2025年07月14日(月) 18:02
▲高田潤騎手と小牧加矢太騎手の対談第1回(撮影:下野雄規)
2025年の障害リーディングを独走する高田潤騎手をゲストに迎え、「加矢太論」夏の特別対談企画 in 福島競馬場がスタート!
初回のテーマは、障害界でいまや一般的となった「スクーリング(障害コースでの事前調教)」の意義と、その舞台裏。
スクーリング当日の様子を多数の写真とともに振り返りながら、馬のメンタルへの影響や、厩舎・ジョッキーによる考え方の違いにも迫ります──。
(取材・構成=不破由妃子)
──お久しぶりの『加矢太論』ですが、今回は障害リーディングを独走中の高田潤騎手をお招きして、障害レースや障害ジョッキーの魅力を多角度から掘り下げていこうというスペシャル企画です。よろしくお願いします。
高田・加矢太 お願いします!
加矢太 今朝(7月4日)はスクーリングの様子を取材してもらって。スクーリングという言葉を知っている人はいると思いますけど、そこに焦点を当ててもらえる企画ってなかったんちゃいます?
高田 そうかもね。ありがたいね。
──スクーリングとは、前もって馬に障害コースや障害物を見せておく作業というのは知っていましたが、今日初めて生で拝見したら、みなさんいろんな動きをされていて。思っていた以上に奥が深いというか、大事な時間なんだなと思いました。
▲奥が深いスクーリングの裏側(撮影:下野雄規)
高田 今はみんな当たり前のようにスクーリングをしていますけど、ひと昔前は、中山大障害の前だけやるという人が圧倒的に多かったです。当時、ほかのレースでもスクーリングをしていたのは、西谷さんと僕くらいで。
──そうでしたか。てっきり昔から当たり前のようにやってらっしゃったのかと。
高田 増えてきたのは、僕がリーディング獲った2013年くらいからですね。僕がスクーリングに連れて行った馬たちがよく勝っていたので、そこから取り入れる厩舎やジョッキーがどんどん増えて行って、今ではこうして当たり前になったというか。
加矢太 今は毎週ですもんね。
高田 うん。毎週木曜日に現地に入って。
──今朝、潤さんがスクーリングしていたのは、モントライゼとウィズユアドリーム。加矢太さんはリレーションシップとスマイルペンダント。モントライゼとリレーションシップは福島の障害コースを走った経験がありますが、そういう馬でもスクーリングを実施されるんですね。
▲コース経験があってもスクーリングを行う(撮影:下野雄規)
高田 そうですね。初めてであろうとなかろうと、スクーリングすることにはメリットしかないと僕は思っていて。なかには必要としない馬もいるかもしれないけど、デメリットはほぼないというのが僕のイメージです。
加矢太 乗馬の世界にもフレンドシップ(場慣れのために実際に競技会が行われる馬場で実施される練習走行)という競技があるので、スクーリングの時間が取れるのは本当にありがたいです。
高田 たとえ何回も走っているコースだとしても、競馬場に着いて翌日競馬というスケジュールよりも、中1日あったほうが馬の気持ちも落ち着くんじゃないかと俺は思う。人間に例えてみても、現地に行って次の日に試合よりも、1日余裕があったほうがコンディションを整えやすいでしょ。あとは、スクーリングをする=翌日競馬というのがルーティンとして刻まれれば、馬も気持ちの準備がしやすいというか、自然とスイッチが入るようになるんじゃないかっていう気もする。
▲「馬も自然とスイッチが入るようになる」(撮影:下野雄規)
──日曜日に使う馬は、金曜、土曜と現地でコンディションを整えられる日が2日間あるということですよね?
高田 そうですね。中山、東京、小倉の場合は固定障害なので、金曜日に現地に入って土曜日にスクーリング、日曜日に競馬というケースも多いです。ただ、福島は置き障害ですから、土曜日の朝は障害を置いてもらえない。だから、日曜日に使う馬も金曜日にスクーリングをします。そのあたりは競馬場によりますね。
加矢太 潤さんとは、よく馬のメンタルについて話しますけど、僕もスクーリングのメリットを感じることがあって・・・
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小牧加矢太
1996年12月24日、兵庫県生まれ。父・小牧太は現役ジョッキー。一度は競馬騎手を志すも、身長の高さから体重制限が難しく、馬術の道へ進む。数々のタイトルを獲得し、2022年にJRAの障害騎手としてデビュー。2024年にはホッコーメヴィウスとのコンビで新潟ジャンプステークスを制し、重賞初制覇。同年には障害リーディングを獲得、JRA賞最優秀障害騎手にも選出され、異例のスピードでトップジョッキーの仲間入りを果たした。
プロフィール
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