特殊な展開だったステップレース

　近年は休み明けでGIに直行する例も珍しくないが、今年のマイルCSの登録馬のほとんどが、前走で直近のステップレースを使ってきた。そのレースの内容を見てみると、ほとんどがレースの上がり3ハロンタイムが33秒台以下という究極の瞬発力勝負だった。

　それに対して、過去の京都開催のマイルCSは、開催終盤の馬場に加えて、スピードのある短距離馬が出走してくるメンバー構成もあり、比較的上がりが掛かっている。となれば、速い上がりを求められた前走→比較的上がりが掛かりそうなマイルCSでパフォーマンスを上げてきそうな馬を狙いたい。

苦手な瞬発力戦の次走は狙い目

　上がりの速いレースの敗因として「キレ負け」という言葉がよく使われる。持続力に秀でたタイプの馬が、瞬発力が求められる展開になったときに、末脚の速さで瞬発力タイプの馬に負けることを指している。

　瞬発力タイプの馬と持続力タイプの馬を見極めるのは簡単ではないが、ここではざっくりと過去に勝利したレースにおける自身の上がりタイムの平均値が34.5秒以上の馬を「持続力タイプ」として、データを検証してみた。

　過去10年の芝重賞において、「持続力タイプ」の馬の回収率を、前走のレース上がりタイム別で区分したのが以下の表。

　上がりのかかる展開を得意としながら、レース上がりが33秒台以下となるような瞬発力が要求されるレースに出走した馬は、力を出し切れていない可能性が高く、次走で人気以上のパフォーマンスを発揮しやすい。

　今年の登録馬の中では、エコロヴァルツ、ガイアフォース、ソウルラッシュ、マジックサンズの4頭がこの条件に該当する。