2025年07月09日(水) 18:02
▲3人の対談は最終回(撮影:桂伸也)
先月行われた日本ダービーをクロワデュノールで制した北村友一騎手と、バレットの井上拓さんをゲストに迎えてお送りしている対談最終回。今回は“大ケガから学んだこと”についてお話しいただきました。
「すべてに意味がありました」── 北村騎手が日本ダービー制覇後のインタビューで語った一言。その言葉は、大ケガを乗り越えた北村騎手だからこそ言える特別な言葉でした。「人生のどん底で、いかに前向きに過ごせるか」を考えながら積み重ねた日々。その当時の気持ちを綴ったメモが、あのレースに、あのコメントに繋がったと振り返ります。そんな「恥ずかしかったので公開していなかった」というメモの“言葉”を明かしながら、発信することの大切さについても言及します。
前回はこちら▼
(取材・構成=不破由妃子)
──ここまでダービーについてたっぷりとお話を伺ってきましたが、やはり一番お聞きしたかったのは、先ほど井上さんもおっしゃっていた「すべてに意味がありました」というレース後の言葉の背景です。競馬ってそういうものだよなと思いましたし、何よりどん底から這い上がってきた北村さんの言葉だからこそ、すごく重みを感じて。
北村 “すべて”のなかで一番大きく占めているのは、やっぱり4年前のケガですよね。これまでケガをしたときの心境はそこまで詳しく語ってこなかったんですけど、最近は取材を受ける機会も多いので、ついに僕も解禁して。
▲「“すべて”のなかで一番大きく占めているのは4年前のケガ」(撮影:桂伸也)
佑介 3年前にこの対談に出てもらったときに思ったよ。友一がまた大きなレースを勝って、こうやってスポットが当たるときが早くくればいいなって。そうすれば、取材とかを通して、より伝えられるものがあるだろうし、それを見たり聞いたりした人にも響くだろうなと思ってた。
──佑介さんは、まさにそういうことをおっしゃっていました。ここで3年前の対談での佑介さんの言葉を引用します。「友一が大きいレースを勝ったり、自分で結果を勝ち取ってスポットが当たったときに、改めてインタビューなどを通して、今回のケガや1年間の思いや感謝がみんなに伝わればいいなと思ってる。量や内容に差はあれど、みんなやれることはやっているなかで、それを伝える機会があるというのは、スポットが当たったジョッキーの特権であり、ご褒美みたいなものだからさ。一番はね、友一がまた大きなレースを勝って、そういうスポットが当たるときが早くくればいいなということ。こういう場で喋るのとはまた違って、本人も込み上げてくるものがあるだろうしね」。
3年前の対談はこちら▼
北村 いやぁ、藤岡先輩のおっしゃる通りです。・・・
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。
藤岡佑介
1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。
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