2025年11月29日(土) 12:00
こちらのコラムでは、レース質予想のパイオニア・立川優馬氏が著書である『「今週勝つ！」を叶える馬券カレンダー』を基に週末の展望を解説していくものとなります。
人気予想家の見解を、ぜひ予想の参考にお役立てください！
(取材・文・構成＝編集下M)
編集下M(以下、M) 先週のマイルCSはジャンタルマンタルが横綱相撲で完勝。3着に15番人気のウォーターリヒトが入って3連複は2万馬券になりました。結果的に外枠の差し馬勢は不発でしたね。
立川(以下、立) 並びと直近の傾向、そしてレースのもつレース質からコラムでは「外枠・差し」を重視しましたが、実際は内有利になりました。前回のコラムの最後に「Cコース替わりの馬場状態を確認しながら」と書きましたが、まさにこのコース替わりが内有利になった要因で、それが今週(11月第5週)の『「今週勝つ！」を叶える馬券カレンダー』のテーマになっています。
M 「京都芝Cコースは3回開催と5回開催で真逆の傾向をもっている」ですね。
11月第5週の狙い方。『「今週勝つ！」を叶える馬券カレンダー』(画像は電子版)より
立 京都芝Cコースが使われるのは、3回開催前半と5回開催後半ですが、それぞれ全く違った傾向をもっていて、結論から言うと、4月開幕週のCコースは外枠差し有利、11月後半のCコースは内枠先行有利に傾きます。
M 京都芝コースの一般的な年間コースローテを確認しておくと以下の通りです(今年は年初が変則開催)。
1回開催 全日Aコース 2回開催 全日Bコース 3回開催 前6日Cコース、後6日Dコース 4回開催 全日Aコース 5回開催 前4日Bコース、後4日Cコース
立 京都は3回開催の後に芝の張替えを行い、4回開催から新しい芝で1年のサイクルがスタートします。つまり、5回開催のCコースは芝の張替えの後、初めて使われるコースであるのに対し、3回開催では1年間使われてきた最後のCコースであるということです。その結果、3回開催は開幕週でも馬場状態が悪く、5回開催は開催後半でも馬場状態がよいという現象が起こるのです。
M コラムを制作している週中の段階ではCコース替わりの影響が読めませんでしたが、土曜の競馬を見た上で、『ウマい馬券』の中でも「土曜の結果から、Cコース替わりの影響もあって内目も使えるようになっている」と書かれていましたね。
立 先週の芝レースの枠順別成績を見ると、圧倒的に内枠有利に傾いており、マイルCSでも内枠差し馬のウォーターリヒトが15番人気で大穴をあけていました。この傾向は今週末も続きますし、京都2歳Sと京阪杯という内回り重賞が2つあるので、忘れずに内枠をねらっていきましょう。
11月22日、23日の京都芝コースの枠順別成績
M 京都の2重賞も楽しみですが、豪華なメンバーが揃ったジャパンCが注目です。
立 何と言っても現役欧州最強馬カランダガンの参戦ですよ。どんな走りをしてくれるのか、私も楽しみにしています。
東京芝2400mの立川式コース図
立 東京芝2400mはあまり癖のない末脚が求められるコースで、近年は馬場造成が持続力寄りになって外からでも差し届くのは、このコラムでも何度か伝えているところです。なので、今回は趣向を変えて、いくつかのポイントを挙げて検討していきましょう。
M ではこちらから3つ、ポイントを投げるのでお答えください。最初は「ポイント1 カランダガンは東京の末脚勝負に対応できるのか」です。
立 対応できると考えています。ダノンデサイルに負けたドバイSCから、すでに上がりの速い馬場への対応はできていて、近走の上がりラップを見ても日本の馬場をこなせることは間違いないでしょう(詳細なラップ比較はほかの媒体でたくさん出ているので省略します)。
問題は上がりではなく、テンの追走面です。欧州競馬らしく、前走の英チャンピオンSはテン1F14秒台で入っていますし、2走前のキングジョージ�裟�&クイーンエリザベスSも5頭立ての超スローでテン1F14秒台後半、3走前のサンクルー大賞に至っては15秒台半ばで入っているので、ジャパンCのテン1F12秒台後半の流れに置いていかれないか、追走することで上がりが削がれないかの懸念があります。私は、後方から追走に苦しむがラストはすごい脚で突っ込んできて5着くらいのイメージをしています。
