2025年07月26日(土) 12:00
こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。
人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
(取材・文・構成=編集下M)
編集下M(以下、M) 今週からは新潟・中京・札幌への開催替わり。新潟と札幌が始まると、夏競馬も後半戦といった感じです。
立川(以下、立) ただ、今週から暑熱対策による競走時間帯の拡大、いわゆるお昼のインターバルが実施されるぐらいですから、むしろ夏本番ですよね。
M 競走番号間違いにも気をつけないと。新潟と中京のメインレースは7レース、そして私のようなPOGマニアは新馬戦が10時台に発走することも頭に入れておきたいところです。特に日曜日の新潟3R、フィロステファニVSペルウィクトールは今開催屈指の好カードだと思うので、立川さんも見逃さないようにしてください。
立 フィロステファニもペルウィクトールも下Mさんが携わった『POG直球勝負』に掲載されていましたね。注目しておきます。
7月第4週の狙い方。『「今週勝つ! 」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より
M さて、単行本『「今週勝つ! 」を叶える馬券カレンダー』7月第4週のテーマは「函館ダート1700m→札幌ダート1700mの出し入れで穴があく」。レース質マトリックスお得意の“出し入れシリーズ”ですね。
立 札幌競馬場は芝ダートともにローカルの中でもひときわ特殊なコース形態になっており、かなり強いレース質が出る競馬場です。その中で、レース数が多く、人気薄の台頭が見込めるのが札幌ダート1700mなので、ここで関屋記念の資金を稼いでしまいましょう。
M 関屋記念の展望は後半で伺うとして、まずは札幌ダート1700mの特徴から教えてください。
立 札幌ダート1700mがもつレース質は「外枠・差し・短縮」。元来、先行有利に傾きやすいダートコースの中で、数少ない差し有利のコースになっています。差し有利に傾く理由は、そのコース形態にあって、札幌競馬場は直線部分の短い楕円形をしており、コーナー部分が長いのが特徴。また、ほかのローカル競馬場とは違ってスパイラルカーブを採用しておらず、ローカル小回りのイメージに反して、かなり大回りなコースになっています。そのため、コーナーで加速をしやすく、馬群の外を通してマクリ差す競馬が決まりやすい。
M だから、「差し有利」かつ、枠なりに馬群の外目を通しやすい「外枠有利」になるわけですね。そして「出し入れ」となっているということは、函館ダート1700mは傾向が違うと。
立 その通りです。先週まで開催が行われていた函館ダート1700mは、小回り+スパイラルカーブという形態で、札幌とは真逆の内枠先行有利が強いコース。ここで先行して恵まれて好走した馬が札幌替わりでも人気をすることになりますが、札幌ダート1700mは差し有利なので、人気を裏切るケースが増えてきます。また、逆に先行有利の函館ダート1700mで差して届かなかった馬が、札幌ダート1700mでは差し届くことになるので、ペースによっては大敗馬の巻き返しも見込めます。この函館と札幌の出し入れが穴をあけるのです。
函館と札幌の形状比較のイメージ図。『「今週勝つ! 」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より
M 函館と札幌は一括りにされがちですが、全く別物なんですね。
立 そういう人が多いからこそ、この出し入れが儲かるんですよ。函館→札幌の開催替わりで、北海道滞在馬が継続して出走してくる開催前半が特にねらい目。以下のようなレースがあれば、積極的に外枠差し馬をねらってみてください。
・前走函館ダート1700mを先行して好走した馬が内枠に入って人気をしているレース ・前走函館ダート1700mを差して凡走した馬が外枠に入って人気落ちしているレース
ちなみに、今年は函館芝が高速馬場で先行有利傾向が続いていたので、ダートと同様に大回りの札幌芝で差しが届くときに穴があくパターンはケアしておくといいですよ。
M 今週末の札幌では、新馬戦を除いて土日で7鞍のダート1700m戦が行われるので注目したいと思います。
M ここからは関屋記念の展望をお願いします。
立 夏の新潟開催の特徴は、馬場の内目がよいこと。古い言葉で言えば、「内にグリーンベルトができている」というやつです。1回新潟は全日Bコースで行われるため、Aコース部分は前年10月末以来、約10か月ぶりに使われることになります。その間に芝の張替えがあり、野芝が生えそろった7月末にパンパンの馬場状態で開幕するのです。その際、1回新潟で使われたBコース部分は養生期間が短いため少し状態が悪く、長い直線で馬群が横に広がっての追い比べになる新潟では、状態のよいAコース部分を通せる馬が伸びるという現象が起きます。
M 10か月間、手付かずの状態にある最内のAコース部分と、5月に4週間使われているBコース部分では、確かに差が出そうです。
立 特に今年の1回新潟は、開催8日間全てで雨の影響があり、朝スタート時に良馬場だったのは2日間のみ。最終的にはかなり荒れた馬場になりました。このことを考慮すると、今年は例年以上にAコース部分とBコース部分の差が大きい(内枠有利が強い)ことが予測されます。
M しかも今年から関屋記念は開幕週のハンデ戦へと移行しましたよね。
立 ですから、新しい関屋記念は、これまでに比べて強めに内枠先行有利傾向が出る可能性が高いと考えられます。ただし、馬場状態は絶好なので先行しても高速上がりに対応できることが好走条件。今年のメンバーであれば、アルセナール、シヴァース、シンフォーエバー、ジョウショーホープ、ハクサンバード辺りが先行しそうですが、上がりが使えない馬だと切れ負けしてしまいます。この中で、上がり上位をコンスタントに使っているシヴァースは、条件面でピッタリ。内目の枠を引いて、ラチ沿い2列目を追走できるようなら、軸として信頼したいところです。
<枠順確定後の追記> 札幌ダート1700mで面白そうなのは、土曜9R1勝クラスや日曜7R1勝クラスなどでしょうか。土曜9Rでは上がりを使える差し馬が11〜13番枠の外枠3頭並んで、まずここでの決着が濃厚。日曜7Rは先行馬が非常に多いメンバーで、前走函館ダート1700mを差して届かなかったシンボリノエルが外枠を引いてくれれば頭狙いで勝負したいところ。
関屋記念は、テンが速い馬が内枠に入って内枠主導の隊列は間違いないでしょう。そのうえ、人気を背負う差し馬が外枠にそろったことで、「内枠・先行・短縮・スローペース」でのレース質で取る予定のここは配当妙味も見込めそう。8番枠のシヴァースはアルセナールを除くと先行勢では最も外を引きましたが、逃げ候補の7番枠ハクサンバードについていけるので、2列目から前を捕まえにいく競馬ができそう。また、本来は位置が取れる4番枠レガーロデルシエロはこの枠の並びなら好位を確保できるはず。シヴァース、レガーロデルシエロを本線に内枠勢へ網を張る馬券をオススメしておきます。
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人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!
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