【無料・中京2歳S予想】レース質からのアプローチで新設重賞の傾向を先取り!

2025年08月30日(土) 12:00

こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。

人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!

(取材・文・構成=編集下M)

2歳短距離の上級条件は「差し経験」と「距離短縮」が重要

編集下M(以下、M) 今週は中京2歳Sです…って、ピンとこないなぁ。中京2歳Sといえば暮れの中京芝1800m戦のイメージが強いです。

立川(以下、立) メイショウサムソンやダイワスカーレットが勝った出世レースでしたね。近年は12月に芝1200mのOP戦として施行されていましたが、今年からは小倉2歳Sにかわって夏の2歳チャンピオン決定戦となりました。

M ということで『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』8月第5週のテーマは『早い時期の世代限定戦は「差し経験」「同距離&短縮ローテ」「前走加速ラップ」を評価』。まさに中京2歳Sの馬券を獲るための内容ですね。

立川優馬

8月第5週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より

立 世代限定戦とは、2歳限定や3歳限定など、馬齢が限定されたレースのことを指しており、この夏後半から2歳限定戦が一気に増えてきます。能力や適性面で未知の部分が多い若駒戦だからこそ、レース自体を予想するレース質予想が生きてきます。

M なにせ、(立川さんの)初めての単行本の帯キャッチが「馬を見るな! どんなレースになるかだけを考えろ! 」ですからね(笑)。

立 世代限定戦の中でも特徴的なのが2歳限定の芝短距離戦やダート戦です。これらのレースでは、先行有利になりやすい新馬戦や未勝利戦を恵まれて勝ち上がってきた馬がそろうため、ペースが上がりやすく、かつ差し有利に傾きやすいという特徴をもっています。また、新馬戦や未勝利戦が先行有利であることから、差して勝ち上がってきた馬は能力上位であることが多いため、輪をかけて差し馬の成績がよくなる傾向にあります。これらを考慮すると、2歳限定の芝短距離やダート戦を攻略するポイントは以下の2点にまとめられます。

1.これまでに差して好走経験がある馬が有利
2.自然に位置を取りやすくなる距離延長ローテは不利になりやすく、自然に差しに回れる距離短縮ローテは有利になりやすい

M それが 「差し経験」「同距離&短縮ローテ」の部分ですね。では「前走加速ラップ」については?

立 その馬の好走時のラップを確認することで、末脚の質を測ることができます。新馬戦や未勝利戦を「加速ラップ」で勝ち上がってきている馬は、まだ能力を出し切っていない可能性が高く、今回パフォーマンスを上げてくる余地を残しています。「加速ラップ」とは、本来減速することが多い後半のラップを減速させずにゴールするラップ形を示しており、例えば、上がり3Fを11.8-11.5-11.3というようなラップですね。レースラップを参考にしてもよいですし、netkeibaのマスターコースで個別ラップを取れる方はそちらを参考にするとより精度が高い予想ができるかと思います。

登録13頭中9頭が距離延長ローテ

M ではこれらを踏まえて、中京2歳Sの見解を教えてください。

立川優馬

中京芝1400mの立川式コース図

立 中京2歳Sは今年からの新設重賞ですが、世代限定短距離戦のレース質からアプローチすることで、その傾向を先取りすることができます。特に、昨年まで小倉芝1200mの小倉2歳Sを使っていた馬が出走してくるので、今後も距離延長ローテの馬が多くなるはず。また、小倉芝1200m戦は発走地点から下り続けるレイアウトでほぼハイペースになるので、そこを先行して勝ち上がってきた馬が多くなれば、一層ペースは上がりやすく、差し馬の台頭が見られることは予見できます。

M 確かに、登録13頭中9頭が前走で1200m戦を使用しています。

立 しかもそのうちの7頭が4コーナー3番手以内を通過しており、道中で5番手以下の位置取りを経験した馬は1頭もいません。これなら、発走地点が上り坂でペースが上がりにくい中京芝1400mでもかなりタイトな流れになることが予想されます。

M 当然、狙うべきは残りの4頭ということですね。

立 今年は距離短縮ローテの馬はいませんが、前走同距離の4頭中3頭が差して好走した経験を有しています。アイルトンは前走11頭立てで4コーナー4番手から上がり最速、タマモイカロスは前走こそスローを番手から勝ち切っていますが、2走前に芝1200mを差して2着の経験あり、パープルガーネットは前走17頭立てを4コーナー5番手から上がり3位を使って勝ち上がっています。まずはこの3頭を評価したいですね。

M ラップ的にはいかがでしょう?

立 タマモイカロスは2走前の小倉芝1200m2着時のレースラップが上がり3F11.5-11.9-11.6、前走中京芝1400mを勝ち上がったときのレースラップは上がり3F11.5-10.9-11.1という内容で、どちらも加速ラップか、それに準じるラップになっています。この馬が当日差しに回る形になるなら上位評価することになるでしょう。

 前走1200m組では、そのタマモイカロスに勝っている2頭、コラルリーフとスターアニスはそれぞれ加速ラップを刻んで好走しているので、うまく差しに回れるようならチャンスはありそうです。

M 今週も2歳戦ということで、僕からも注目馬を。パープルガーネットはノーザンファーム早来・大谷厩舎長のオススメ馬です。『POG直球勝負2025-2026』の誌面で「(大谷厩舎長は)騒がれないように当たりを隠している(笑)」なんてやり取りを紹介しましたが、しっかり山本昌さんが聞き出してくださいました。この情報もnetkeibaさんと『POG直球勝負』とのコラボ企画「山本昌のNF取材外伝(早来編)」で紹介しています。パープルガーネットが勝った新馬戦は評判馬が揃ったハイレベルな一戦だったので、重賞でも能力上位だと思いますよ!

<枠順確定後の追記>
 中京2歳Sはかなり理想に近い枠順になってわくわくしています。先週に引き続き、高速馬場での世代限定ハイペースで1分19秒台の決着濃厚なので、外枠不利は間違いないでしょう。そこでプラス評価の同距離ローテが4頭中3頭、1〜3番枠に入り、最注目だったタマモイカロスが1枠1番。ほかの注目馬も7〜8枠を避けてくれたので、素直にタマモイカロスから、2番枠マイケルバローズ、3番枠アイルトン、6番枠コラルリーフ、7番枠スターアニス、8番枠パープルガーネットで組めばそう大きくは外れないはず。

 あとは上がり実績のない2マイケルバローズや距離延長ローテの6コラルリーフ、7スターアニスは少し割り引いて捉えるなどして、フォーカスを絞り込んでいくとよいのではないでしょうか。

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立川優馬

人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!

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