【無料・宝塚記念予想】今年は開催2週目の施行 裏の裏は…表!?

2025年06月14日(土) 12:00

こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。

人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!

(取材・文・構成=編集下M)

宝塚記念の軍資金は函館スプリントSで捻出

立川優馬

6月第2週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より

編集下M(以下、M) さぁ、今週は春GIの掉尾を飾る宝塚記念!

立川(以下、立) 『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』6月第2週のテーマは函館芝1200mです。

M 宝塚記念じゃないんかーい! お約束を封じてきましたね。

立 いや、本来函館開幕週で儲けるはずのこの週に、宝塚記念のほうが移動してきたんですよ。仕方がないので(笑)、宝塚記念の話もするのでご安心ください。でもその前に函館芝1200mを題材に「常識を疑う」という話をしたいと思います。ということで下Mさん、今週から始まる函館開催の芝1200m戦ですが、どういう馬が狙い目だと思いますか?

M 函館といえばゴール前直線が約262mしかない小回りコース。芝の状態が良い開幕週となれば、それは「内枠・先行」狙いがセオリーでしょう。

立 こちらは2022年以降の函館芝1200mにおける枠順別成績です。

立川優馬

函館芝1200m枠順別成績(2022年〜2024年)

M 1枠の複勝回収率が105%! やっぱり内枠が優秀じゃないですか。

立 そうですね。開幕週の函館芝1200mは本当に内枠先行有利です。ただ、この成績にはちょっとしたからくりがあるんですよ。「新馬戦・未勝利戦」と「1勝クラス以上」に分けたのがこちらの表です。

立川優馬

函館芝1200m 新馬・未勝利の枠順別成績(2022年〜2024年)

立川優馬

函館芝1200m 1勝クラス以上の枠順別成績(2022年〜2024年)

M 「新馬戦・未勝利戦」では1枠が勝率20.0%、複勝率53.3%と圧倒的な数字を残しているのに対して、「1勝クラス以上」では1枠が13頭走って3着1回の複勝率7.7%。

立 「開幕週の函館芝1200mは内枠先行有利」は事実ではあるものの、それは「新馬戦・未勝利戦」での圧倒的な好成績に支えられてのものなのです。以下、開幕週の函館芝1200mの特徴を簡単にまとめておきましょう。

●「新馬戦・未勝利戦」では、逃げ先行の競馬をしやすい1枠、揉まれずに競馬ができる8枠が有利
●「1勝クラス以上」では、被せられる1枠と距離ロスの大きい8枠の成績が悪く、中枠の馬が有利
●脚質別に見ると、「新馬戦・未勝利戦」は逃げ先行有利、「1勝クラス以上」は逃げ馬圧倒的不利

M クラスによって有利な枠順が真逆になってる。

立 ですから、開幕週のスピード勝負と考えて「1勝クラス以上」で1枠や逃げ馬を軸にすることのないようにご注意ください。なお、これはエアレーションとシャタリングが施されており、開幕週だからこその緩い馬場造成が影響しています。2週目以降は踏み固まって高速化し逃げ先行馬が走れるようになるので、この週限定の作戦になります。

M まさにカバーに書かれている「1年52週 競馬の“勝ち筋”は決まっている」というキャッチに相応しい作戦ですね。

立 開幕週はおあつらえ向きに、土日ともに芝1200mがメイン。土曜には重賞の函館スプリントSが行われます。人気を背負いやすい逃げ馬や1枠を軽視できるだけでも馬券面のアドバンテージは大きく、そのうえで、中枠の先行短縮馬辺りを中心にフォーカスを組めば、大きな間違いは起こらないでしょう。

今年の宝塚記念、アプローチ方法は3パターン

M さて、ここからは宝塚記念についてお願いします。今年から、開催4週目ではなく2週目に施行時期が移動になりました。

立 立川式コース図にもある通り、宝塚記念が行われる阪神芝2200mは、最初のコーナーまでが長く、発走地点が下り坂になっているレイアウトで、テンが速くなりやすく、長い距離を先行争いしながら急坂を上ることになるため、非常に差し有利に傾きやすいコースです。実際に、4週目に行われていた宝塚記念では、馬場の悪化も相まって外枠からのマクリ差しが届きやすいのが特徴でした。

