【安田記念回顧】香港での不可解な惨敗、向正面での接触──「早々に勝ちを確信できるような簡単なレースではなかった」【前編】

2025年06月12日(木) 18:02

“VOICE”

▲川田騎手が安田記念を回顧!(撮影:下野雄規)

6月8日、東京競馬場で行われた第75回安田記念。先頭でゴール板前を駆け抜けたのは川田騎手とジャンタルマンタルのコンビでした。この“復活の勝利”を挙げた一戦の回顧を2週にわたってじっくりお届けします。

2着に1馬身半差をつけての完勝──。ゆえに一見、余裕をもっての勝利に見られがちですが川田騎手自身は「大変でした」と振り返ります。1週前追い切りや、返し馬でも「この先どうなる?」と不安の残る内容。レース中も接触等により、想い描く競馬とはなりませんでした。そんな状況のもと、川田騎手がどのように相棒を導いたのか。レース中の思考や“動きの作り方”を徹底解説します。

(取材・構成=不破由妃子)

「決していい雰囲気で4コーナーを迎えたわけでは…」

──安田記念では、ジャンタルマンタルを見事復活Vに導きましたね。それも、自信満々といった横綱相撲で。

川田 いえ、なかなか大変なレースでした。

──ああ、外から岩田さん(ロングラン13着)がきたときにエキサイトしてしまったこと?

川田 それもそうですけど、1週前追い切りに乗った時点で、コントロールに不安があったから。

──1週前といえば、坂路で川田さんが騎乗して50秒1の自己ベストをマークした週ですよね。

川田 あの時計を出したかったわけじゃないんです。・・・

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川田将雅

1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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