【シリウスS予想】成長著しい4歳馬テーオーパスワードに注目 海外G1でも善戦した経験持つ底力に期待

2025年09月26日(金) 18:00

血統に裏付けされた“典型的なダート巧者”

 断然の人気馬ではあるが、いよいよ軌道に乗ってきた4歳牡馬テーオーパスワード(父コパノリッキー)は、これからもっとパワーアップする可能性に満ちている。

 昨年のケンタッキーダービー(当時6戦目だったフォーエバーヤングが小差3着)への挑戦は、3歳デビューで新馬、伏竜Sを連勝したばかりの3戦目だった。

 ほとんど注目されず20頭中13番人気だったが、出負けを乗り超え、最後は直線外から伸びて勝ったミスティックダンから1秒0差の5着に突っ込んでみせた。

 それから8カ月、骨折休養明けの招福Sも5着に敗れたが、ここまで6戦[4-0-0-2]。とくに光るのが再び7カ月の休み明けで、オープンへの格上がり初戦となった前走のダート1800mの名古屋城S。中団のインに下げて追走。直線は外に進路をとって、2回ほどムチが入ると猛然とスパート。

 オープンで好走、善戦を続けるリチュアルに3馬身差の圧勝だった。自身の上がりは36秒7。残り1ハロンでは先頭グループと約3馬身近い差があったので、レースの最後の1ハロンは12秒6でも、テーオーパスワードのそれはまだ余裕のある脚さばきで「12秒0」だったと推測される。

 父コパノリッキーはダート33戦16勝(GI格11勝)。その父ゴールドアリュールはダート9戦7勝(GI4勝)。2000mは大歓迎だった。母の父キングカメハメハは、ゴールドアリュールとダート戦のリーディングトップ争いを続け、2010年代には再三1位に輝いたことがある。テーオーパスワードは典型的なダート巧者だ。

 ファミリーも典型的なアメリカ血統。たまたま近いところに知られる著名馬はいないが、牝系の代表馬は日本に輸入された女傑オープンマインド(父デピュティミニスター)。

 この牝馬はケンタッキーオークスなどダートG1を8勝。短距離から中距離までダート19戦12勝だった。エクリプス賞も2度受賞。テーオーパスワードには、「あのオープンマインドの一族だ」とされるような活躍を期待したい。相手本線はタイトニット、2000mが合うルクスフロンティア、ジューンアオニヨシが穴馬。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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