【マイルCS】一筋縄ではいかないマイル戦 ジャンタルマンタルの快挙達成に期待

2025年11月22日(土) 12:00

同世代牝馬のアスコリピチェーノにも注目

 連覇の偉業に挑む7歳馬、史上9頭目の春秋マイルGI制覇を期す4歳馬、GI3勝目に燃える充実の4歳牝馬、資質を開花させこの舞台にたどり着いた6歳馬などなど、それぞれが戦ってきた蹄跡に思いが及ぶマイルCSだが、多士済々の顔ぶれでひと筋縄ではいかない。どこに関心が向くか、5世代の馬たちが出走する中で、どの馬のストーリーに心引かれるか、それに尽きると言いたい。

 その年の安田記念の勝ち馬がここに顔を出すのは5年前のグランアレグリア以来で、今年のジャンタルマンタルと同じ4歳馬という共通点があるところに心引かれた。

 グランアレグリアは桜花賞馬で、その年のマイルCSが阪神で行われたことは有利だったが、安田記念であのアーモンドアイを翻弄した次元の違う末脚、さらには後方一気の武器でスプリンターズS撃破と、現役最強の短距離馬の名をほしいままにしていた4歳牝馬だった。

 一方のジャンタルマンタルは、2歳時の朝日杯FS、3歳時のNHKマイルCに続く3つ目のGIタイトルが今春の安田記念だった。今年の始動戦で香港マイル13着以来の実戦だったが、3番手から抜け出す盤石のレース運びを見せ3つ目のGIタイトルをものにしていた。前走の富士Sは、59キロを背負って国内のマイル戦で初の敗戦となったが、前後半差1秒7の後傾スローペースで後方から上がり3ハロン33秒3で追い込んだが0秒1、勝ち馬に及ばなかった。ただ、本番を目前に安田記念と遜色ない情況と関係者は自信を持っていて、京都外回りの1600米なら、5年ぶりの快挙達成に期待した。

 これを追うのが同世代の牝馬のアスコリピチェーノだ。この春のヴィクトリアマイルを勝っているが、2歳時無敗で阪神JFを制するなど早い時期から活躍してきた。これまで連対を外したのは、オーストラリア、フランスの海外遠征2戦のみ。桜花賞2着、NHKマイルC2着などマイルでの実績が抜けて光っている牝馬で、定量戦での斤量有利なところが、物を言う場面が考えられる。

 世代別にみていくと、あとは5、6、7歳ということになるが、それぞれからも一頭ずつ選んでみた。

 まず7歳を迎えたソウルラッシュ。4年連続の出走だが、これまで4、2、1着で昨年にGI初制覇を達成、その後に香港マイル2着にドバイターフ1着と海外でも名を成した。レース中に骨折した安田記念3着から立ち直り、富士Sを59キロで3着と復活してきた。

 6歳馬ガイアフォースは富士Sがセントライト記念以来3年ぶりの重賞勝ちで、安田記念4、4、2着と力はある。マイルCSは初めてだが、京都のマイルでもマイラーズC2着があり、本領発揮できれば上位には来られる。

 そして、秋初戦の毎日王冠を完勝した5歳馬レーベンスティールを。京都は未知だが、逆にそれが魅力と感じている。

「人馬とも 世界レベルの マイル戦」

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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