【菊花賞】クラシック最終戦の掉尾を飾るのは? 春2戦の出走馬が4頭のみと大混戦の様相

2025年10月25日(土) 12:00

前走トライアル好走組から見極める

 皐月賞馬もダービー馬も出ていない今年の菊花賞だが、それだけでなく、春のクラシックに出走した馬が4頭しかおらず、そのうち両方に出た馬が2頭しかいない。この10年で最も少なく混戦模様と言っていい。それだけ夏を境に大きく成長し、この最後の一冠にこぎつけたものが多ということだ。

 この8年、連続して、3000米という長距離に可能性を見出して出走してきたものが連対を果たしており、今年もこの点は重視すべきだろう。中でもトライアル好走馬を中心に考えるところから入りたい。

 セントライト記念か神戸新聞杯で3着以内に入った馬がこの10年で7勝もしていて、連対馬は全部で12頭も出ているのだから、前走トライアル好走組から長丁場を走り切るものを見極めてみた。

 まずセントライト記念だが、勝ち馬の皐月賞馬ミュージアムマイルの豪快な差し切りで、この10年で最速のタイムを記録していた。

 こちらは天皇賞(秋)に向けて視界は良好といったところだが、2着ヤマニンブークリエは内々で脚をためてよく伸びていたが、距離が伸びてどうかと感じた。ただ父キタサンブラックを思うと、ゆったり運べる京都外回りはいい筈で、3着のレッドバンデともども入着候補としておく。

 一方の神戸新聞杯は、今年は1000米通過が前半62秒6、後半57秒7で前後半差が4秒9もあった後傾超スローペース。全くの上がりだけの勝負だった。1〜3着は、いずれも日本ダービー出走組だったが、これがそっくり、長丁場のロングスパートに適応できるとは思えない。

 上位の中からは早目先頭に立ってクビ差2着だった日本ダービー3着馬ショウヘイを取り上げたい。春に京都外回りの京都新聞杯を勝っており、満を持して大一番に向かうと思いたい。

 日本ダービーではこれに敗れていたエリキングだったが、ここではきっちり差し切れていた。何しろ日本ダービーでは最速の上がりをマークして5着まで来ていた馬。京都は2戦2勝と相性がいいので、3000米でゆったりと折り合えたら本領発揮も夢ではないかもしれない。いずれにせよ神戸新聞杯組のこの2頭への期待は大きい。

 春のクラシック戦線に乗れなかった新勢力にも、当然食指が動く。ドゥラメンテ産駒はこの4年、タイトルホルダー、ドゥレッツァと2勝しているが、今年はエネルジコがいる。春は青葉賞を勝ったが体調が整わず日本ダービーは断念していた。古馬相手の新潟記念で折り合えて序盤に位置を上げて2着に入ったように、長丁場で成果をあげられそうだ。まだ4戦3勝のキャリア、奥はある。

 もう一頭は、昨年2着のヘデントールと同じく、新潟2200米の日本海Sを勝ってきたゲルチュタールを。切れでは見劣るが、スタミナはあるので馬場が重くなりそうなのが味方するのではないか。

「日常に 季節もたらす 菊花賞」

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

関連情報

新着コラム

コラムを探す