2025年11月15日(土) 12:00
11月第3週の狙い方。『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より
編集下M(以下、M) 『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』11月第3週のテーマは「京都芝2200mは上がり特化のコースで、距離適性よりも上がり性能を重視する」。エリザベス女王杯に直結するテーマです。
立川(以下、立) 今週から私が主宰する『競馬と共に人生を歩むサロン』所属のたつDさんが『ウマい馬券』にデビューするのですが、彼の特徴は「差し馬専門」という点。それだけに、デビュー週のGIが上がり特化の京都芝2200mで行われるエリザベス女王杯というのは、追い風だと思いますよ。
M どんな予想をしてくれるか、楽しみですね。では早速、「京都芝2200mは上がり特化である」のメカニズムから教えてください。
立 京都芝2200mのもつレース質は「内枠・差し・スローペース」。これは『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』に掲載している立川式コース図で、京都芝2200mのものです。
京都芝2200mの立川式コース図
ご覧の通り、内回り直線入口辺りからスタートして、最初のコーナーまでの距離が約397mの平坦。1〜2コーナーで緩んだ後は3コーナー頂上まで緩やかに上がり続けるレイアウトになっています。そのため、スローからの上がり3F戦になることが多く、仕掛けが早まっても4F戦までの瞬発力勝負で、5F以上の持続戦になることはほとんどありません。その結果、2200mというやや長めの距離設定ながら距離適性はあまり問われず、末脚性能さえ高ければこなせてしまうコースだと言えます。
M とにかくラストの瞬発力があればOK、と。
立 百聞は一見にしかずということで、今開催に行われた京都芝2200mのレースを振り返ってみましょう。まずは、10月18日(土)京都10Rで行われた清滝特別。2勝クラス10頭立てという少頭数だったこともあり、テン3F37.7→上がり3F33.8という大幅な後傾ラップで、上がり4Fは11.8-11.4-11.0-11.4なので、上がり3.5F瞬発力戦というイメージでしょうか。2番枠のジョイボーイが上がり3F33.6で3番手から差し切り、2着には4番枠のシュバルツマサムネが上がり3F33.9を使って逃げ粘り。
10月18日京都10R 清滝特別結果
もう一つは11月2日(日)京都7Rで行われた3歳以上1勝クラス。こちらは16頭立てと頭数がそろいましたが、やはりテン3F36.2→上がり3F34.4の後傾ラップで、上がり4Fのラップは12.2-11.6-11.3-11.5。開催が雨に見舞われ続けたので、速いラップを刻める馬場状態ではなかった中で、これは明確に上がり3F瞬発力戦ですね。勝ち馬は4番枠から好位差しで上がり3F34.1を使ったスカイサーベイ、2着には1番枠から上がり3F33.9で追い込んだエリカアンディーヴが入線しました。
11月2日京都7R 3歳以上1勝クラス結果
連対した4頭のうち、シュバルツマサムネは1600mを主戦にしつつ2000mまでこなすという戦績で、前走2600mで明らかにスタミナ不足を露呈しましたが、京都芝2200mでは逃げ粘れています。また、エリカアンディーヴはここまで1800mしか走った経験がなく、一気の距離延長ローテでしたが末脚性能だけで京都芝2200mをこなしてきました。
そして、どちらのレースも内枠から上がり上位を使った馬で決着しています。これが分かりやすい京都芝2200mの基本的な決着パターンになります。
M 「ちょっと距離が長いかも?」と映る馬でも、上がりの脚さえあれば頑張れるということですか?
