【天皇賞(秋)】今年も豪華な顔ぶれ 東京の直線が得意のマスカレードボールへの期待大

2025年11月01日(土) 12:00

宝塚記念組にも注目

 ずらりGIウイナーが揃い、秋の天皇賞は今年も豪華な顔ぶれとなった。昨年は世代を超えたダービー馬同士で決着していたが、今年はどんな結果を想定したらいいのか。この7年、春のGIからの直行組が勝ち続けてきたが、取り合えずはそこから検討を始めてみたい。

 まず目に止まるのが、3歳馬マスカレードボール。皐月賞は1コーナー手前での接触があって後方からの競馬になり、力で3着まできていたが、日本ダービーは大外枠から大きなフットワークでしっかり折り合い、4分の3馬身までつめて2着と安定した戦い方をしていた。3年前のイクイノックスと同様、ここでGI初制覇を見てみたい。

 この10年で3歳馬の優勝はエフフォーリアとイクイノックスの2頭だが、どちらも日本ダービー2着以来の実戦だった。直線の長い東京が得意のマスカレードボールへの期待は大きい。

 もう一頭の3歳馬ミュージアムマイルは、皐月賞馬で、ここで後のダービー馬クロワデュノールを破っていた。日本ダービーは6着で距離のカベを感じさせたが、秋初戦のセントライト記念はこの10年で最も速い決着の中、きっちり瞬発力で決めていた。上々の滑り出しでこれも有力馬の一頭だ。

 この2頭の3歳馬対古馬勢という見方になるが、どうしても目をはなせないのが、ダービー馬で、昨年の秋の天皇賞で2着したタスティエーラだ。この春、香港のクイーンエリザベスII世Cで2度目のGI制覇を達成しているが、一度は世代の頂点に立った馬、この馬の復活にも魅力がある。持ち味はタフな長い脚を使うところだが、立ち直ったとなれば注目しなければならない。

 この2年勝っているのが、宝塚記念組。イクイノックスの連覇にドウデュースと続いているが、今年は勝ち馬メイショウタバルが武豊騎手で関心を集めている。馬場コンディションはヤヤ重だったが、平均ペースで差し有利な展開にみえていたのが、少しずつ馬場が乾いていきインコース有利な情況になっていた。そのせいで3コーナーで先頭、2番手だった2頭の前残りの結果になっていた。

 逃げ切ったメイショウタバルは気分よく走れたらこの3馬身差の圧勝は再現可能ではないかと思えてくる。武豊騎手の精密なペースを刻む逃げは、この秋は特に目立っている。東京での実績が無い点が気になるが、このハードルをどう超えるか、一考する価値はある。

 押さえには2頭を考えてみた。まず、宝塚記念3着のジャスティンパレスを。前残りの決着の中、メンバー最速の上がりで上位に来ていた。秋の天皇賞は2着と4着の実績があり、もつれたときには上位に食い込める。そしてもう一頭が、牝馬のシランケド。初のGI戦だったヴィクトリアマイル3着と好走していたが、前走の新潟記念で強力メンバーの中、外から末脚をくり出して勝ち、同じ左回りで力は出し切れるだろう。

「秋の盾 世代のレベル 試すとき」

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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