【無料・秋華賞予想】先行馬が揃った高速馬場で内回りを利するのはどのタイプ?

2025年10月18日(土) 12:00

こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。

人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!

(取材・文・構成=編集下M)

秋華賞の資金作りは新潟芝の差し馬狙いで!

編集下M(以下、M) 今週は秋華賞。これから11週の間に11個の平地GIが行われるので、まさに秋のGIシーズンの幕開けといった感じです。

立川(以下、立) いやぁ、ワクワクしますねぇ。

M 充実の秋にするためにもスタートダッシュを決めたいですよね。ということで、『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』10月第3週のテーマは「開幕週のイメージでペースが速くなると差しが決まりまくる4回新潟芝コース」。…思い起こせば、このコラムの第1回も桜花賞ウィークだというのに福島ネタでした。

立 このテーマは「GIの裏の第三場である」というのも大事なポイントの一つなのですよ。その辺りもざっくり説明しつつ、後半ではしっかり秋華賞の話もしますからご安心ください。

M  秋華賞の発走までに土日で新潟の芝レースは13鞍も組まれているので、良い資金稼ぎにはなりそうですね。では早速、“差しが決まりまくる”メカニズムを教えてください。

立川優馬

10月第3週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より

立 芝の張り替えスケジュールの関係上、新潟の芝コースは開催によって時計の出方が異なります。張り替え直後かつ夏開催の2〜3回開催は時計が出やすく、秋春開催の4、1回開催は時計が掛かりやすいというのが大まかな特徴。2〜3回開催を通して使われ続けてきたAコースを、秋にたった2か月程度間隔を開けただけで再び使わなければならない4回開催は、全4開催の中で最も時計が掛かるタフな芝で開幕します。今年から4回新潟は4日間の短期間開催で、3回開催から2週多く間隔が開きますが、影響は微々たるものと考えています。

M タフな芝で開幕するとはいえローカルの開幕週、どうしても前に張りたくなりますが…?

立 そう考える人が多いからこそ、馬券的な妙味が大きいですよ。実は開幕週に差しが決まりやすい理由がもう一つあって、それが先ほど言った「GIの裏の第三場である」です。主場だった夏開催と比べて騎手が手薄で、リーディング下位騎手や減量騎手が多くなります。そうした騎手が開幕週を意識して前掛かりの競馬をすることで、この4回開催の開幕週や2週目はペースの速い競馬が多くなるのです。加えて、時期的に秋雨が多く、開催が雨に当たることが多いので、なおさら前の馬は厳しくなる。

M 御誂え向きに、今週末の予報にも傘マークが付いていますね。

立 まとめると、「コースローテ的にタフな馬場で、雨に当たって馬場が荒れやすいうえにペースが速いレースが多くなるために、開幕直後からドッカンドッカン差しが届く」というのが4回新潟芝コースの大きな特徴です。

 特に外回りに比べて元々ペースが流れやすい内回りがねらい目。1200〜1400mの短距離での短縮差しや、2200〜2400mなどの中距離内回りの外マクリ差しには注目してみてください。

M 土曜新潟9R(芝2200m)、土曜新潟11R(芝1200m)、日曜新潟11R(芝2200m)などに注目ですね。

秋華賞のレース質は「外枠・差し・ハイペース」

M ではここからは秋華賞の展望をお願いします。

立 京都芝2000mという非常にトリッキーなコースで行われるGIで、極端な決着になりやすいのが秋華賞の特徴です。(京都芝2000mの)コース形態自体は内枠先行有利なので、馬場がよいときに少頭数だったり、ペースが緩んだりするとラチ沿いを先行する馬が楽に押し切れてしまうのですが、馬場が荒れてきたところに多頭数でペースが流れるとオーバーペースからの前崩れが起こりやすいのです。

立川優馬

京都芝2000mの立川式コース図

M いまでも秋華賞といえば99年のブゼンキャンドル→クロックワークの強烈な差し決着を思い出します。

立 秋華賞は開催前半に行われるのであまり馬場が荒れすぎることはないのですが、近年の馬場造成では逆のパターンが考えられます。近年の上がりが出やすい馬場造成の結果、先行馬が止まらなくても高速上がりが使えるため後続が差し届いてしまうという現象です。実際に、開幕週から踏み固まってきた今の京都芝は超高速馬場で、先週のスワンSでは1.18.9のレコード決着で追い込み馬のワンツーという結果。今の京都は差し有利の高速馬場と言えます。

M 馬場が良過ぎて差し馬有利になるパターンですね。

立 今年の秋華賞のメンバーを見ると、例年に比べて先行馬が多く、深い位置(後方)から差して好走した経験のある馬が少ないこと分かります。このメンバーと今の馬場を考慮すれば、ハイペースから差し決着濃厚と考えてもよさそう。高速決着での差しだとスワンSのように内枠差しが恵まれやすいのですが、スワンSと違うのは内回りであるということ。京都内回りのハイペースは3〜4コーナーで先行馬が垂れてくるので、内が渋滞して内枠差し馬の位置が悪くなってしまうケースが多くなります。したがって、馬群が凝縮するのに合わせて馬群の外をマクリ気味に押し上げられる外枠差し馬が有利。レース質としてはほぼ「外枠・差し・ハイペース」で取る予定です。

M 確かに、中団にいた内の差し馬が、いつの間にか後方まで下がっていることがありますね。

立 今年のメンバーで深い位置から差して好走経験があるのは、エンブロイダリー、カムニャック、セナスタイル、パラディレーヌ、ビップデイジーくらい。この中で外枠を引いた馬を評価することになります。タフな差し競馬を得意とするカムニャックが外目の枠を引けば2冠濃厚。穴ではローズSの差し脚は目立ちましたが3着で人気が上がり切らないセナスタイルが1番手。マクリ騎手である丹内騎手が騎乗するパラディレーヌも面白い存在と言えるでしょう。

<枠順確定後の追記>
 秋華賞の枠順を見てびっくり、深い位置からの差し経験がある注目5頭全てが外枠を引いてくれました。これは裏を返せば先行馬が内のほうに固まっているということでもあります。そのうえ、逃げ候補筆頭のエリカエクスプレスが10番枠という微妙な外枠に入ったので、被せられる内枠先行馬は苦しくなりそう。道中縦長隊列から前が止まって3〜4コーナーの馬群が凝縮するタイミングで、カムニャックの川田騎手が強気に押し上げていくはず。そうなると、上位を外枠差し馬独占の可能性は低くはないと考えます。

 理想は、先にエンブロイダリーやカムニャックが内枠の馬を押さえて先頭に立ったところに、ひと呼吸遅れてセナスタイルやパラディレーヌ、ビップデイジーが差してくる形でしょう。人気薄の突き抜けまで見越してフォーカスを組みたいところです。

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立川優馬

人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!

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