午後に全てを懸ける予想家「だんご」の技法と戦略(だんご)

2025年09月14日(日) 18:00

直近でデビューした予想家や、これからデビューを迎える予想家が自身の予想法などを紹介。『ウマい馬券』での活躍が期待されるスター候補に、本人自ら綴っていただきました!

【自己紹介】

 はじめまして。競馬予想家のだんごと申します。

予想家ROOKIES

「だんご」氏

 普段はX(旧Twitter)にて予想活動を展開しており、2025年9月には本島修司さんとの共著『穴馬の流儀』を出版いたしました。同時期より、netkeiba『ウマい馬券』にて予想を提供させていただくことになりましたので、この場をお借りして私の予想手法をご紹介します。

 私が競馬予想をする際の根幹にあるのは「馬キャラ」の把握です。各馬には、それぞれ馬ごとに異なる個性があります。それを把握して何になるかというと、その馬の「狙うべきタイミング」と「軽視すべきタイミング」の出し入れの判断が可能になります。

 イメージしやすい例をいくつか挙げると、砂を被りたくない馬、前に馬がいると抜かしたくなる馬、馬群に入れると他馬を気にしてしまう馬、追走力は劣るがトップスピードの速さに秀でた馬、道悪馬場や酷暑環境でも相対的にパフォーマンスを落とさずに走れる馬、叩き合いに持ち込めば普段以上の持続脚を繰り出せる馬…これらはいずれも、その馬固有のキャラクターです。どういうレースに強いのか、どういう環境で力を発揮するのか。個性という文字通り、まさに千差万別です。

 もちろん、予想で最終結論を出す局面では、枠順やコースの特性、馬場状態、優位なバイアスといった他の諸要素も加味します。「砂を被りたくない馬」の買い時は外枠を引いた時である一方で、嫌い時はテンに速い馬の内側の枠を引いて被される公算が大きい時。「トップスピードの速さに秀でた馬」はギアチェンジの速さが問われるレースになると見込まれる時は買い時である一方で、中山1600mのようにどうしても持続脚が求められるコースに出走するときは嫌い時になります。主軸とする馬キャラ分析に、他の予想ファクターを当てはめて精査することにより、このような「評価の出し入れ」を行います。

 この馬キャラを的確に把握するために欠かせないのが日々の回顧です。日曜日の夕方からはパトロールビデオを振り返り、レース数にもよりますが概ね水曜か木曜まで、数日間かけて精査を行います。

 レースを見直す段階で意識的に復習・抽出するのは以下の4種類の該当馬です。

1.自分が選んで凡走した馬(見立て違いの要因を探る)
2.自分が選ばずに好走した馬(評価漏れの原因を特定する)
3.次走以降の反撃が期待できる馬(条件次第で巻き返せる馬をストック)
4.次走過剰人気が見込まれる馬(嫌うことで妙味が確保できる馬のストック)

 ほとんどの方は、レースの回顧をしても3を中心に行い、4は真剣に取り組みません。また、どうしても自分に甘い方が多いので、1や2は楽観的に済ませてしまっていることが多いのが現実です。しかし、実際に「見立て違いだった」ということはよくあるわけで、自分の見る目の無さを受け入れなければなりません。現代でそれができる人は限られていますから、自分の弱さと向き合う勇気を持つことが結果的に予想力の向上に繋がると信じています。

 また、レース映像の分析は、時間も労力もかかる地道な作業です。しかし、だからこそ他には代えがたい価値があるともいえます。「レース映像の不利はほとんどオッズに織り込まれる」とおっしゃる方もいますが、世間が敏感に反応するのは物理的な不利など目に見える不利であって、視覚化されにくい不利についてはまだまだ反映されていない部分があります。特にパトロールビデオは確認する人自体が少ないのもありますが、横からの通常映像やラップタイムとの比較などの技量も求められるため万人が使いこなせているツールではありません。ゆえに、今でも「宝の山」であり、私の予想の根幹を支える基盤になっています。

 こうして緻密に積み上げた基盤である「馬キャラ」をもとに、週末には枠並びや馬場傾向、想定展開を当てはめ、各馬の評価を出し入れしていきます。そして最終的には、想定好走率と市場人気(オッズ)を照らし合わせ、最も過小評価されていると判断した馬を推奨します。

 要するに「馬キャラを基点に、優位性のあるバイアスや各種条件を織り込み、期待値の最大化を図る」こと。これが私の予想スタイルになります。

【他の予想家と違う点】

 何よりの特徴は、私が「午後競馬」に特化していることでしょう。午後競馬とは、1勝クラス以上の上級クラス戦を指します。競馬は新馬戦が最も出走馬同士の能力差が大きく、クラスが上がるにつれて能力差は小さくなっていきます。その分、適性や枠並びといった、能力以外の要素が結果に対して大きな影響を持ち始めます。私が得意とするのは、能力判定ではなく、まさにこの「能力以外の要素」の判定です。ここで、前述の馬キャラ分析(レース回顧)が生きてくるのです。

 私の予想の根幹を成すのは、レース映像の回顧による馬キャラの把握です。それぞれの馬ごとの「長所」すなわち、その馬特有の強みや持ち味を、より強く意識して回顧をしています。なぜなら、「長所」は場合によっては「短所」になるからです。「長所」と「短所」がわかれば、その馬を買うべきタイミングと嫌うべきタイミングが明確になります。

 また、詳しくは拙著『穴馬の流儀』で詳述しましたが、同じ不利でも、不利を受けた時の影響の大きさは馬によって異なります。多くの方は不利の「有無」はチェックしていますが、馬ごとの不利の「程度」までは精査できていないことが多いです。

 欲しい情報がすぐに手に入る現代では、情報の取捨選別が非常に重要になってきています。人の目に留まりやすい情報ほどオッズに織り込まれますから、SNSで話題になっている頃にはもう妙味はありません。だからこそ、皆さんとは少しだけ違う独自の視点から分析することを心掛け、活用するだけの価値がある情報に絞って予想へと繋げています。

 今後は、私の最終結論となる予想と買い目について、「ウマい馬券」で提供して参ります。netkeibaで競馬を楽しまれている皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

(だんご)

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直近でデビューした予想家や、これからデビューを迎える予想家が自身の予想法などを紹介。スター候補が自らの手法を解説します! 関連サイト:ウマい馬券

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