【秋華賞回顧】素晴らしい雰囲気から3コーナーの手前で一変──鞍上だけが知っている「あの日のカムニャック」の一部始終

2025年10月23日(木) 18:01

“VOICE”

▲川田騎手がカムニャックとの秋華賞を振り返る(ユーザー提供:たろさん)

10月19日、京都競馬場で行われた第30回秋華賞。川田騎手はオークス馬カムニャックとのコンビで参戦しました。単勝1番人気で迎えた一戦でしたが結果はまさかの16着。レース当日の馬の変化をじっくり振り返ります。

前走ローズSの勝利で力の違いを見せていたカムニャック。川田騎手も相当な手応えを感じていたようで、パドックや返し馬では「素晴らしいね」と思ったほどだったとか。しかし、3コーナー手前から異変は起こります。「歩くことすらしんどそうだった」というその異変。後日、馬体に異常はなかったという報道がありましたが、レース直後には馬体の心配をするほどの状態だったそうで…。そんな一戦を川田騎手自ら徹底解説します。

(取材・構成=不破由妃子)

「ああ、素晴らしいね」──抜群だった返し馬

──秋華賞のカムニャックは、まさかの16着。あの日のカムニャックに何があったのか…。川田さんが馬上で感じたことをお聞きしたいなと思いまして。生き物である以上、絶対といえる敗因を突き止めるのは不可能に近いと思いますが、パドックからゴールまで、1日を通してのカムニャックの変化について教えていただけますか?

川田 パドックで跨って歩き出した瞬間から、具合のよさを感じるとてもいい歩きができていました。いい雰囲気で馬場入りし、返し馬は抜群によかったです。本当に素晴らしかった。新馬戦以来、久々に「ああ、素晴らしいね」と思ったくらいです。

“VOICE”

▲いい歩きができていたというパドック(ユーザー提供:きゃっぷさん)

──共同記者会見でも言及されていましたが、新馬戦で感じたポテンシャルとは、また違う成長の仕方をしたとのこと。ローズSの時点では、新馬戦で感じたほどの感触は得られなかったということですか?

川田 少なくとも、新馬前に感じた素晴らしさとはまた違う世界線の走りと雰囲気でした。それが、秋華賞の返し馬では、・・・

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川田将雅

1985年10月15日、佐賀県生まれ。曾祖父、祖父、父、伯父が調教師という競馬一家。2004年にデビュー。同期は藤岡佑介、津村明秀、吉田隼人ら。2008年にキャプテントゥーレで皐月賞を勝利し、GI及びクラシック競走初制覇を飾る。2016年にマカヒキで日本ダービーを勝利し、ダービージョッキーとなると共に史上8人目のクラシック競走完全制覇を達成。

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