2025年11月07日(金) 18:00
「京王杯2歳S」が「旧京成杯3歳S」を含め18頭頭立てで行われたのは3回目。2歳戦の開始時期が早まったことが関係するが、断然の有力候補がいないからともいえる。
前2戦ともにこの1400mを1分20秒台で乗り切っているダイヤモンドノット(父ブリックスアンドモルタル)が人気の中心になるが、過去10年、この重賞を連対(1-2着)した20頭は、みんなキャリア3戦以下だった。のちにビッグレースを制する昨年のパンジャタワー、22年のオオバンブルマイ、21年2着のトウシンマカオなどは、新馬勝ちの1戦だけ。4戦以上もして1勝クラスにとどまっていては少なくとも「大物」ではない。
また、史上16頭立て以上の乱戦模様だったこと5回。1番人気馬が連対した記録は一度もない。そこで、ダイヤモンドノットは危ない人気馬ということになる。少なくとも近年の傾向から、今回がもう5戦目のスケジュールは、クラシック展望ではない日程だ。
ただ、キャリアの浅いグループに魅力的なスケールを秘める馬が少ないことに加え、ダイヤモンドノット陣営は鞍上を目下GI3連勝中、先週土日で10勝のC.ルメール騎手にチェンジしてきた。C.ルメール騎手は過去この京王杯2歳S[4-0-0-2]でもある。陣営はハードな日程は承知で、今回は必勝態勢を敷いてきた。
前走、最後は最速の上がり33秒3で伸びながら、上がり34秒2の勝ち馬の逃げ切りを許したから明らかに控えすぎだったが、爆発的に伸びる鋭さに欠けるのも事実。ただし、この中間も元気いっぱい。連勝馬券の主軸は、危ない側面をかかえていてもダイヤモンドノットにしたい。
ただ、急上昇のありえる馬には要注意だ。キャリア1戦でも快調教のミルトベスト、シュペルリング。新馬戦を大凡走のあと、2戦目に激変したネネキリマル。この距離の混戦で変わり身必至のシーミハットクなどから入る手は十分にある。懸命に穴馬を探して、少額でも手を広げるレースと思える。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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