【無料・セントライト記念&ローズS予想】今年のセントライト記念も内枠差し馬の台頭が濃厚!?

2025年09月13日(土) 12:00

こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。

人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!

(取材・文・構成=編集下M)

なぜ、中山芝外回りコースは内枠差し馬が走るのか?

編集下M(以下、M) 先週のコラムでは「大穴なら末脚性能だけはトップクラスのホウオウラスカーズ」と名前を挙げたホウオウラスカーズが最内枠を引き当て、見事に13番人気で差し切り単勝8950円。立川さんが主宰する『競馬と共に人生を歩むサロン』に所縁のあるまぐさん、robさん、こうせいさんが『ウマい馬券』で的中を果たし、まさに「レース質マトリックスここにあり!」という内容でしたね。

立川優馬

京成杯AHでの的中ラッシュ

立川(以下、立) …そうですね。

M なんだか歯切れが悪いじゃないですか。

立 私も◎コントラポスト、△ホウオウラスカーズではあったのですが、買い目は抜けてしまいました…。ただ、レース質のピントは合っていますし、その傾向は今週も継続するはず。今週こそ、喜びを分かち合いたいと思います。

M ということで『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』9月第2週のテーマは引き続き中山。『超高速馬場の中山芝外回りでは内枠差し馬が台頭する理由』です。芝1200m、芝1600m、芝2200mが外回りなので、先週の京成杯AH、そして月曜日に行われるセントライト記念はいずれも外回りでの施行ということになりますね。

立川優馬

9月第2週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より

立 先週の京成杯AH(芝1600m)、セプテンバーSを(芝1200m)はともに内枠差し馬が勝っていて、そこに内枠先行馬を絡めると当たるというフォーカスでした。単行本ではそのメカニズムについて触れています。

M 京成杯AHが雨の影響が残る中で1.31.3秒。高速馬場では外枠勢が物理的に間に合わないので内枠勢が有利になりますよね。

立 それが基本。そのうえで「1.超高速馬場で非常に速い上がりが出ること」、そして「2.外回りのレイアウト上、後続の追走が楽で馬群が凝縮しやすいこと」から、差し馬が直線距離だけで先行馬を捕らえ切れる下地がそろうわけです。京成杯AHでは、本来間に合わない位置で競馬をすることが多いホウオウラスカーズが、4コーナー10番手の最内という距離的に間に合う位置を追走することができ、上がり3F33.1という超高速上がりが使える馬場だったことで、頭まで突き抜けました。2着のドロップオブライトも2番手から上がり3F33.9を使っていて決して止まっているわけではないですが、差し馬が間に合ってしまうという状況になっているのです。

M 天気予報を見る限り、月曜のセントライト記念も高速馬場で行われることになりそうです。

立 ですから、内枠差し馬の台頭が予想されます。昨年は最内枠のアーバンシックが差し切って1着、初角9番手からマクったコスモキュランダが2着、番手から粘り込んだエコロヴァルツが3着。人気どおりの決着ではありましたが、いかにも高速外回りらしい決着パターンでした。今年も上がり上位を使えるサクラファレル、ファイアンクランツ、ミュージアムマイル、レッドバンデらが内枠に入ったら評価したいところです。

阪神芝1800は能力重視のスタンスでOK

M セントライト記念は月曜施行で枠順確定後の追記を入れられませんので、日曜日のローズSについても一言お願いします。

立 実はローズSが行われる阪神芝1800mは、適性ではなく、能力で勝負が決まりやすいので私の提唱するレース質マトリックスが非常に不得手にしているコースなんですよ。

 近代日本競馬の芝では、クラシックに強い馬をつくることが馬産の目標になっています。日本の芝の馬場造成やコース形態は、上がりが速い馬に有利なようになっていますから、クラシックに強い馬=中距離で上がりが速い馬を生産することに重きを置かれているということです。したがって、単純に能力の高い馬というのは、上がりが速い中距離戦に強い馬と言い換えても差し支えありません。

M 要するに「強い馬を買え!」と。

立 もう少し丁寧に言うと、「阪神芝1800mは芝の上がり勝負に強い馬が好走することが多い」というですね。したがって、オークスで好走してきた馬や、古馬相手の2勝クラスを勝ち上がってきているような実績面での裏付けがあって、かつ上がり上位をコンスタントに使っている馬が、枠や展開を問わず好走してしまいます。そのため、適性いらずの能力オンリーコースと言えるのです。

 今年のメンバーではカムニャック、タガノアビー、パラディレーヌといったオークス好走組や、2勝クラスに実績があるテレサ、ミッキージュエリーなどに注目ですが、ここから上がり上位勢に絞ると、2勝クラス組は先行馬で上がりが出せない馬が多いため、オークス好走組中心になってしまいそう。当然その手の馬は人気を背負うので、今年はあまり荒れないのではないかという見立てをしています。

<枠順確定後の追記>
 ローズSはフルゲート18頭立てで先行したい馬もやや多め、延長馬が5頭というメンバーなので、外回りですがある程度タイトに流れてくるはず。そのような中で末脚勝負という形になると、進路面でごちゃつく内枠よりも、外枠から外目をブレーキ要素なくスムーズに伸びてこられる馬が恵まれやすくなります(馬場が外枠差し有利であるということではないのでご注意ください)。

 したがって、現状ではレース質としては「外枠・差し・短縮」で取るのがよいかなと考えています。オークス組で上がりが使えるカムニャックが11番枠、タガノアビーが9番枠を引いたので、外に持ち出すこと自体は難しくないはず。ここはしっかりと評価しておきます。

 対して、上がりの質が上位で人気を背負いそうなパラディレーヌや、モレイラ騎手騎乗で前走上がり3F32秒台を使っているミッキーマドンナが内枠を引いたことで、多少のロスが期待できるので穴馬の台頭の余地は少し出てきたかもしれません。まぁ、モレイラ騎手は最短距離を通してくるのが上手なので、ごちゃつく内を捌いてくる可能性はありますが。

 大穴ならフローラSで外を回して上がり3F33.0を使って穴をあけたタイセイプランセスが15番枠を引いてくれました。穴人気するなら見合いませんが、執筆時点の想定人気で買えるのであればねらう価値はあるでしょう。

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立川優馬

人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!

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