで幼い頃から競馬が身近なものでした。

 初めて自分の意志で競馬中継を見るようになったのは、ナリタブライアンが三冠達成後に勝った1994年の有馬記念。ナリタブライアンの強さはもちろんですが、ツインターボのとんでもない大逃げと逆噴射っぷり、そして「4コーナーを迎えてツインターボの先頭はここで終わり」という実況に衝撃を受けて心を掴まれてしまいました。その流れで1995年の年始から毎週見るようになったので、競馬観戦歴は今年で30年です。

 上京したきっかけは高校の同級生にお笑い芸人をやろうと誘われたことです。養成所時代を含めて5年くらいやってみたんですが、ネタを書くのは好きなんだけど演じるのがどうにも下手くそで。目をかけてくれていた先輩が裏方の仕事をあっせんしてくれたこともあり20代半ばあたりから構成作家業を始めました。番組の企画を考え、スタジオやロケの進行台本の制作、コントやドッキリを考えたり…などをする仕事です。

 その傍らで競馬について書いたり喋ったりする仕事もしたいと思っており、JRDB(web競馬新聞の草分け的な会社)の門を叩いて、1年間パドック最前列に張り付いてデータ収集や全レース回顧をやらせてもらいました。本業やアルバイトをしながら、東京、中山だけでなく、福島や新潟にも毎週通うのはキツい日々でしたが、そこで基礎らしきものができたのだと思います。

 多くの方に助けて頂きながら何とか食い繋いでいるうちに、少しずつ競馬の仕事の方が増えてゆき、30代前半からは、8〜9割が競馬、ちょっとパチンコ番組やお笑い関連、他…。みたいになり、さらには“あざら氏”とYouTubeも始め、netkeibaさんでも動画の裏方業をさせてもらったり…という経緯で、予想家の方も身近になりました。最終的には、メシ馬さんから推薦していただくかたちで、今回の予想家デビューとなりました。

 “馬券において誰かを勝たせることは自分が勝つことの何倍も難しい”というのが持論です。プラス収支を積み重ねている予想家の皆さんは超スゲーです。正直なところ私は自分のことで精一杯だったので、予想動画を作ることも含め、極力予想公開を避けてきました。でも、メシ馬さんから「本気の予想で勝負しましょうよ」的なことまで言ってもらったので、誘ってもらえるうちが華だなと思い、チャレンジすることにしました。

<予想について>

 基本は過去データや当日の馬場傾向を基に「トガった部分を探す」というのが自分のスタイルです。割とオーソドックスな予想だとは思いますが、サンプルが少なくてもその背景に根拠が見えるデータを重視します。例えば1番人気の成績が悪い重賞があったとして、それがたまたまなのか、理由が見えるものなのかを読み解く。

 そうですね。かつて秋の天皇賞において1番人気が勝てない時代が続いていたのはたまたまだと思いますが、かしわ記念の1番人気不振には明確な根拠があります。フェブラリーS1着馬が人気になりやすいけど、同じ1600mでも1周競馬とワンターンの差があって直結しにくく、中距離馬が巻き返しやすい。(脱線しますが、逆にワンターンの盛岡1600mは、雨の影響を受けるとかなりスピードに偏重して短距離馬が距離を克服しやすい)

 AI全盛の時代に逆行した文系の競馬をしているという自負があります。レース映像やパドックも含め、データ読み+アナログ派です。

 傾向探しの原稿を長く書いているので、データから何かを見つける、理由があるものとないものを見分けることには慣れています。また、しぶとく探す根性みたいなものは、構成作家の下働きで番組リサーチをやっていた頃に培われているかもしれません。(と、いま書いていて思いました)

<印象に残る予想で結果を収めたい>

 できるだけ多くの人とより良い思い出を作りたい、というのが私の人生の大テーマです。予想家業に挑むからには結果が全てです。でも、その一方で「金の増えた減った」は一面であり、それに留まらないのが競馬の魅力だと考えているので、競馬の面白みを多くの方と共有したいというのが本音です。

 予想を発表していくにあたっては、古くは佐藤洋一郎さんの◎トロットサンダー・○メイショウテゾロ(1995年・マイルCS)や、万哲さんこと小田哲也さんの◎イングランディーレ(2004年・天皇賞(春))。最近で言えばとうけいばさんの◎ダノンデサイル(2024年・日本ダービー)のような、収支だけでなくいつまでも印象に残るような予想。そこまでの大穴党ではないですが、そんな結果を何発か収めるのが目標です。

 パチンコ屋で端玉を駄菓子に変えるような感覚で、「余ったポイントで見るなら」てな感じで選ばれるような予想家を目指していきます。

(菊池グリグリ)

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ウマい予想家

直近でデビューした予想家や、これからデビューを迎える予想家が自身の予想法などを紹介。スター候補が自らの手法を解説します! 関連サイト:ウマい馬券

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