【七夕賞】とにかく荒れるハンデ重賞 近走好走馬に注目

2025年07月12日(土) 12:00

重賞初制覇を果したシリウスコルトに期待

 今年で61回となる七夕賞は、とにかく荒れるハンデ重賞で一番人気は8回しか勝っていない。この中には25連敗が含まれており、目下のところ7連敗中だ。

 その8年前に一番人気で勝ったゼーヴィント(牡4)はディープインパクト産駒で、ハンデ57キロで単勝は3.4倍だった。速いペースの中団を追走していたが、騎乗した戸崎騎手は「追って渋太く伸びるタイプ」と語っており、レースではその通り走ってみせていた。

 キャリアを見れば人気になるのも当然で、3歳の春はプリンシパルS3着で日本ダービーに出られなかったが、福島のラジオNIKKEI賞を勝って秋はセントライト記念2着、そして11月の福島記念2着と好走が続き、年を越して1月のAJCC2着とあと一歩の戦いが続いていた。

 この後、脚部不安で休養に入り、5ヶ月半ぶりにこの七夕賞に出走していたのだった。重賞勝ちがあり、コース実績もあるゼーヴィントが力を出し切った一戦だったと言える。

 勝てずとも、一番人気で連対を果たした馬はこの5年で2頭も出ている。3年前のヒートオンビート(牡5)57キロ、3.3倍と、昨年のキングズパレス(牡5)57キロ、3.8倍の2頭で、どちらもキングカメハメハの産駒だ。

 ヒートオンビートは前年かの暮から重賞で2、3、3着と走り天皇賞(春)4着と好走、宝塚記念除外で七夕賞に出て、外に出して伸びるも先に抜け出した6番人気エヒト(牡5)54キロに2馬身半届かなかった。

 昨年のキングズパレスは、前年秋から3勝クラスで3戦連続2着して、年が明けて3、1着、そして前走が5月の新潟大賞典でハナ差の2着と好走していた。18戦4勝2着9回と確かな末脚で安定したレースぶりが目立っていた。七夕賞は速いペースの中、後方で脚をため、前にいた勝ち馬レッドラディエンス(牡5)57キロ。2番人気から2馬身差で入線していた。

 連対を果した一番人気馬には、どれもが近走は好走を続けていたという共通点がある。

 ところがこの10年、一番人気で掲示板を外した馬が5頭もいた。トップハンデに泣いたもの、スタートが遅れ位置取りが悪くなったり、小回りコースで自分のリズムで走れなかったり、荒れた馬場で苦しんだりと様々な理由があった。期待に応えるには、それなりの条件がととのうのが大前提で、その中でも、福島の小回りの2000米に対処できるかどうかが最大のポイントだ。

 道中のペースが緩くなることはなく、機動力や持久力がもとめられるので、現実に春、福島民報杯を勝って、前走新潟大賞典で重賞初制覇を果したシリウスコルトを中心にしたい。先行力があって器用さがあるので、このハンデでもしのいでくれるだろう。

 屈腱炎から立ち直り、小倉で勝って続くエプソムCでレコード決着の2着と走ったドゥラドーレス、こっちは決め手が身上。そして、実績のある福島から始動と脚部不安から復帰したリフレーミングを。

「七夕に さらに輝く 一等星」

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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