【無料・七夕賞予想】今週はBコース替わり。それでも一周回って差し狙い!

2025年07月12日(土) 12:00

こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。

人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!

(取材・文・構成=編集下M)

構造的に差しが決まりやすい福島芝2000m

編集下M(以下、M) やりました! コラムでお話しされていた「外枠差し馬狙い」がハマって北九州記念の3連複的中が的中しました。卍さんのコラムでK3さんがたまに的中馬券を出しているのをみて、真似したいと思っていたんですよ。

立川優馬

立川(以下、立) 念願が叶って良かったですね(笑)。私もやっとコラム通りのレース質で重賞が当たってホッとしました。今週の七夕賞もレース質が顕著に表れやすい条件なので期待していただいて結構ですよ。

M ということで、『「今週勝つ! 」を叶える馬券カレンダー』の7月第2週のテーマは「福島芝2000mでは先行決着を捨てて、差し決着の波乱にだけフォーカスを絞る」。七夕賞ウィークにピッタリのテーマですね。

立川優馬

7月第2週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より

 まずは七夕賞が行われる福島芝2000mについておさらいします。福島芝2000mは、4コーナー引き込み線発走で、最初のコーナーまでが491.3m(Bコース時)と長いレイアウト。引き込み線部分が下り坂になっているうえに、直線にも坂があるので、「発走地点の下りで加速→長い直線で先行争い→先行争い中に坂を上る」という序盤の流れになります。その結果、2000mの中距離ながらテン3F34秒台、時に33秒台で突っ込んでいくことになるので、先行負荷が高くなりやすいのが特徴です。

 このコース形態に近いのが、阪神芝2200mや函館芝2000m、中京芝2200mなどで、「多頭数」「上級条件」「時計が遅い(馬場荒れ、悪天候)」「先行馬が多い」という条件がそろえばそろうほど、差し有利に傾くというのが基本のレース質になっています。

立川優馬

福島芝2000mの立川式コース図

M 確かにコース図に、「発走後下り」「直線坂」のアイコンが付いています。

 福島芝2000m重賞は今週行われる七夕賞と、11月に行われる福島記念の2レース。昨年の結果をみると、どちらもかなり深い位置からの差しが届いていることが分かります。「多頭数」「上級条件」はまず確実で、梅雨時期や秋雨の時期に当たりやすく「時計が遅い(馬場荒れ、悪天候)」を満たすケースが多いのに加え、ローカル向きの小回り巧者が多めで、1600〜1800mからの延長も少なくないので「先行馬が多い」に該当することが多いということで、差しが決まる要素が整いやすいのです。

立川優馬

2024年七夕賞

立川優馬

2024年福島記念

M 去年の七夕賞は1〜3着馬の4角通過が8番手→9番手→6番手。福島記念は初角の通過が12番手以降だった馬がワンツースリー。一般的なローカル重賞のイメージとはだいぶ異なりますね。

Bコース替わり1週目。馬場造成も良好だが…

「では、今年の七夕賞はどうなるか」という話ですが、それを判断するには、開催時期の変更と馬場造成の向上を抜きには語れません。今年の七夕賞は開催週が1週繰り下がっています。そのため、従来はAコース最終日に行われていたものが、Bコース開幕週の2日目に行われることになります。内が多少荒れていてもそれがカバーされた状態で行われるので、以前に比べて馬場がよく、時計が速い中でのレースになることは間違いありません。

 また、福島の馬場造成は近年非常によくなっており、年々高速化してきています。今年は週中の雨の影響もあって、開幕週が昨年ほどの超高速馬場ではありませんでしたが、それでも昔に比べるとまだ時計は出ているほう。先週日曜にようやく時計が掛かって差しが届き始めていました。

M 例年より馬場がいい。Bコース替わりの一週目。ということは、今年は先行有利になる?

 週末、雨に見舞われない限り、それなりに時計の速い決着になるでしょう。そうなると、ローカル芝2000mが差しに傾く条件である「時計が遅い(馬場荒れ、悪天候)」が失われてしまうことになります。

M やっぱり本に書かれているレース質とは逆になるということですね。

 いえ。結論から言うと、今年も差し決着濃厚と見ています。

M まさかのちゃぶ台返し!?

