2025年07月23日(水) 12:00
7月16日(水曜日)にハッピーバレー競馬場で行われた開催をもって、香港における24/25年シーズンが閉幕した。
24/25年シーズンの香港ジョッキークラブは、シャティン競馬場とハッピーバレー競馬場の2競馬場で88日間の開催を行い、847競走を主催。これ以外に、海外サイマルキャストを393競走発売し、トータルの年間売り上げは1388億5100万香港ドルで、23/24年との対比で3.0%アップという好調な数字が残った。ただし、22/23年の年間売り上げは1411億4100万香港ドルで、すなわち大きく数字を落としたのが23/24年で、今季はよく持ち直したものの、22/23年の水準まで戻すことは出来なかった。
一方、年間の入場人員は、2競馬場あわせて171万7000人に達した。23/24年では151万2000人だったから、13.6%という大幅なアップとなった。筆者は、そもそもからして入場者の多い開催である、4月の香港チャンピオンズデーと、12月の香港国際競走しか臨場していないのだが、場内の沸騰感と高揚感は相当なものだった。
ことに、無敗でシーズンを駆け抜け年度代表馬に選出されたカーインライジング(セ4)、史上2頭目の古馬三冠を達成したヴォイッジバブル(セ6)、昨季もG1香港Cを制したのに加え、ドバイのG1ジェベルハッタを制したロマンチックウォリアー(セ7)といった、スターホースたちに向けられるファンの思いは極めて熱く、エンターテインメントとしての競馬を楽しんでいることを実感させられた。
全日程が終了し、各種ランキングも確定した。リーディングトレーナーは、69勝をあげたジョン・サイズ師が、61勝のデビッド・ヘイズ師に8勝差をつけて首位を堅持。自身が持つ記録を更新する、13回目のリーディング獲得となった。
リーディングジョッキーは、早くから独走態勢を固めたザック・パートン騎手が、最終的には138勝を挙げて、自身8度目となるリーディングの座を奪取。2位のヒュー・ボウマン騎手が72勝だから、ほぼダブルスコアの圧勝となった。
パートン騎手は今年1月22日、ハッピーバレー競馬場での開催で、香港における通算1814勝目をマーク。ダグラス・ホワイトが持っていた1813勝を抜き去り、香港における歴代最多勝騎手となっている。
また、シーズン終了に先立ち、7月11日(金曜日)にローズウッドホテルで香港チャンピオンアワーズの授賞セレモニーが行われ、前述したように、カーインライジングが年度代表馬に選出された。
ニュージーランド産で、23年12月に香港でデビューした同馬。そのシーズンは7戦し、最終戦となったG3シャティンヴァーズ(芝1200m)で重賞初制覇を果たしたのを含めて。5勝を挙げた。24/25年の同馬は8戦し、負け知らずの8連勝。3戦目となった、24年11月のG2ジョッキークラブスプリント(芝1200m)で、セイクリッドキングダムが持っていた記録を17年ぶりに更新する1分7秒43のトラックレコードを樹立。さらに25年1月のG1センテナリースプリントC(芝1200m)では1分7秒20と、自身の記録をさらに更新する快速時計をマークしている。24年12月のG1香港スプリント(芝1200m)を制したのに加え、25年に入ると、前出のG1センテナリースプリントC、2月のG1クイーンズシルバージュビリーC(芝1400m)、4月のG1チェアマンズスプリントプライズ(芝1200m)でいずれも白星をあげ、香港スプリントシリーズ完全制覇を達成。まさに無双の強さを見せつけることになった。
カーインライジングは、「最優秀短距離馬」「最優秀4歳馬」にも選出され、三冠を獲得している。
一方、ヴォイッジバブルは、「最優秀マイラー」と「最優秀ステイヤー」のダブルタイトルを獲得。ロマンチックウォリアーも、「最優秀ミドルディスタンスホース」の座に輝いている。
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合田直弘
1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
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