2025年07月28日(月) 18:00
【Pick Up】カナテープ:1着
馬主のチャールズ・フィプケ氏はカナダ人の探査地質学者。ダイヤモンド、金、ウランといった幅広い探鉱で財を成し、世界的なサラブレッド事業を展開しています。海外の個人馬主が所有する日本調教馬がJRA重賞を勝ったのは、ベルーガ(オーストラリア人ロバート・アンダーソン氏が所有し、2017年のファンタジーSを制覇)以来となります。
本馬は2019年のセレクトセール当歳でフィプケ氏が購買しました(税抜8400万円)。母ティッカーテープは、アメリカンオークス(米G1・芝10ハロン)とクイーンエリザベス二世チャレンジCS(米G1・芝9ハロン)の勝ち馬。カナテープの半弟スカイロケット(父ジャスタウェイ)は芝短距離でオープンクラスに出世しています。
母の父ロイヤルアプローズは、スプリントC(英G1・芝6ハロン)、ミドルパークS(英G1・芝6ハロン)などを制したスピード馬で、2024年に英愛リーディングサイアーとなったダークエンジェルの2代父でもあります。
父ロードカナロアは、アーモンドアイ、サートゥルナーリア、ダノンスマッシュなどの父。2025年のJRA重賞勝利数はこれで「10」の大台に乗りました。2位キズナ、3位キタサンブラックをおさえての一番乗りです。総合種牡馬ランキングはキズナが首位ですが、中央のみの集計ではロードカナロアがトップ。昨年に引き続きキズナとロードカナロアのマッチレースの様相となっており、年末まで激しい戦いが続きそうです。
【Pick Up】ヤマニンウルス:1着
昨年7月のプロキオンS以来、ほぼ1年ぶりの重賞制覇となりました。
兄弟にヤマニンアルリフラ(北九州記念/父イスラボニータ)、ヤマニンアンフィル(北九州記念-4着/父ダイワメジャー)、ヤマニンサンバ(鳴尾記念-4着/父ディープインパクト)を持つ良血。母ヤマニンパピオネは名繁殖牝馬です。
父ジャスタウェイは2014年のワールドベストレースホースランキングで世界ナンバーワンの座についた名馬。レコード勝ちを果たしたドバイデューティーフリー(首G1・芝1800m)をはじめ、天皇賞(秋)、安田記念などを制覇しました。母方がアメリカ血統で構成されているため、配合次第ではパワー型の馬も出しており、マスターフェンサー(重賞4勝、米G1ベルモントS-5着)、テオレーマ(JBCレディスクラシックなど重賞3勝)、ヴェルテックス(名古屋グランプリ)などがダート戦線で活躍しています。
ジャスタウェイ産駒は、ダート1900〜2000mの成績が優れているのですが、母ヤマニンパピオネはミスタープロスペクター4×3にダンジグを併せ持つスプリンター。本馬の1400mに対する対応力は、このスピードの影響が大きいと思われます。
【アフリート】
アメリカでダート8ハロンのG1を勝ったカナダ産馬。ミスタープロスペクター系らしいスピードを伝えました。アメリカで6年間供用されたあと日本に輸入され、桜花賞馬プリモディーネ、JBCスプリントを勝ったスターリングローズ、バンブーエール、浦和記念やエルムSを勝ったプリエミネンスなど、多くの重賞勝ち馬を誕生させました。基本的にはダートのスピードタイプです。
アメリカでは後継種牡馬ノーザンアフリートが成功を収め、米二冠馬アフリートアレックス、BCマイルのワールドアプルーヴァル、BCスプリントのアマゾンビーなどを出しました。
母の父としてはノボジャック、サイドワインダー、ナムラタイタン、ニシケンモノノフ、ドライスタウトなどを出して成功。母方の血は異系色が強く、それゆえに優れた影響を与えています。
背は低いものの横幅のある馬体で、若いころは気性的な激しさがあったのですが、年齢を重ねるごとに性格が丸くなり、繋養していたブリーダーズ・スタリオン・ステーションではおとなしいペットのように愛されていました。自分の馬房が大好きというインドア派でもありました。
「ソルジャーフィルドの血統表にあるヤシマソブリンとは?」
7月24日、門別競馬場で行われた王冠賞をソルジャーフィルドが差し切り、史上8頭目の道営三冠を達成しました。父はルヴァンスレーヴ、2代母の父がヤシマソブリンです。
ヤシマソブリンは名馬ナリタブライアン(クラシック三冠、有馬記念、朝日杯3歳S)の同期生。坂井千明騎手が主戦をつとめ、3歳夏に重賞のラジオたんぱ賞を勝ったほか、菊花賞2着、日本ダービー3着などの成績を残しました。「ミルジョージ×ヴィミー×トサミドリ」というステイヤー血統。種牡馬生活を通じて血統登録頭数がわずか6頭と、実績らしい実績をほとんど残せませんでした。JRAでモンテコンドルが勝ち、ヘイセイセレクトが地方競馬の東海地区で100戦15勝の成績を残したのが目立つ程度です。
娘のブッチが血を繋げ、孫のアイルゴーバックが門別の重賞フローラルCで5着。その息子で曾孫のソルジャーフィルドが道営三冠とJBC2歳優駿(JpnIII)を勝ちました。生まれ故郷のグッドラック・ファームは、ハタノヴァンクール(川崎記念)やテイエムイナズマ(デイリー杯2歳S)の生産牧場でもあります。
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栗山求
netkeibaでもおなじみの血統評論家・栗山求氏が血統の面白さを初心者にもわかりやすくレクチャー。前週の振り返りや、週末行われるレースの血統的推し馬、豆知識などを通して解説していきます。 関連サイト:栗山求の血統BLOG
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