【無料・府中牝馬S予想】施行時期変更で特殊なレース質が際立ちそう

2025年06月21日(土) 12:00

こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。

人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!

(取材・文・構成=編集下M)

「函館ダート1000mの○○狙い」で資金稼ぎ

編集下M(以下、M) 宝塚記念が終わり、春競馬も一区切り。今週は新設重賞のしらさぎSと府中牝馬Sですから、何か不思議な感じがします。

立川(以下、立) 昨年までこの時期に行われていたマーメイドSはレース質マトリックスが得意にしていたレースだっただけに廃止されてしまったのは残念ですが、新生府中牝馬Sもかなり特殊なレース質が出そうで楽しみですよ。ただその資金作りとして、まずは函館ダート1000mの攻略法をご紹介しましょう。

立川優馬

6月第3週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より

M 『「今週勝つ! 」を叶える馬券カレンダー』6月第3週のページを開いてみると…「決着パターンが分かりやすい函館ダート1000mは意外に儲かる」とあります。この時期のローカルダートは1000mと1700mとバリエーションが少なく、特に1000mはハナに行ったもん勝ちみたいなところがあるので、敬遠していました。

立 ダートの短距離はとにかく逃げ先行馬が有利で、テンの速度だけで勝負が決まってしまうことが多々あるのは事実です。特に良馬場のダートでは、ヨーイドンでスタートしたときに押して被せていくことができる外枠が有利になりやすく、少々出負けしても砂を被らずに競馬できるので、内枠有利になることはほとんどありません。

M …とわざわざ言うということは、函館ダート1000mは例外ということですか?

立 察しがいいですね。函館ダート1000mは「ほかのダート1000mより良馬場時でも内枠が有利になりやすい」のが特徴です。函館ダート1000mもテンの速度が重要であることや、外枠が被せて先行できると強いことは変わらないのですが、比較的内枠が走れている理由はJRA随一の直線の短さにあります。理屈としては非常に単純なので、これだけは覚えて帰ってください。

M 実演販売の口上みたいになっていますよ(笑)。

「函館ダート1000mが内枠有利になりやすい理由」

● ローカルダート1000mは先行争いになると被せていける外枠先行馬が有利
● 外枠先行馬に被せられた内枠先行馬は、自分の競馬ができずに凡走する
● 函館ダート1000mでも外枠主導の隊列になるが、外枠差し馬は小回りコースで外を回される上に直線約260mと非常に短いレイアウトのため、物理的に間に合わない
● 外枠先行馬の争いが終わって、残った馬が1〜2頭だった場合、走れる馬が内枠差し馬しか残っていない

立 (外から被せられるという)隊列面で内枠先行馬が脱落し、(小回りでゴール前直線が短い)コース形態で外枠差し馬はふるいにかけられるので、消去法で「外枠先行馬+内枠差し馬」という決着が多くなるということですね。

M 確かに、開幕して最初のダート1000mだった6月14日函館3Rも8枠2頭が道中1、2番手からそのままワンツーして、3着には1枠1番の9番人気が差しています。

立川優馬

6月14日函館3Rの結果

立 同日8Rでも外枠2頭が道中1、2番手を追走から1、3着し、ラチ沿いを3番手からすくってきた2枠2番の7番人気が2着。翌15日の3Rは外枠の馬が道中1〜3番手を追走し、1、3、4着で4枠4番から差した1番人気が2着。7Rは外枠2頭が道中1、2番手を追走してワンツー、2枠2番の4番人気が差して3着。

 今開催でここまでダート1000mは4レース行われましたが、全て「外枠先行2頭+内枠差し馬1頭」の決着になっています。著書を参考にされた方は、全て獲れたかもしれませんね。

M ただ、何が逃げるかよくわからないのが難しい…。

立 ですから、内枠差し馬を軸にするのがオススメです。外枠先行勢は何が逃げられるか運の要素が強いので、軸にした馬がテンに出せずに終戦というケースが起こり得ます。であれば、必ず1頭絡んでくる内枠差し馬から外枠先行馬に流す馬券のほうが馬券的には安定しますよね。なお、このパターンは良馬場で頻発します。含水率が高くなると内枠先行馬がテンに主張しやすくなるので、特に乾いた馬場のときに意識してねらってみてください。

M 函館ダート1000m戦は今週土日で4鞍、このコラムが公開された後だけで3鞍あるので、府中牝馬Sの資金作りができそうですね。

立川優馬

東京芝1800mの立川式コース図。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より

立 今年の府中牝馬Sを攻略するカギは以下の4点になります。

1 ポケット発走で向正面に斜めに合流するレイアウトのため、内枠のほうが位置を取りやすく、ペースが落ち着きやすい
2 内枠主導の隊列になるとスローの縦長隊列からの立ち回り戦になりやすく、外を回す差し馬が届かないケースが多い
3 今週からのDコース替わりで、内の荒れた部分がカバーされるとともに、最初のコーナーまでの距離や直線距離が短くなるため、さらに内枠先行有利に傾く
4 ハンデ重賞で軽ハンデ馬のテンにダッシュが利きやすいので、前に行きたい馬が楽に先手を取れる

 まぁ、どう考えても先行有利になりやすく、枠の並び次第ですが内枠からのほうが出しやすいということです。

M 立川式コース図で明らかなように、初角までの距離が短いコース形態、柵移動に伴うコース替わり、そしてハンデ戦への条件変更…全てが先行有利に傾いているわけですね。

立 昨年のDコース替わりの週は、土曜の芝レースの勝ち馬は全て4コーナー3番手以内、日曜も差し届きやすい芝1600mを除くと、ラチ沿い先行勢で決着していました。そのような馬場状態でポケット発走、牝馬限定、ハンデ戦、そして頭数も手頃であることを考慮すれば、逃げ先行馬が粘り切る決着は想像に難くないかと思います。

 今年のメンバーを見るとテンの速度比較でハナを切れそうなアスコルティアーモ、本来的に先行馬であるセキトバイースト、距離延長ローテで位置が取れそうなカニキュル、シングザットソング、タガノエルピーダ辺りが内枠を引いてくれると面白そう。あとは枠の並びを見て、内枠主導になることを祈りましょう。

<枠順確定後の追記>
 土曜8Rの函館ダート1000mは快速馬がそろって、かなり先行争いが激しくなりそう。逃げられた馬以外は脱落しておかしくないので、内枠から差しに回れる1ヒメカミノイタダキや3オンマガトオルから、先行勢に流す3連系の馬券をオススメします。

 府中牝馬Sは、注目馬のうちで内枠を引いた5アスコルティアーモはすんなりハナを主張できそうな並びになりましたね。昇級後は、差し有利の新潟外回りを逃げて捕まる→外枠差し有利の府中牝馬Sを内枠差しで切れ負け→内枠差し有利顕著な小倉牝馬Sの外枠で競馬にならず→内枠差し有利の福島牝馬Sで8枠から逃げという戦績なので、内枠先行有利の馬場かつ53キロの軽量でハナを主張できるここは面白いですね。

 内枠主導の隊列になれば一緒に内枠から出せる馬を評価したいので、2シングザットソングの延長や本来はもう少し位置が取れる4フィールシンパシーは併せて買っておきたいところ。ほかに位置を取れそうな馬が大外から4頭となってくれたおかげで、フォーカス面では絞れてよいのではないでしょうか。

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立川優馬

人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!

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