【無料・みやこS予想】京都ダート1800mの最上級条件 コースがもつレース質は「外枠(内枠)・先行」だが…!?

2025年11月08日(土) 12:00

こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。

人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください!

(取材・文・構成=編集下M)

ダートはクラスが上がるほど差し有利に傾く

立川優馬

11月第2週の狙い方。『「今週勝つ! 」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より

編集下M(以下、M) 今週、GIレースはお休み。土日で3つの重賞が行われます。11月第2週の『「今週勝つ! 」を叶える馬券カレンダー』のテーマも「京都ダート1800mの最上級条件であるみやこSは逃げ不利、差し有利と覚える」。珍しく、シンプルに当該週の重賞を扱っています。

立川(以下、立) みやこSは京都ダート1800mで行われる唯一の重賞であり、言うなれば京都ダート1800mにおける最上級条件のレース。特異性のある条件はレース質も特徴的なものになりやすいですからね。

M (このコラムの)構成に頭を悩ます必要がないので助かります(笑)。なお、今週から開催が始まる福島競馬場については、4月第2週、6月第4週、7月第2週などで触れていますので、書籍をお持ちの方はチェックしてみてください。

立 まずは京都ダート1800mの特徴から整理しておきましょう。京都ダート1800mの特徴は直線が平坦で、他場に比べると時計が出やすい点です。また、最初のコーナーまでの距離が約285mと短いので、早々にコーナーでペースが緩むことで、先行有利に傾きやすいレイアウトになっています。コースがもつレース質は「外枠(内枠)・先行」。改修直後は一時期外枠から先行しやすい状況が続いていましたが、最近では以前のように内枠から先行する馬の好走が増えています。

立川優馬

京都ダート1800mの立川式コース図

M 外枠か内枠かは馬場傾向にもよるものの先行有利が基本、と。

立 ところが、みやこSのレースがもつレース質はどうかというと「内枠・差し・ハイペース」なんです。

M 5秒前と言ってることが違うじゃないですか。

立 これはコース形態ではなくて、ダートが構造的にもつあるメカニズムが影響しています。それは、「ダートが本質的に先行有利である」ことに起因する「ダートはクラスが上がるほど差し有利に傾く」というメカニズムです。

M うーん、なんだか小難しい。

立 箇条書きでまとめると以下のようになります。

1.ダート戦は基本的に先行有利である
2.ダート戦の勝ち馬は先行有利に恵まれた先行馬が多い
3.ダート戦の上級条件には先行馬が集まりやすい
4.ダート戦の差し馬は不利を覆して勝ち上がってきているケースが多い
5.ダート戦の上級条件では、恵まれて勝ち上がってきた多数の先行馬(能力低い)vs不利を覆して勝ち上がってきた差し馬(能力高い)の戦いになる

 つまり、ダートの上級条件には恵まれて勝ち上がってきた先行馬が大勢いて、そうした馬がハイペースを演出してくれるので、不利な中でも上のクラスまで勝ち上がってきた強い差し馬に展開まで向いてしまうということです。

M 構造的に差し馬の方が強いのに、ペースまで向くとなれば、それは差し馬天国ですよね。

立 ダートの中でも先行有利の傾向が強い京都ダート1800mであっても、最上級条件であるみやこSでは、例年、差し馬が台頭しており、逃げ切りは2010年第1回のトランセンドまで遡ります。それぐらい先行不利、差し有利なレースなのだと捉えて構いません。

M 2020年から2023年は阪神ダート1800mで施行されていますが、よりタフな条件だけあって、この3年間も当然のように差し馬がしっかり台頭していますね。

立 加えて、最上級条件のハイペースだけに時計が速い決着になるので、差し有利でも外を回す馬は物理的に間に合わないことが多くなる。したがって、内枠から道中は距離ロスなく脚を溜めて、前がバラけたところを伸びてくる差し馬が台頭してくるというのが、みやこSの基本的な決着パターンになります。

M みやこSの「レースがもつレース質」=「内枠・差し・ハイペース」を言語化するとこのような説明になるわけですね。

立 ここで一点、注意したいことがあります。それは、「京都ダート1800mは先行有利」だということです。

M なんですか、その禅問答みたいな振りは。

立 京都ダート1800mは先行有利なので、みやこSまでに行われる6Rと8Rの条件戦は先行決着する可能性が高いのですが、それを見て、「先行有利じゃないか」と安易なトラックバイアスに走らないように気をつけてください。これは競馬ファンだけでなく騎手もそのように考えるので、むしろみやこSでは先行意識が高まって、さらに差し有利を招く要因にすらなります。6Rと8Rが先行決着しても不安になることなく、しめしめと思っておきましょう。

M 重賞をドカンと仕留めるための撒き餌みたいなイメージですね。今年のメンバーをみてみると、やはり先行馬が多そうです。

立 ペースは速くなりそうですね。確実に差しに回れる馬で、かつ差して安定した成績を残している馬を評価したいので、サイモンザナドゥやブライアンセンス、ラムジェット辺りが該当するでしょうか。このうち、内枠に入った馬を軸にして、内枠勢へ手広く流すようなフォーカスが面白そうです。

<枠順確定後の追記>
 みやこSの枠並びは注目の差し馬が内枠に入ってくれたのですが、ちょっと微妙ではありますね。内枠先行馬がそれほどテンに速くないので、外枠から被せられる形になると、結局内枠から外を回すことになる可能性もあり。それでも、ラチ沿い付近を確保できるなら5番枠のサイモンザナドゥ、4番枠のラムジェットを評価しつつ、扱いに悩んでいた3番枠のドゥラエレーデ、6番枠のロードクロンヌも拾っておきたいところ。

 サイモンザナドゥが川田騎手騎乗で人気になりそうなので、それならばC.デムーロ騎手でも人気が落ち着きそうなドゥラエレーデがラチ沿い追走から馬群を割ってくるパターンのほうが妙味は大きいかもしれません。

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立川優馬

人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!

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