【もうひとつのセレクトセール】早逝したジャンダルム、最後の贈り物──ラストクロップを託された人々の想い

2025年07月15日(火) 18:03

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▲「ハーバーコメットの2024」の父で2月にこの世を去ったジャンダルム(撮影:下野雄規)

セレクトセール2025が、7月14日・15日の2日間にわたり盛大に開催されています。今年も億超えの注目馬が続々と登場する中、今年2月に10歳の若さで急逝したジャンダルムのラストクロップが一頭、上場されました(ハーバーコメットの2024)。

母はスプリンターズSなどGl・2勝のビリーヴで、自身も2022年、同レースで“母仔制覇”の偉業を成し遂げたスプリント能力の持ち主。その血をつなぐ最後の一頭をめぐり、落札した谷掛龍夫オーナー、管理予定の杉山佳明調教師、そして生産牧場の(株)さとう・佐藤鉄也代表が、ジャンダルム産駒に託す想いと未来について語ってくださいました。

(取材・構成=小田穂乃実)

谷掛オーナー「思い入れのある血統、購入したかったです」

──落札おめでとうございます。2022年のスプリンターズステークスを勝利したジャンダルムのラストクロップとなります。今回、どのような経緯でご購入にいたったのでしょうか。

谷掛 この血統は親戚一同を多く購入させていただいています。昨年の福島牝馬Sを勝ったコスタボニータや、今年の京成杯3着のミニトランザットなどがいますね。

 この馬もこれまで馬を預けている杉山佳先生が教えてくれて、狙っていました。思い入れのある血統ですし、走るかどうかは関係なく購入したかったです。優秀な母馬です。

──馬の雰囲気はいかがですか。

谷掛 良さそうですよ。無事にデビューしてくれれば。

杉山佳調教師「この馬も芦毛なのがいい!」

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▲ハーバーコメットの2024を管理予定の杉山佳明調教師(撮影:小田穂乃実)

──厩舎ゆかりの血統ですね。この馬の印象などを教えてください。

杉山 ジャンダルム産駒はサンプルが少ないので難しいですが、馬体重は問題ないですし、去年のセリで産駒を見ましたが、バランスも良かったですね。母系からも気は良さそうです。

──ジャンダルム産駒のラストクロップになります。・・・

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