【マーキュリーC回顧】進む気にならないカズタンジャーを動かし続けて交流重賞初制覇「俺、ウシュバに乗ってるのかな? と思うほど進まなかった(苦笑)」

2025年07月24日(木) 18:02

“VOICE”

▲カズタンジャーと制したマーキュリーCを川田騎手が振り返ります(提供:岩手県競馬組合)

7月21日、盛岡競馬場で行われたマーキュリーカップ。先頭でゴール板前を駆け抜けたのは川田騎手とカズタンジャーのコンビでした。

以前から、前に進もうという気になかなかならないというカズタンジャー。2着に1馬身差の快勝ではあったものの、レースについて川田騎手は「なかなか大変だった」とポツリ。1コーナーでは、「ウシュバに乗ってんのかな?(笑)」と思うほどに進まなかったと振り返ります。

そんな彼を動かし続け、前へ進む気持ちを持っていくことに専念した結果、「しょうがないな、動くか…」と思わせることに成功。これが勝利のポイントとなりました。そんな「ムチを入れればいい」というわけではないという馬の“メンタルコントロール”。川田騎手がレース中、どのように馬の気持ちを持っていったのかを徹底解説します。

(取材・構成=不破由妃子)

「そろそろ行かなしゃーないか」くらいの雰囲気にはなったので…

──今週の月曜日には、盛岡のマーキュリーCをカズタンジャーで勝利。日曜日の小倉最終まで乗って盛岡に移動という、なかなかハードな日程でしたね。

川田 関西から九州へ行き、九州から東北ですからね。なかなかな3連休でした。

──しかも、マーキュリーCは、終始体力が削られ続けるようなレースで…。

川田 ホントにねぇ(苦笑)。カズタンジャーは、特殊な馬でね。前に進もうという気になかなかならない馬ですから。

“VOICE”

▲カズタンジャーは「前に進もうという気になかなかならない(笑)」(提供:岩手県競馬組合)

──周りを気にするとか、そういう感じなんですか?

川田 違います。周りが気になって…とかではなく、ただ単純に走る気がない。

──デビュー2戦目にブリンカーを着けて、それ以来ずっと着けているのに。しかもけっこう深いやつ。

川田 あれは一番深いタイプで、後ろも横も見えません。そうやって前しか見えない状態にして、集中して走ってくれということなのですが、あの馬に関しては、・・・

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川田将雅

1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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