 実は近年の七夕賞の時計と脚質面の相関を見るとあることに気づきます。

●2024年 1.57.9 1着馬 8-8-8-8 2着馬 10-9-9-9 3着馬 6-6-6-6
●2023年 1.59.8 1着馬 3-4-2-2 2着馬 3-2-5-4 3着馬 8-7-8-6
●2022年 1.57.8 1着馬 6-6-5-3 2着馬 10-11-10-8 3着馬 11-9-8-5
●2021年 2.02.2 1着馬 2-2-2-2 2着馬 1-1-1-1 3着馬 6-6-8-8

 もちろんペースの違いがあって、時計の速いときはハイペースではあるのですが、決着時計が速いときほど差し決着に、遅いときほど先行決着になっています。これは、近年の馬場造成のよい福島芝では、時計が速く上がりが出やすいときに差しが届くことを示しています。実は、この現象は福島に限ったものではなく、最近の中山開幕週などでもやたら時計と上がりが速く、先行馬が止まっていないのに切れ負けするというパターンが増えています。これは近年の馬場造成のトレンドの一つと考えています。

M 先行馬はトップスピードの限界をポジション差で補っていると考えると、納得はできますね。

 今年の七夕賞はBコース替わりで馬場状態もよいからこそ、差しが決まりやすいレースになると判断します。今年のメンバーは比較的先行勢が手薄なので、コース替わりと相まって先行決着を見る向きもあるかもしれません。それでも一周回って差し馬からアプローチすることをオススメしておきます。

 ただし、高速決着になるので外を回すと間に合わない可能性が高く、道中はラチ沿いで脚を溜められる内枠有利で取ってみたいところ。土曜の時計や傾向を見ながらフィックスしていきたいですね。

M 現時点での注目馬を教えてください。

 差し馬の中で相対的に上がり上位をコンスタントに使えているのが、シルトホルン、セブンマジシャン、ドゥラドーレス、ドラゴンヘッド、リフレーミング辺り。ドラゴンヘッド以外は距離延長ローテになりますが、高速馬場なら問題ないでしょう。このうち、内枠に入った馬に注目してみたいところです。

M あとは土曜の傾向を見極めて、ですね。

 七夕賞は『ウマい馬券』の無料予想を担当するので、最終結論はぜひ、そちらでご覧ください。

<枠順確定後の追記>
 今年の七夕賞は、正直に言って、現時点の想定ではかなり難しい枠の並びになってしまったなという印象です。

 まず、もしペースが上がり切らないパターンがあるとしたら、逃げ候補となるコスモフリーゲンが内枠に入って隊列がすんなり決まる形でしたが、まんまと2枠2番に。また、差し馬勢で期待をしていたシルトホルン、セブンマジシャン、ドゥラドーレスがそろって7〜8枠へ。土曜の馬場傾向を見て、外から間に合うようであればよいですが、Bコース替わりの高速馬場で内枠有利になっていると、内枠主導の隊列を考慮しても物理的に間に合わないケースが考えられます。

 内枠で末脚の担保があるのが1番枠のドラゴンヘッドと5番枠のリフレーミングですが、リフレーミングは脚質的にもデムーロ騎手の騎乗スタイルからも外枠からマクれるほうがよかったですね。ということで、枠順決定後の注目馬としてはドラゴンヘッドと、急遽になりますがこの枠並びで高速馬場なら延長で位置が取れて、マイル質の上がりも使える4番枠のマテンロウオリオンを挙げておきます。

 土曜の競馬を見て、内枠先行有利の馬場(思いのほか時計が掛かって上がりが出ない馬場)であれば、2023年や2021年のように隊列面では内枠先行有利に傾いてもおかしくない並びではあります。その場合は、逆の目に張って、コスモフリーゲン、ギャラクシーナイト、シリウスコルトで取る方法もあるので、様子を見て最終判断を下したいところです。

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立川優馬

人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!

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