2025年07月05日(土) 12:00
こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。
人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
(取材・文・構成=編集下M)
編集下M(以下、M) 今週は北九州記念。直近3年で2度も16番人気の馬が馬券に絡んでいる波乱必至の一戦なので、楽しみにしている穴党の方は多いでしょうね。
立川(以下、立) 『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』の7月第1週のテーマも小倉芝1200m。このコースで馬券を買う時に覚えておいて欲しい、ちょっとしたコツを紹介しています。
7月第1週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より
M それが「夏の小倉開幕直後の芝1200mの勝負パターンは、外枠逃げ馬が外枠勢をつれてくる形」ですね。通常、開幕直後のローカル芝短距離戦なんて、「どうせ、内枠でしょ」という気がするので、違和感があります。
立 確かに、小倉が超高速馬場だったときには、時計が速すぎて物理的に内枠しか走れないという状況が発生していました。逃げ争いになってもラチにより近い内枠のほうが出しやすく、外枠の先行馬は出せないし、差し馬は距離ロスが大きく間に合わない、というような状況になっていたのです。記憶に新しいところでは、2022年の北九州記念が1分6秒9という高速決着になった結果、1枠1番のボンボヤージが16番人気1着、2枠3番のタイセイビジョンが3番人気2着、1枠2番のアネゴハダが4番人気4着と内枠の人気薄が好走しましたね。
2022年の北九州記念。1分6秒台の決着になり内枠の人気薄が激走
M 今は状況が違うと。
立 夏の小倉が6月後半からの開催になり、芝の育成が間に合わないせいか、以前より時計が掛かるようになり、開幕週でも中距離では差しが届く傾向にあります。一方で、1200mについては変わらず先行有利ではあるのですが、以前のように1分7秒台前半や6秒台が出るほどの超高速馬場ではありません。そうなると外目の枠からでも逃げ馬が主張できるようになります。ここで面白いのが、内枠の馬が逃げ粘るときの上位勢は様々なのですが、外枠が逃げ粘るときはほぼ外枠勢をつれてくるという点です。
これは隊列面の問題で、外枠の馬が逃げられるレースでは、内枠先行馬は被されて自分の競馬ができず走れません。そして小回りコースで、「ラチ沿い前方に外枠逃げ馬→ラチ沿い半ばに先行できなかった内枠先行馬」と並ぶと、さらにその後方になる内枠差し馬の進路がないので、直線で前が詰まるか、外に進路を切り替えるロスが生じるため間に合わないという状況に陥ります。その結果、逃げた外枠逃げ馬とスムーズに進路取りができる外枠差し馬の決着になることが多くなるのです。
M 今年も開幕週の土曜12Rは、6枠9番と5枠7番が逃げ争いをして9番が1着。2着に5枠8番の差し馬がきています。
立 日曜2Rは4枠7番が逃げて、8枠17番と7枠13番が2番手追走。逃げ馬がつぶれて17番と13番のワンツー、3着には7枠14番の差し馬が突っ込みました。このように、外枠の逃げ番手馬が好走したレースでは、外枠勢を連れてきています。内枠勢が走れないことで、繰り上がって外枠勢が走っているわけですね。今週末も外枠の馬が逃げて粘りそうなレースであれば、外枠への流しに絞ってOKです。
M この考え方は、当然、北九州記念にも応用できますよね?
立 北九州記念が開催前半に行われるようになった2020年以降、1分6秒台の決着になった2022年を除いて、全て外枠の馬が逃げることができています。ここ2年は2023年ジャスパークローネ、2024年ピューロマジックが外枠から逃げ切っていますが、2023年の2着が9番枠のママコチャだったほか、上位8頭のうち6頭が外枠、2024年は16番枠のヨシノイースターが2着したほか、上位6頭のうち5頭が外枠という決着。例にもれず、外枠逃げ馬が外枠勢をつれてきています。
2023年北九州記念。上位8頭中6頭が5枠より外の馬
2024年北九州記念。上位6頭中5頭を二桁馬番の馬が占めた
M 今年の登録メンバーをみると、明確な逃げ馬候補は少ないですね。
立 それだけに、すんなりハナを切れば残せる可能性は低くないはず。その場合はどの馬にも走れるチャンスができてしまう内枠よりも、外枠に逃げ馬が入って隊列面の制限が掛かるほうが狙いやすくなるでしょう。逃げ候補としてはクラスペディアやヨシノイースター、ロードフォアエース辺りが挙がりそう。これらの馬が外枠に入ったときには、外枠有利のイメージでフォーカスを組むことをオススメします。
M 「北九州記念は逃げ候補の枠に注目!」ですね。
<枠順確定後の追記> 北九州記念は、テンに速いロードフォアエースやヨシノイースター、直線競馬からの延長になるシロンなどが外枠に固まったことで、外から被せて出していける可能性は高まったように思います。内枠にクラスペディアがいますが、外枠から被せて先行できた前走のテンの速度がMAXなので、ここは出し切れない可能性が高いと判断します。
今開催の小倉芝は比較的差し届くので、外枠主導から逃げ馬だけ残しつつ外枠差し馬をつれてくる決着パターンが濃厚と見ています。そうなると外枠差し馬候補は17番枠のキタノエクスプレスと14番枠のアブキールベイになりますね。後者は葵S勝ちですが、人気薄での勝利で少しフロック視される分、1番人気にならなそうなので妙味は残りそう。
何が外枠から出し切れるか、逃げ馬選びには運の要素が強く絡んでくるので、レース質マトリックスの観点からは確実に伸びてこられる差し馬を軸に先行馬に流すフォーカスをオススメしたいところ。ここではキタノエクスプレスとアブキールベイを軸に、外枠先行勢へ流す形を第一候補とする予定です。
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立川優馬
人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!
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