【無料・新潟2歳S予想】「外枠・差し・短縮」の強力なレース質 狙うべきは…

2025年08月23日(土) 12:00

こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。

人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!

(取材・文・構成=編集下M)

芝発走のダートで短縮馬が穴をあけるパターン

編集下M(以下、M) 『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』8月第4週のタイトルは「芝発走のダートでは、発走後に上りになっているコースでより距離短縮ローテが生きる」。今週行われる重賞と全く関係ない内容じゃないですか。

立川(以下、立) 新潟2歳Sは「レースがもつレース質」が非常に強力なレース。ただその分、狙い方も簡単なのでコラム1回分のテーマになりません。新潟2歳Sの狙い方についてはコラムの後半でしっかりお伝えしますので、その勝負資金作りのために、芝発走のダートコースについて考えていきましょう。

立川優馬

8月第4週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より

M JRAにおける芝発走のダートコースをまとめておくと、福島1150m、新潟1200m、中山1200m、東京1600m、中京1400m、京都1400m、阪神1400m、阪神2000mの8つ。開催中なのは新潟と中京ですね。では具体的な狙い方について伺いたいのですが、芝スタートのダートコースといえば「外枠先行馬狙い」でOKなのでは?

立 その通り。芝発走のダートの特徴として、芝部分を長く走れる外枠が先行しやすいことは有名です。ダートは本来先行有利ですから、結果として外枠先行有利になりやすいため、芝発走のダートコースのもつレース質はほとんどが「外枠・先行・短縮」になります。

M 外枠・先行はわかりますが、それに加えて「短縮」なのですね。

立 芝発走のダートはテンが速くなりやすいですから。発走地点がダートに比べて芝のほうが速度が出やすいのは想像に難くありませんよね。加えて、外枠から先行しやすいというレイアウトのため、先行しにくい内枠に先行馬が入ったときに、無理に先手を主張しようとするとペースが引き上がりやすいということも理由の一つです。

M 自然と速度が出る外枠の馬を制して前に行くということですもんね。

立 基本的にテンが速くなればなるほど上がりは掛かります。つまり、芝発走のダートは、ダート発走のダートに比べてテンに流れるため、上がりが掛かりやすいと言えるわけです。例えば、ダート1400mは東京、京都、阪神、中京で実施されますが、唯一のダート発走である東京ダート1400mは抜けて上がりが速いコースになっています。これは、直線が長いコース形態もありますが、発走地点がダートであるため、テンにペースが上がりにくく、後継ラップの末脚勝負になりやすいことが影響しています。

 上がりが掛かると芝ダート問わず、長く脚を使える持続力が求められるため、持続力を補完できる距離短縮ローテが恵まれるというメカニズムになっています。

M 良馬場での古馬2勝クラスの平均勝ちタイムと上がりを調べてみましたが、東京ダート1400mは他のコースに比べて0.5秒から1秒ほど上がりが速いですね。

立川優馬

古馬2勝クラスの平均勝ちタイムと上がり(良馬場限定。2022〜2025.7.27)

立 上がりが掛かれば掛かるほど短縮有利になりやすいので、ハイペースや含水率の低い馬場だとより短縮が決まるのですが、コース形態からも短縮有利に傾く条件があります。それが「発走地点や発走後が上りになっているレイアウトであること」。

M 立川式コース図に「S+斜め上矢印」というアイコンがついているコースですね。

立 テンが速くなるときに急坂を上らないといけないコースはよりタフ度が増して上がりが掛かるので、短縮が生きるということです。JRAの芝発走のダート8コースの中で、発走地点及び発走後に上るのは、中京ダート1400mと京都ダート1400mのみ。この2コースでは、ほかのコースよりもハイペース時の短縮の成績がよくなっています。特に、急坂を上る中京ダート1400mはその傾向が顕著なので注目してみてください。