立 そういうことですね。一旦、まとめます。
1.距離経験はあまり関係なく、短い距離を使ってきた馬の延長もOK 2.スローからの瞬発力勝負になるので、近走で上がり上位、高速上がりを使っている馬が(脚質を問わず)有利 3.内枠やラチ沿いで脚を溜めて、外回りでバラけたところを差してこられる馬が穴をあける
M ではこれらを踏まえてエリザベス女王杯を展望していきましょうか。
立 エリザベス女王杯は牝馬限定戦なので、牡馬に比べると距離適性が多少求められる可能性はありますが、それは全頭同じなので、結局は末脚性能のほうが大事ということになりやすいですね。また、開催が秋雨の時期に当たるので馬場が荒れていることが多く、直線進路は外目が恵まれる中で行われることからも、末脚性能が問われやすくなります。基本的には、内枠の差し馬で、メンバー間比較で上がり上位を使える馬が道中内→直線外の進路で差してくるというイメージでよいでしょう。
M 内枠で上がりを使える差し馬を狙えばいいのか。わかりやすくていいですね。
立 ところが、そこまで単純な話ではなくて、逃げ先行馬の入る枠が鍵を握ります。今年のメンバーで言えば、先手を主張する可能性があるのは、エリカエクスプレスやケリフレッドアスク、セキトバイースト辺りでしょうか。逃げ先行馬たちが内枠に入ると、直線で馬場のよい外目に進路を取るため、周辺の内枠差し馬が馬場のよいところを走ることができ、外枠差し馬はさらにその外を回らされるため差しが届かないという形になります。
逆に、逃げ先行馬たちが外枠に入ると、外枠から被せて先行して直線外目をそのまま通すので、周辺の外枠勢が馬場のよいところをスムーズに差してこられます。内枠差し馬は一旦下げて、外枠差し馬のさらに外を回すか、荒れた内を突く必要があるので、苦しい立場に追い込まれてしまいます。
M 逃げ先行馬の枠順次第では内枠が仇になる可能性もあるということですね。これは枠が出ないことには話が進まないので、個別の馬について教えてください。
立 今年のメンバーで、距離適性を問わず、近走の末脚性能だけで注目馬をピックアップすると、カナテープ、ココナッツブラウン、ボンドガール、ライラックが浮上してきます。こうした馬たちは、さきほどお話しした通り、先行馬がそろっている枠の近くに入るほうが好走率は高まってくるはず。レース質とも噛み合うように、内枠に先行馬が入って内枠主導の隊列から、内枠差し馬が直線外の進路を通せるパターンが理想です。末脚性能が高く、多少タフな馬場でもこなした実績があるココナッツブラウンやライラックは、ぜひ内枠主導の内枠に入ってほしいところですね。
M 1番人気が予想されるレガレイラの評価については、先ほどご紹介したたつDさんとの対談で触れているので、そちらもチェックしてみてください。
<枠順確定後の追記> 枠順を見た第一印象は、難しい並びになってしまったなというところ。逃げ候補のエリカエクスプレスが6番枠で、3番枠のシンリョクカもついていけば内枠主導の隊列になりそう。そうなると内枠差し馬が恵まれるので、7番枠のレガレイラは非常にレースがしやすい並びになりましたし、微妙に人気で買いたくない1番枠のパラディレーヌや2番枠のステレンボッシュも捨てきれなくなりました。
一方で、注目馬のココナッツブラウンが13番枠、ライラックが12番枠と外枠を引いてしまい、進路取りは難しそうです。これでエリカエクスプレスが外枠だったら面白かったのですが、ケリフレッドアスクが外枠から主張しても、岩田康騎手が武豊騎手の邪魔をすることはないでしょう。もし想定外のことが起こるとしたら、大外枠を引いたリンクスティップは出遅れているだけで本来先行馬なので、C.デムーロ騎手が先行するパターンくらいでしょうか。
土曜の馬場を見て、直線進路が大きく外有利だったり、外枠勢がエリカのハナを叩いたりするようなことがあれば、外枠決着はあり得るとは思うのですがはてさて。内枠決着するなら、時計が掛かったときの8番枠ヴェルミセル辺りを穴で拾っておくくらいでお茶を濁しておきます。
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立川優馬
人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ!」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください!
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