【競馬×競輪 特別対談】昨日ラストランを終えた水口優也騎手 引退エゴサーチで実感したファンの方々の評価に…泣

2025年06月30日(月) 18:02

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▲水口優也さんと山口真未さんのスペシャル対談が実現(撮影:稲葉訓也)

昨日の小倉12レースをもって、15年間の現役生活を終えた水口優也騎手。まだ34歳の若さながら引退を決断した背景には、「出がらしにならないうちにセカンドキャリアを」との思いがあったと言います。同じような思いで、「選手生活は4年」と決めて、キャリアハイの年に引退したのが、ガールズケイリンの元選手・山口真未さんです。

今回お二人のご協力のもと、netkeiba×netkeirinの初コラボ対談が実現。初対面ながら、運命的な出会いであることがのちに判明するのですが…、まずはnetkeibaの前編では、公営競技選手としてピーク時に引退する共通の考えや、引退レースをどこでどう締めくくるかの準備など、普段は聞けない深い話が展開されます。

(取材・構成:大恵陽子、撮影:稲葉訓也、対談日:2025年6月25日)

大した結果ではなかったとしても、自分としては去年が最上級

──水口さん、15年間の騎手生活お疲れさまでした。「セカンドキャリアに向けての引退」とのことですが、まずは引退を決めたきっかけから教えてください。

水口 考え始めた一つのきっかけは、4年前に調教中に落馬して、胸椎を骨折したことです。落ちた瞬間、下半身が分離したと思って探すくらい、足の感覚が全くなくて、歩けるようになるか可能性は半々だと医師からも伝えられました。

 当時29歳。どうやって仕切り直すか、どうリハビリして再復帰するかなどを考えながら、35歳までにたくさんある選択肢からセカンドキャリアについて決めようと思いました。

──コロナ禍で、ましてや調教中の落馬であまり報道されませんでしたが、そんな大怪我だったんですね。

水口 復帰して、所属する池江泰寿厩舎を含めていい厩舎で多くの馬に乗せていただいく中で「馬を育てることはやりきった」と感じたタイミングがありました。次に何ができるかと考えると、これから騎手や厩務員を目指す人を育ててみるのもいいな、と思ったんです。

 調教師になって新人騎手を育てることもいいとは思いましたけど、いま競馬界はすごく人材不足。性格上、自分にできることは前者かなと思いました。

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▲「馬を育てることはやりきったと感じた」(撮影:稲葉訓也)

──山口さんは競輪選手としてデビューする前から、自転車競技での出場を目指していたパリオリンピックが開催される2024年に引退を決めていたとのこと。現役生活を続ける中でその思いが変わることはなかったですか?

山口 ありませんでした。ずっと教職への憧れがあって、辞めた理由も教員になりたいからでした。元々は高校の教員になりたかったのですが、いまは大学の職員として研究員であり、自転車指導の現場に関わって次世代の育成ができたら、と思って準備しています。

 私自身が陸上競技をずっとしていて、アキレス腱断裂後にスポーツタレント発掘事業で自転車競技の適性が出て転向しました。その競技転向の研究を今はしていて、併せて自転車のコーチの勉強も始めたところです。

──発掘された人が、今度は発掘側に回る、と。

山口 そうです。アスリート育成パスウェイという、自身の適性に応じたスポーツを選択できる機会と場について研究しています。もう一つのコーチは、自転車競技を好きになれたので、競輪に限らず自転車競技の女子人口を増やすことを目標に置いています。

 選手としてはちゃんと体が動くうちにやりきりましたし、200歳まで生きるわけではないので、次は脳が動くうちにパスウェイやコーチの勉強を始めたいと思いました。

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▲発掘された人が発掘する側に回ることに(撮影:稲葉訓也)

水口 それは本当におっしゃる通りだと思います。僕も最近はフルムやバハルダール、バトゥーキなどオープン馬に乗る機会が増えた中での引退で、「えっ、乗れてるじゃない」「活躍できる一歩前だよ。惜しい」とたくさん言われました。

 他の騎手に比べたら大した結果は残せなかったですけど、自分としては・・・

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