2025年09月20日(土) 12:00
こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。
人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
(取材・文・構成=編集下M)
編集下M(以下、M) 『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』9月第3週のテーマは『知識を横と縦に活用して、机上の空論から脱する』。この本は自己啓発書でしたっけ? (笑)
9月第3週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より
立川(以下、立) いつもと毛色が違う内容になっていますが、秋のGIが本格的に始まる前に、しっかり予想に対する考え方をお伝えしたいと思って、この週に入れました。
M 直近2週で中山芝の考え方については触れているので、それを活用できますしね。
立 ここでは「予想において単なる知識やデータの段階で思考停止することなく、どのように一般化していくか」「また、目の前のレースにフィックスしていくか」について具体例を交えて説明しています。
M 詳細についてはぜひ単行本を読んでいただくとして、その思考をもとに今週末のオールカマーを占っていただけますか?
中山芝2200mの立川式コース図
立 わかりました。まず前提として、オールカマーのもつレース質は「内枠・先行・スローペース」です。オールカマーが行われる中山芝2200mは、中山芝中距離で唯一の外回り戦で、2コーナーから4コーナーに掛けて下り続けるレイアウトであるため、馬場がよいときは内枠先行決着しやすく、馬場が荒れてくると外マクリが決まりやすいのが特徴。ここで知識を縦に活用します。
M 縦の活用。どういう馬を狙うか掘り下げるイメージでしょうか。
立 今週末から中山はCコースに替わります。馬場状態はよくなるので、内枠先行有利に傾きやすくなることが想定されます。また、オールカマーは例年、頭数があまりそろわない重賞なので、ペースが上がりにくいという特徴もあります。スローペースになりやすく、馬場もよいのであれば、中山芝2200mのコース形態からまともであれば内枠先行馬を評価することになるでしょう。したがって、ねらいとなるのは「逃げると簡単には止まらない馬キャラ」や「伸びずバテずの馬キャラで位置が取れたときに好走するタイプ」であることが分かります。では続いて、知識の横への活用です。
M 横の活用。これは相対比較のイメージですね。パチンコとかパドックでよく耳にします。
立 今回は例年以上に先行馬が少なく、テンに出したい馬はどの枠からでも押してハナを切ることができるでしょう。したがって、内枠先行有利とは言っていますが、正確にはラチ沿い先行有利であり、外枠からでもハナを切れる馬なら評価できます。
逃げ馬が1枠に入ればそのまますんなり先行していって内枠勢がついていく形で馬群は縦長になるでしょうし、逃げ馬が8枠に入れば被せるように先行することになるので馬群は多少凝縮気味で、内枠勢の進路が苦しくなることが予測されます。以上のことから、テンに速い馬や逃げ候補が内枠に入っていれば「内枠・先行・スローペース」のままでよいですが、外枠に入っている場合は「外枠・先行・スローペース」に調整する必要があります。さらに、後者の場合、馬場状態が想定以上に悪くなると、馬群が凝縮する分、外を回すマクリ差しがハマりやすくなるので、当初のレース質とは逆転して「外枠・差し・スローペース」というケースも考えられます。
M メンバー構成と枠順・馬場によってレースがもつレース質に調整が必要になる、と。
立 このように、知識を縦と横に活用してレース質を設定し、ねらい馬を絞っていくことになります。今の時点では横の活用については情報量が足りないので難しい面がありますが、その辺りはこの後の<枠順確定後の追記>を参考にしてください。
M 現段階での思考を言語化して残していただいてもいいですか?
立 これまでの戦績とテンの速度比較から逃げ候補になりそうなリビアングラスや昨年のオールカマーを先行して3着しているリカンカブールが内枠を引くと、ラチ沿い先行有利の後押しも受けて内枠決着する可能性が高まりそうです。また、当初のレース質と逆転するようなケースでは、マクリ差しが得意なコスモキュランダを評価することもあるかもしれません。このくらい目安を立ててから、枠や馬場を見ながら調整していくと予想が楽になりますよ。
<枠順確定後の追記> 現状の予報では、日曜までには馬場が乾いて高速馬場でレースが行われるでしょう。このことにより、上がりが出やすくなって差しが届くのか、全体時計が出やすくなって先行馬が残すのかは、土曜を見ながらフィックスしていけばよいかと思います。
枠の並びを見ると、逃げ候補筆頭となるリビアングラスが2番枠を引きました。この馬がハナか、ラチ沿いの番手を確保することは間違いないでしょう。また、当面の同型として前走逃げているホーエリートの出方次第で、8番枠を引いたリカンカブールはテンに速くないので出し切れないはず。そうなると逃げ候補が2、5番枠なので内枠主導の縦長隊列濃厚と判断します。
隊列面ではオールカマーがもつレース質どおり「内枠・先行・スローペース」でOK。あとは先行有利の馬場であれば、悩むことなくリビアングラスが軸になりますね。そのほか、下げてマクリたいコスモキュランダは外枠のほうがよかったかなと。また、リビアングラスが出していけば一緒についていける3番枠のクロミナンス、その背後を追走することになる4番枠のレガレイラは評価。全体的に外枠差し馬は間に合わない想定でフォーカスを組むことになりそうです。
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立川優馬
人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!
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