立川優馬

阪神芝2200mの立川式コース図。『「今週勝つ! 」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より

M 2023年の宝塚記念は道中16番手のイクイノックス、17番手のスルーセブンシーズ、13番手追走のジャスティンパレスでワンツースリーですね(2024年は京都開催)。

立 その前の2年(2021年、2022年)は、京都競馬場改修工事に伴う変則開催だったため、今年と同じ開催2週目での施行でした。2021年は道中4番手追走のクロノジェネシスが押し切り、逃げ番手のユニコーンライオンとレイパパレが2、3着。2022年は道中2番手追走のタイトルホルダーが楽勝し、2着に6番手追走のヒシイグアスが入りました。

M 今年は開催2週目なので、2021年や2022年のように内枠先行馬重視というスタンスでいい…のかな?

立 そこが考えどころですよね。結論から言うと、私は、4週目開催の時のように、マクリ差しが届く差し有利のレースになると考えています。理由は以下のとおり。

1 2021年と2022年は開催時期が2週目であるとともに、京都代替開催に伴うロングラン開催に耐えうる硬い馬場造成であったこと
2 今年の開幕週は良馬場でも時計がそれほど速くなく、ある程度力のいる馬場造成であったこと
3 週末に雨の予報で、稍重レベルの渋った馬場でレースが行われる可能性が高いこと
 
 つまり、2週目になること自体は宝塚記念のもつレース質である「外枠・差し・短縮・ハイペース」とは反するのですが、そのほかの要素、馬場造成や天候などは差し有利に傾く可能性が高いということです。

M 2週目だけど4週目の馬場に近いということですよね。

立 今年の宝塚記念へのアプローチは大きく分けて次の3種類。

A 以前の傾向どおりに外枠差し有利を見るアプローチ
B 2週目への開催時期の変更を考慮し、内枠先行有利とみるアプローチ
C 私のように2週目の内枠先行有利の可能性を考慮しつつも、一周回って差し有利で取るアプローチ

 私はCだと仮説を立てていますが、AとCは結論上近い結論なので、マジョリティになってしまうことを考えれば、Bのアプローチで期待値を追う方法もありかと思います。この辺りは好みですかね。

M あとは、ファンの思考がどちらに傾くか。

立 Cのアプローチでいくのであれば、今年のメンバーでマクリ差し向きの持続力系差し馬をピックアップすると、ショウナンラプンタ、ボルドグフーシュ、ロードデルレイ辺り。前崩れ待ちならジャスティンパレスも面白いかもしれません。自力で動きやすい外枠のほうがよいのか、2週目の分で内枠差しがよいのか、枠の並びには注目です。

<枠順確定後の追記>
 函館スプリントSについては、買いたかった短縮馬のレイベリング、ゾンニッヒ辺りが7〜8枠に入ってしまったのが残念。中枠から差せる4枠のナムラクレアも崩れなさそうで波乱にはならない印象。短縮で4番枠のカピリナをオススメする以外ないので、結構フォーカスは絞れてきそう。

 宝塚記念は、どの程度雨の影響があるかやはり不明ですが、例年どおりの「外枠・差し・短縮・ハイペース」で取るなら、15番枠のロードデルレイの持続性能を評価してよいでしょう。相手も13番枠のアーバンシックや、16番枠のショウナンラプンタなど、外枠でまとめることができそうです。このパターンだと、人気で先行する1枠2頭、ベラジオオペラとドゥレッツァを軽視できるのもポイントです。

 一方で、土曜のレースなどを見て内が使える場合、開催2週目への移行や、隊列面としては内枠主導になり得るところから、内枠差し馬を評価するアプローチもあります。その場合は、6番枠のボルドグフーシュや7番枠のジャスティンパレスからの波乱決着を期待してみたいところ。ただし、このパターンだと鞍上の内田博騎手やディー騎手が阪神芝2200mのトリッキーなコース形態への理解度が低そうなので、リスクは大きくなりますね。

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立川優馬

人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!

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