2025年10月11日(土) 12:00
こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。
人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!
(取材・文・構成=編集下M)
編集下M(以下、M) 『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』10月第2週のテーマは「改修後の京都ダート短距離は含水率が高くなるほど外枠有利に傾く不思議」。今週末の重賞には直結しないテーマですね。
10月第2週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より
立川(以下、立) これはもう、タイトルの通りの内容です。一般的にはダートで含水率が高くなると脚抜きが良くなって、ラチ沿い有利になりやすいのですが、京都ダート短距離では異なる傾向が出ているという話ですね。実際、先週の京都ダートは重〜不良で行われましたが、合計で6レース施行されたダート1200〜1400mの好走馬の枠順の内訳は内枠5頭・外枠13頭。しかも、内枠から馬券に絡んだ5頭は全て4コーナーでの位置取りが5番手以内でした。つまり内枠差し馬は全滅ということです。3連続開催は乾いた馬場で行われそうなので、来週以降、また雨の影響があるときに思い出してみてください。
M 単行本を読んで競馬のメカニズムを理解すれば、まさにカバーにある通り、「今週勝つ→毎週勝つ→年間で勝つ」が実現できそうです。ということで、今週勝つために日曜メインのアイルランドTについて教えてください。新設重賞とはいえ、この時期の牝馬限定GIIですから府中牝馬Sを踏襲していると考えて良さそうですね。府中牝馬S自体は6月に時期を移して施行されているのでややこしいですが(笑)。
東京芝1800mの立川式コース図
立 6月に行われた府中牝馬Sはハンデ戦に変更されDコース開催後半の東京芝。外枠差し馬での決着となりました。対して、アイルランドTは開幕2週目Aコースの別定戦なので、今年の府中牝馬Sとは傾向が変わってくるでしょう。
M 府中牝馬Sの1〜3着馬(セキトバイースト・カナテープ・ラヴァンダ)が出走予定なので、その馬たちの扱いも予想の鍵を握りそうですね。
立 従前(=昨年まで)の府中牝馬Sの大きな特徴の一つは、1600mを差して好走してきた馬の距離延長ローテが強いということ。これは、開幕直後で高速上がりが求められる馬場では、中距離的な加減速性能や体力面よりも、単純に末脚性能が問われていたためです。また、東京芝1800mというコースはポケット発走で向正面に斜めに合流するレイアウトのため、東京芝1600mと2000mの中間の性質をもっています。ペースが緩んで内枠主導になると2000mに近い内枠先行有利になりますし、テンに流れて外枠が被せると1600mに近い外枠差し有利になることもあります。時期的にこの時期の牝馬限定中距離は延長馬が多くなりやすいので、自然にテンが流れて1600m質のレースになるため、延長馬が走りやすくなるというメカニズムになっています。
M 過去10年の成績を紐解くと同距離ローテの好成績が目立ちますが、延長ローテが[3-4-6-42]
で複勝率23.6%、短縮ローテが[2-1-1-31]で同11.4%と倍以上の開きがあります。数字の出やすい短縮ローテの成績が振るわないことからも、延長有利の構造が窺えますね。
立 では今年はどうなるのか? という話ですが、メンバー構成を見ると、延長先行馬や位置を取りたい馬はそこそこいるので、やはり少し流れて1600m質のレースになり、超高速馬場での1分44秒台半ばくらいでの決着が想定されます。1600m質の高速決着になると、外を回す馬が物理的に間に合わなくなるので、必然的に内枠が有利に。また、上がりの質としても3F33秒台前半から半ばが問われると考えると、1600mで高速上がりを使ってきた馬が延長で少し位置が取れるパターンが理想的なステップになるでしょう。
M 狙いは内枠+延長差し馬、ですね。
立 例えば、関屋記念を上がり3F32.5で差し切って延長になるカナテープと上がり3F32.8で2着だったボンドガール、京成杯AHを上がり3F33.1で差し切って延長になるホウオウラスカーズ、前走仲秋Sを上がり3F33.2で差し切って延長のラヴァンダなどは、それぞれ上がり3F32秒台の決着でも良績があるので、アイルランドTにはフィットしそう。あとは内枠を引けるかどうかの勝負になりますね。
人気を背負いそうな中では、アドマイヤマツリやセキトバイーストは末脚性能で劣るので、外枠を引いたらバッサリ切りたいところ。逆に内枠だと評価に悩むので、うまく外枠を引いてほしいですね。
<枠順確定後の追記> アイルランドTは非常に残念なことに注目馬4頭が全て4枠から外に入ってしまいました。しかも、人気で軽視したかったアドマイヤマツリは1番枠と、走られても不思議ない枠並びに。内枠にテンに速い馬がそろったので、内枠主導の隊列になると思いのほかペースが緩む可能性はあります。少なくとも縦長隊列は確定なので、外枠差し馬はまず間に合わないでしょう。
内枠勢が先行してくれると、4枠のカナテープとボンドガールは比較的ラチ沿い付近まで潜り込めるので評価。6番枠のセフィロまで延長で見ておきたいところ。また、もし内枠主導で隊列すんなりからのスローになると2000m質の立ち回り戦になる可能性がわずかにあって、その場合、内枠短縮の2番枠アンゴラブラックが足りるパターンも見てもよいですが、その場合はアドマイヤマツリも走れているはずなので、買いたい場合はセットで。
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立川優馬
人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!
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