2025年10月12日(日) 18:00
今年のスワンステークスには3〜4歳馬が「10頭」もいる。今秋、8歳ウインカーネリアンが9月のスプリンターズSを激走して驚かせたが、ふつうは若い世代への交代は短距離区分から始まる。人気は割れるが、昨年3歳で2着した4歳馬オフトレイル、上昇中の3歳ランスオブカオス、今回は巻き返したい3歳アドマイヤズームが人気上位の有力候補だが、期待したい4歳ワールズエンド(父ロードカナロア)は侮れない。
時計の速い新潟とはいえ、初の1400mだった前走、現在も破られていないマグナーテンのコースレコード1分19秒0と0秒1差の1分19秒1。これは価値がある。新潟も京都も直線は平坦に近いコースだ。
飛ばしたわけではなく、前半800m「45秒9」のあと、後半3ハロンは高速の33秒2「11秒4ー10秒9ー10秒9」だった。楽に行けたからだが、粘ったのではなく直線で突き放している。実際、差す形で勝ったこともある。
父ロードカナロアは1200mから1600mで計13勝もしているスプリント戦中心のチャンピオンだったが、完全に本物になったのは阪急杯1400mを1分21秒0で抜け出した当時のこと。コースも相手も異なるが、ワールズエンドのタイムは速い。
母リラヴァティは中距離で5勝したオープン馬。その父ゼンノロブロイは秋の古馬の中-長距離三冠など長距離もこなしたチャンピオン(GI・3連勝)。その総合スピード能力がワールズエンドに受け継がれていると考えられる。
今回はハナを切らないと思えるが、京都の1400mは前半から厳しいペースにはならないことが多い。好位追走になれば直線で差すレースも可能だ。戸崎騎手はテン乗りで圧勝した前走で、単なる逃げ馬ではないことを確認している。
オフトレイル、ロジリオン、アドマイヤズーム、ウインマーベル本線に、連勝馬券はアルテヴェローチェなど伏兵にも手を広げたい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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