2025年09月11日(木) 18:01
▲川田騎手が“騎手”という勝負の世界の厳しさを語ります(撮影:福井麻衣子)
9月3日、来年3月デビュー予定だった競馬学校42期生の卒業者がゼロになったという報道が飛び込んできました。1982年の競馬学校開校以来初の出来事に、競馬界のみならずスポーツ界に衝撃が走りました。そんな今回の『VOICE』は、その話題を起点に騎手という“勝負の世界”の厳しさについて、川田騎手が論を展開します。
「むしろ、デビューしなくてよかった子もいると思う」── 今回の一件を川田騎手はそう評します。その言葉の真意とは一体何でしょうか。また一方で、可愛がっていた後輩たちの引退を通して、騎手の“引き際”についても言及。命がけの職業だからこそ、そのタイミングの重要さを説きます。
(取材・構成=不破由妃子)
──この夏は、6月29日の小倉12Rで水口優也騎手が、8月30日の中京7Rで和田翼騎手がラストライドを迎えました。レース後には、どちらも川田さんが花束を手渡されていましたね。
川田 どちらの日も(武)豊さんと和田(竜二)さんが同じ競馬場で乗っていなかったので。翼のときは、和田さんが来場されていましたけど、あくまで家族として甥っ子の最後のジョッキー姿を見届けにいらっしゃっていたんでね。
あの日にその競馬場で乗っていた騎手のなかでは、騎手会(日本騎手クラブ)での役職が一番上だったのが僕でしたので、騎手会の代表として務めさせてもらいました。どちらも僕なりに可愛がっていた後輩ではありますが、自分からしゃしゃり出て行ったわけではないですよ(笑)。
──わかってます(笑)。ニュースにもなっていましたが、翼さんは最後のレースで川田さんのマークが入ったアンダーシャツを着ていましたね。「これ、着ろよ」と、川田さんのほうから手渡されたそうですが、どんな思いがあったのですか?
川田 翼が着ていたアンダーシャツの首元がだいぶ伸びていて、最終騎乗にまつわる写真や映像にきれいに写らないなと思ったんです。ただ、僕のアンダーシャツには全部僕のマークが入っちゃっているから、それも違うか…とも考えたりして。結局、翼が「このままでいいです」と言うならそれはそれでと思って、「俺のマークが入ってるインナーだけど、どうする?」と聞いたんです。そうしたら、・・・
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川田将雅
1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。
プロフィール
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コラム
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