【無料・小倉記念予想】小倉記念の結末は開催時期で決まる 今年は差し決着濃厚!?

2025年07月19日(土) 12:00

こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。

人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!

(取材・文・構成=編集下M)

以前より時計を要し、開幕直後から差しが届く

編集下M(以下、M) 七夕賞が1週繰り下がって七夕から遠ざかったり、函館記念の後に巴賞が行われたり、今年のレーシングスケジュールになかなか馴染めません。

立川(以下、立) 今年は大幅に変わりましたからね。ただ、夏の小倉は毎年のように開催フォーマットが変わっていて、それがレース傾向に影響を及ぼしているんですよ、というのが単行本のテーマになっています。

立川優馬

7月第3週の狙い方。『「今週勝つ! 」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より

M 7月第3週の『「今週勝つ! 」を叶える馬券カレンダー』をみてみると「時期が早まった小倉開催後半は、これまで以上に芝中距離で差しが届く」とありますね。

 まずは近年の夏の小倉開催の日割をみてみましょう。

・2020年 8月半ばからの8日間開催
・2021年 冬に1、2回ロングラン開催を挟んだうえで、7月頭から中休みを挟んで9月頭までの14日間開催
・2022年 2021年を踏襲しつつの16日間開催
・2023年 冬の開催が少し長めで2020年と同様の8日間開催
・2024年 1、2回ロングラン開催に戻り、6月後半からの8日間開催

 ポイントは大まかに見て「(1)近年は開催日数が少なくなっている」「(2)開催時期が年々早まっている」傾向にあることです。

M この2点が何を意味するのでしょうか?

 芝は8日間状態がもてばよいので、それほど堅い馬場造成でなくてもよくなりました(1)。以前の小倉は梅雨時期に重なりつつも2開催に耐えうるだけの馬場造成が必要でしたが、2023年以降は明確に馬場が緩めの状態でスタートしており、開幕週からそこまで速い時計は出ていません。

 また、(2)については、2024年から小倉の開幕週が6月末に繰り上がりました。小倉は野芝のみの施行なので、気温が上がり切る前の6月段階ではあまり根付きがよくありません。そのため、輪をかけて時計が掛かるようになってきているのです。

M 小倉芝といえば内枠先行有利のイメージが強いですが…?

 それ(小倉芝の内枠先行有利)は小回り平坦のコース形態とスパイラルカーブによって、高速馬場時にロスなくラチ沿いを立ち回る馬が恵まれることに起因しています。時計が掛かるようになれば、従来の内枠先行有利は薄れるので、その結果、以前の開催後半のように差しが届くような状態で開幕するようになったということです。

M 実際のところ、今年の開催はどうなっていますか?

 安心してください、お話しした通りの傾向になっていますよ。開幕週の佐世保S(芝1200m・3勝クラス)はパンパンの良馬場でのハイペースにもかかわらず1.07.8。これは、同日開催の福島芝(野芝に洋芝をオーバーシード)、函館芝(洋芝のみも高速馬場)と大して変わりません。このレースでは道中8番手追走のヤマニンアンフィルが差し切っているように、全体的に開幕週にしては差しが届いていました。

 2週目以降もそこまで強く雨に降られることはありませんでしたが、順調に差しが届くようになってきているので、最終週となる今週も差し馬ねらいで問題ありません。

最終週施行の小倉記念は「外枠差し」でアプローチ

M 今週日曜のメインレースは小倉記念です。このレースもまた、開催時期がまちまちなんですよね。

・2020年 2回2日目(夏開催開幕週)
・2021年 4回2日目(7月6日間→小休止→8月開催の2日目)
・2022年 4回2日目(7月8日間→小休止→8月開催の2日目)
・2023年 3回2日目(夏開催開幕週)
・2024年 中京で施行

 開幕週に行われた2020年と2023年は内枠有利決着で、比較的前目で競馬をした馬が好走しています。対して、開催後半に行われた2021年、2022年には人気薄の外枠差し馬が台頭しています。

立川優馬

2021年小倉記念は少頭数ながら8枠→7枠→8枠で波乱決着

立川優馬

2022年小倉記念。6枠12番のヒンドゥタイムズが追い込んで波乱を演出

 このことを考慮すれば、最終週に行われる今年は、まず外枠差し有利をベースにアプローチしてよいということになるでしょう。「ローカル芝2000mの差し有利」にも該当しています。

M 「ローカル芝2000mの差し有利」については『「今週勝つ! 」を叶える馬券カレンダー』で詳しく解説しています(宣伝!)。

 これらに加えて、前述したように以前に比べると時計が掛かる馬場造成になっていることを加味すれば、かなり極端に差し有利の傾向が出ると考えられます。

M かなり強烈な差しバイアスが発生しそうですね!

 今年のメンバーを見るとそこまで先行馬が多いわけではありませんが、それでも緩い流れにはならないはず。外枠に入った差し馬のうち、タフな馬場や流れで持続力を生かすことができる距離短縮ローテの馬を評価したいですね。上がりの質や追走面を考慮すると、近走上がり上位を使っており、前走でそこそこの位置で競馬をしているのが理想なので、該当するオールセインツやラスカンブレスが外枠を引いてくれることを祈る週末になりそうです。

<枠順確定後の追記>
 それほど多くない逃げ先行馬が外枠にそろって、外枠主導の隊列確定の並びになりました。外枠勢が先行しながら切り込んでいくので、被せられる内枠が差すためには一旦下げて外を回す必要があります。そうなるとタフな馬場での距離ロスが大きくなるので、間に合わなかったり、延長差し馬が体力負けしたりしそう。

 外枠の馬で純粋に差し馬なのは16番枠のディープモンスター、12番枠のハピ、11番枠のダンディズムなので、ここから入って内枠勢でも比較的外目の枠でかつ距離短縮ローテの8番枠ラスカンブレス、7番枠オールセインツまでのところで決まってくれると分かりやすくてよいですね。特に、新潟大賞典の先行有利かつ外枠有利のレースを内枠から差して3着のハピは人気でも割り引く要素がないので軸には最適だと思います。

 1800mからの延長差し馬で内枠に入った1番人気想定のメリオーレムは少し苦しい並びになったので、人気なら嫌ってみたいところです。

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立川優馬

人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!

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