まとめると、「末脚勝負に対応できる瞬発力はある(むしろ上位まである)が、追走面での問題が大きく、馬券に絡む位置で競馬できない(しようとすると末脚は削がれる)」という判断です。
M 続いては世代間比較。「ポイント2 今年の3歳世代は強いのか」です。
立 すでに毎日王冠の週のコラムで解説していますが、今年の3歳世代牡馬クラシック組はレベルが高いです。なので、古馬混合重賞で評価したほうがよいと書きました。2歳後半〜3歳前半の先行有利コースで行われる世代限定中距離重賞で差し馬が台頭する世代はレベルが高いと判定していますが、今年の世代はしっかりと差し馬が台頭したのに加え、4歳世代、5歳世代は世代レベルが高くなかったので、相対的にも3歳馬が通用すると考えてよいということです。実際に天皇賞(秋)では3歳馬がワンツーしていますし、ジャパンCでも3歳馬は当然上位に評価してよいと考えています。
M では3番目。展開面について「ポイント3 先行馬はどこまで残せるのか」はいかがですか？
立 例によって、今年のジャパンCも先行勢が手薄(このレベルで先行馬が豊富なことはほぼないですが)なので、先行馬に穴の資格があるかどうかは、みなさん一度は考えるのではないでしょうか。結論からいうと資格はないです。先週のCコース替わりで先行勢が残す場面も見られましたが、残したのは短距離で上がりが使える先行馬ばかり。中距離以上で末脚を生かす競馬になると先行馬は止まらなくてもまず捕まります。したがって、穴をねらうにしても差し馬からというのが正解になります。
M かなり走れる馬は絞られそうですね。
立 そうなりますね。まず、今年の日本ダービー1、2着馬であるクロワデュノールとマスカレードボール。昨年のダービー馬で4歳世代の砦になりつつあるダノンデサイル辺りが本命候補でしょう。5歳世代には強い差し馬がいないので飛ばして、6歳世代から末脚上位で前走天皇賞(秋)を好走しているにもかかわらずまだ人気をしないジャスティンパレスが穴候補にあがってきますね。
クロワデュノールの状態次第になりますが、ここがイマイチなら3頭で馬券が組めるので楽しみなレースになりそうだなとワクワクしています。あとは今の東京芝2400mは極端に外枠だとよくないので、6枠から内に入った馬を軸に取っておきたいですね。
これほど明確に明暗が分かれる枠順もめったにないなぁという印象ですね。
GI好走馬で好位を取りたかったシンエンペラー、ドゥレッツァ、タスティエーラがそろって8枠で、内枠にホウオウビスケッツとサンライズアースが入ってしまってはどうあってもよい位置が取れるとは思えません。
注目馬だったマスカレードボールは前走も超スローで、まだ追走面の担保がない中での7枠からある程度ペースが流れると間に合わない可能性がありますし、ダノンデサイルも本来は日本ダービーのときのようなラチ沿い2列目の競馬が理想だったので、どちらも7枠で難しい競馬になりそうです。
対して、状態面の不安がささやかれたクロワデュノールは近5年で5勝2着3回の1枠を引きました。発馬がよく位置が取れる馬なので、この枠はかなり心強いですし、逃げ候補も内枠なので、ラチ沿い2列目から前を交わすだけという競馬ができるでしょう。また、ジャスティンパレスも昨年はラチ沿い3列目を追走できていたので、ブリンカー着用で安定し位置も取れるようになった今年は、1番枠からクロワデュノールの直後を追走して、進路をトレースしてくるだけでOK。
オッズ妙味から考えても、本命を打って3着だった天皇賞(秋)に引き続き、ジャスティンパレスには高配当の使者になってほしいところです。
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人気予想家の立川優馬氏が著者である『「今週勝つ！」を叶える馬券カレンダー』を実践していくものとなります。 その週の重賞で勝つために参考になる情報が満載となるコラムとなっておりますので、ぜひご覧ください！
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