【紫苑S・セントウルS】秋競馬の開幕 春にGIの舞台を踏んだリンクスティップに期待

2025年09月06日(土) 12:00

セントウルSは1番人気馬が堅実か

 いよいよ秋競馬の開幕、大目標に向け好発進をと熱戦が始まった。

 中でもGI優先出走権のかかる紫苑SとセントウルSでは、是非有力馬にめぐり会いたい。

 秋華賞出走がかかる紫苑Sは、重賞に格付けされたのが2016年、出走馬のレベルは高まってきていて、2022年に1番人気で勝ったスタニングローズは、オークスは2着だったが秋はこのトライアルを勝って秋華賞馬になり、その2年後にはエリザベス女王杯も勝っていた。レースレベルが上がったことで一昨年からGIIに昇格し、ここで好成績を上げることで秋の大一番へ自信を深めたいと出走してくる。

 その中で、春にGIの舞台を踏んだ組が、当然主力になってきた。今年はオークス5着のリンクスティップが目を引いている。デビュー3戦目がきさらぎ賞2着で、初めてのマイルだった桜花賞は出遅れて最後方から大外を回って3着、期待されたオークスは、後方から3角手前で進出したが、雨の影響が残った馬場が合わず力を出し切れずに終わっていた。このレース後左前脚の骨折が判明して休んでいて、この復帰戦で春のリベンジをと狙っている。ひと回り成長した姿に期待したい。

 春はクイーンS3着、フローラS4着などとGI行きあと一歩だったエストゥペンダだったが、2ヶ月半ぶりだった前走の新潟1800米で3馬身差の勝利、今度こそ大舞台へとチャレンジしてきた。折り合えれば末脚の爆発力で上位に食い込める。可能性を秘めた一頭だ。

 これに加えてテリオスララを。春は調整中に左後肢を骨折し棒にふっていたが、阪神JF3着馬で実力があり、札幌をひと叩きされた上積みに期待できる。

 そして、先行力の生きる開幕週の中山を考え、函館で勝ってきたロートホルンを穴馬に。これも開幕週の馬場が味方する。

 サマースプリントシリーズ第6戦で、1着馬にスプリンターズSの優先出走権があるセントウルSは、今年は阪神の1200米。この10年で6回あった阪神では、逃げ馬が3勝2着1回と圧倒的で、どの年も1分7秒台の高速決着、とにかくスピードと先行力が生かせるレースだ。

 また1番人気馬がこの10年で7勝と、本命サイドが堅実だ。こうした中で2年前にブービー人気だったテイエムスパーダが押し出して先頭に立ち、そのまま逃げ切って大波乱を生んだことがあったが、このときのラップは、前半が33秒5、後半が33秒7だった。伏兵でもこのタイプと言える。

 一昨年のスプリンターズSの覇者ママコチャは、前走の京王杯スプリングCがレコード決着の2着と6歳になっても健在で、秋初戦から本領発揮できる。

 ここでママコチャを破ったトウシンマカオは、昨年のセントウルSの勝ち馬。阪神芝1200米2戦2勝で相性が良く主力の一頭に。

 同世代のこの2頭に、単騎で運べそうなテイエムスパーダ、伸び盛りの3歳牝馬アブキールベイを押さえにしておく。

「秋競馬 大目標に 好発進」

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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