2025年11月23日(日) 18:00
もうよく知られるように、現在はGIIとなった「東スポ杯2歳S1800m」は今後に向けた出世レースの代表格。最近10年の勝ち馬から、「2017年ワグネリアン、2019年コントレイル、2024年クロワデュノール」。3頭もの翌年の日本ダービー馬を送り出している。
また、その他にも出走馬の中には、「2016年スワーヴリチャード、2020年タイトルホルダー、2021年イクイノックス」などのちの平地GI馬が6頭も含まれる。この時期の東京1800mでちょっと光る内容を見せた馬は、秘める資質十分とされるのは納得である。
今回の勝ち負けだけではなく、これから広がるはずの未来を展望する視点も求められる登竜門のレースでもある。早くも高い評価を得ている人気上位馬だけでなく、スワーヴリチャード、タイトルホルダーのように、人気上位ではない伏兵にも注目の一戦だ。
新馬戦では逃げたサレジオを捕まえ切れなかったが、重馬場の阪神1800mを上がり3ハロン33秒5で強襲したローベルクランツ(父サトノダイヤモンド)に注目したい。2戦目も出負けして、前半は離れた最後方追走。強引に追い上げたので上がり33秒9は平凡でも、レース慣れしてくれば、秘める素質が発揮できるようになるはずだ。
スタート難があるうえ、今回は初の遠征レースなど、死角があるので陣営は慎重だが、この中間の動きは実にシャープ。父サトノダイヤモンドは早くから頭角を現し、3連勝で「きさらぎ賞」を制し、クラシック三冠「3、2、1」着。3歳時に有馬記念を勝っている。
祖母ブルーメンブラットは、東京1800mの府中牝馬Sを猛然と差し切るなど通算8勝の活躍馬。その産駒シュトラウス(父モーリス)は、3戦目に東京1800mのこの東スポ杯2歳Sを鮮やかに差し切っている。
ローベルクランツも2戦目に中京コースで勝ち上がったように、同じ左回りの東京コースは苦にしないだろうし、距離の1800mもベストに近いはずだ。
人気のダノンヒストリーは、快時計で東京1800mの新馬戦を快勝しているが、まだまだ若い印象があり勝たれて当然ではあるが、相手に今回はスパルタ調教をこなしてきたサレジオ、さらには超スローとはいえ上がり33秒1で楽勝だったライヒスアドラー、先週好調教をみせたゾロアストロも買いたい。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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