M 今週は土曜11R(伊賀S/3勝クラス)、日曜4R(3歳未勝利)、日曜12R(3歳上1勝クラス)で中京ダート1400m戦が組まれています。

立 伊賀Sには短縮馬が6頭出走しますが、中でも前走先行馬で追走面でも問題のないカマチョクイン、グレノークス、フェルヴェンテを狙ってみたいですね。

新潟2歳Sは「外枠」かつ「差して好走経験」が重要

M ではそろそろ新潟2歳Sの話もお願いします。

立 新潟2歳Sのレースがもつレース質は「外枠・差し・短縮」で、スローペースになることも少なくありません。このレースは非常にレース質が強く、以下の条件を満たす馬を狙うだけでOKです。

1.外枠有利顕著で内枠は軽視
2.差して好走経験があることが重要で、逃げ先行経験しかない馬は軽視
3.距離短縮ローテ有利で、距離延長ローテは軽視

 基本的に先行有利の新馬戦や未勝利戦を勝ち上がってきた馬が、新潟外回りの長い直線で戦うことになるのですが、時期的に馬場が荒れて直線外の進路が恵まれることがほとんど。若駒だと先行して内を空けて、直線半ばを真っすぐ走るということは競走経験が浅い中で難しいので、どうあっても末脚に賭けて外を差してくる馬が有利になります。

 毎年のように前走を先行してちぎった馬が人気になるのですが、そうした馬がタフな馬場と長い直線で失速して、外から差してくる馬に屈するのが常なので、あまり深く考えずに、外枠差し馬を狙うだけで構いません。

M 確かに過去10年を振りかえると、4コーナー3番手以内から馬券に絡んだ馬が6頭しかいません。圧倒的に差し有利のレースですね。

立 今年のメンバーを見ると、前走東京芝1600mの新馬戦を逃げて1.2秒圧勝したリアライズシリウスが人気を背負いそうですが、レース質からは危険なタイプ。特に内枠を引いたら馬券圏外まであり得るとみます。

 また、今年は残念ながら短縮馬がいないので、同距離差し馬を評価することになります。前走同距離の1600mを使って差して好走しているのはサノノグレーター、ヒルデグリム、フェスティバルヒルの3頭。どの馬も前走ラスト1Fは落としているので、力を出し切っての勝利ではあるのですが、純粋に上がり3F33秒台を使っているサノノグレーターとヒルデグリムは外枠を引いたら本命を打ちたいところです。

M 2歳戦なので僕からも注目馬を語らせてください。フェスティバルヒルはノーザンファーム空港・高島厩舎長から「(POG直球勝負の誌面用に紹介した)クールフランと同じぐらい順調で動きもいいです」と教えていただいた馬。この情報はnetkeibaさんと『POG直球勝負』とのコラボ企画「山本昌のNF取材外伝(空港編)」で紹介しています。

 タイセイボーグは同じくノーザンファーム空港・橋口厩舎長のPOG推奨馬で「完成度も高いですが奥の深さを感じる」とのこと。橋口厩舎長の推奨馬はステレンボッシュやボンドガール、ショウナンザナドゥなど2歳戦から大活躍しています。距離延長ローテになるのでレース質とは少しズレますが、前走は初角8番手から追い込んでの2着なので、1ハロン延長はむしろプラスに働くのではないでしょうか。

<枠順確定後の追記>
 土曜中京ダート1400mの伊賀Sは、逃げ候補が外枠に入って外枠主導からの消耗戦になる可能性が高いので、7枠を引いたフェルヴェンテの差し込みが期待できそう。7〜8枠の4頭と、前走外枠不利を覆して好走した11番枠のエストレヤデベレンまで、外枠流しがオススメです。

 新潟2歳Sは、残念ながら1番人気濃厚なリアライズシリウスが有利な8枠に入ってしまったので、消すことは難しくなりましたね。頭がズレるようなイメージでフォーカスを組むことになりそうです。

 注目馬に上げた馬のうち、7枠を引いてくれたサノノグレーターを中心視することになるかなと。前走は出遅れたことで差す競馬になりましたが、今回も自身の外枠が出していってくれるので、自然に外を回して差す競馬ができそうです。

 この並びなら、あまり深く考えずに外枠を引いたサノノグレーター、ヒルデグリムに1、2番人気を絡める形でよいのではないでしょうか。

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立川優馬

人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!

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