2020年03月11日(水) 18:00
3月12日(木)名古屋競馬場で行わる『第43回名古屋大賞典』。過去の勝ち馬はスマートファルコン、エスポワールシチー、ニホンピロアワーズ、ホッコータルマエ、アウォーディー、ケイティブレイブとビッグネームが勢揃い。中でも4歳で制したスマートファルコン、ホッコータルマエ、ケイティブレイブはのちにGI・JpnIホースに上り詰めた出世レースに、今年も楽しみな4歳馬たちが出走。それに加えてベテランも虎視眈々。今回、地方勢にとってはメンバー的に厳しく、JRA勢5頭に絞っての考察にしたいと思います。
JRAから参戦する4歳馬はナムラカメタロー、フィードバック、ビルジキールの3頭。
前走・佐賀記念を快勝したナムラカメタロー。ダートグレード競走初挑戦で1番人気ロードゴラッソを破っての初タイトル奪取。美浦からの輸送と地方競馬の小回りコースも問題としない勝利で、現在3連勝中。昨年6月にダート転向後、7戦5勝と最も勢いがある1頭。重賞連勝を目指します。
重賞連勝を狙うナムラカメタロー(写真は20年佐賀記念優勝時、提供:佐賀県競馬組合)
フィードバックは前走・アレキサンドライトS(中山・3勝クラス)を勝ってオープン入りしたばかり。これは昨年3着のアナザートゥルースと同じローテーション。デビュー以来6戦4勝【4-1-0-1】と安定した成績。ダートグレード競走初参戦、地方競馬も初めてと未知の部分は多いですが、いきなり上位争いに加わる可能性を秘めています。
ここでも上位争いできる可能性を秘めているフィードバック(写真は20年アレキサンドライトS優勝時、撮影:下野雄規)
ビルジキールは昨年12月の堺S(阪神・3勝クラス)を勝ってオープン入り。年明け初戦の東海Sは13着、前走・アルデバランS(京都・オープン)8着。昨年6月に名古屋で1勝を挙げている点は見どころがありますが、もう少し経験が必要かもしれません。
昨年このコースで勝ち星を挙げているビルジキール(写真は19年堺S優勝時、(C)netkeiba.com)
8歳馬アングライフェンは昨年2月のアルデバランS(京都・オープン)、5月のブリリアントS(東京・L)とオープンを2勝。シリウスSではロードゴラッソのクビ差2着。2走前・名古屋グランプリは初めての地方競馬参戦でコースへの対応がカギとなりましたが、デルマルーヴルとクビ差2着。小回りコースで自分から動いて行く競馬ができたのは好材料。今回負担重量も54kgで、悲願のダートグレード競走制覇を狙います。
負担斤量が54kgと軽く重賞初制覇を狙うアングライフェン(写真は19年ブリリアントS優勝時、撮影:下野雄規)
ロードゴラッソは昨年9月のシリウスSで重賞初制覇。続くJBCクラシック7着、浦和記念3着、東京大賞典5着と一線級相手で苦しい戦いを強いられましたが、前走・JpnIIIの佐賀記念ではメンバー的に実績上位。1番人気に推されましたが、55kgのナムラカメタローに惜敗(自身は57kgだった)。今回は同じ55kgで、前走のリベンジなるか注目です。
前走のリベンジを果たしたいロードゴラッソ(写真は19年シリウスS優勝時(C)netkeiba.com)
【今回のイチオシ馬】
・ナムラカメタロー
歴代の勝ち馬同様、ここからの躍進に期待。
【気になる馬】 ・アングライフェン 名古屋グランプリは“負けて強し”の印象。名古屋コース経験済みは大きなアドバンテージ。
2017年ケイティブレイブ、2018年サンライズソア、2019年グリムと3年連続4歳馬が勝利している登竜門的位置付けのレース。ナムラカメタロー、フィードバック、ビルジキールと3頭揃った4歳馬が今年も活躍するのか? アングライフェン、ロードゴラッソがベテランホースの意地を見せ“待った”をかけるのか? 4月からの新年度に向けて、今後を占う戦いになりそうです。
さてここでお知らせです。『ダートグレード競走に魅せられて』は今回をもちまして最終回となりました。2016年4月にスタートして以来、丸4年に渡った連載。コラム開始当初に比べ、競馬ファンの皆さんにとっての“ダートグレード競走”がより身近なものになったように感じています。このコラムがほんの少しでも一翼を担うことができたのなら本望です。これからも変わらずにダートグレード競走にご注目いただけたらと思います。長い間コラムを読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました! 今後も全国の競馬場でお会いできるのを楽しみにしております。
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荘司典子
埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。
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