2025年07月19日(土) 12:00
以前は夏の北海道シリーズを締めくくる重賞というときもあった函館2歳Sだが、函館と札幌の開催が入れ替わった1997年以降、世代最初の重賞になり、デビュー間もない2歳馬のスピードを競う場になってきた。
ずっと北海道デビュー以外の馬が勝つことはなかったが、昨年、レース史上初めて函館以外で新馬戦を勝ったサトノカルナバルがチャンピオンになっていた。
東京の芝1400米で10頭立ての1番人気。道中は4、5番手の外を進み、残り2ハロンまで馬なりのまま。そこから一気に後続を突き放して7馬身もの差をつけて1分23秒6で勝っていた。
騎乗したD.レーン騎手のジャッジは短距離向きということで、持って生まれた能力を発揮する場は函館のここと決められたのだった。カイ食いが良く、すぐにここの環境にも慣れ、小回りの1200米でもしっかり反応していた。速いペースの中、道中は4番手。外から仕掛けてからの反応も良く、抜け出して1番人気に応えていた。3年目の佐々木大輔騎手に重賞初制覇をもたらしたが、ここでは馬の完成度と能力が違っていたということだったと思っている。
世代最初の重賞に求められるものが何かを明確に示してくれたのが、昨年のレースであった。今年もこのタイプをさがしてみたい。
高速馬場でのスピード勝負になることが多く、馬場が良ければ、今年もそうなるだろう。1200米だから、逃げ、先行、好位グループ以外の馬にはチャンスは少ない。
今年は、開幕週の1000米で2歳コースレコードをマークしたカイショーに、まず目が向く。46年ぶりのレコード更新だったが、逃げまくって3馬身差のデビュー勝ち、余裕が感じられた。スワーヴリチャード産駒でハーツクライの血を引き継いでいて、2歳戦でも好調をキープしている。
そしてもう一頭が、2週目で1200米でデビュー勝ちしたブラックチャリスだ。3番手を追走し、直線逃げ馬をあっさりとらえて3馬身差をつけていた。これも2歳のコースレコードをマークしていて、スピードでは負けていない。昨年の勝ち馬サトノカルナバルと同じキタサンブラック産駒というのも強調しておきたい。
カイショーが前にいて、ブラックチャリスがこれを見て追うという展開が頭に浮ぶが、キャリアの浅い2歳馬だけにまだこれから一戦一戦、進化をさせていかなければならない。果してどう出てくるか。
その点、2戦目で好位に控えて勝ってきたトウカイマシェリは、新馬戦で逃げて2着に負けたレースから一変した戦い方を見せてくれた。この経験は今回も生きそうだ。2歳戦に強いドレフォンの産駒だから無視できない。
あと一頭は、初戦は出負けしながら末脚が光って差し切っていたエスカレイトを。ロードカナロア産駒で可能性を秘めた馬と見ておきたい。
「函館で 世代最初の タイトルを」
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。
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