2025年11月28日(金) 18:00
GIII「京都2歳S」は、2021年からGIIに昇格した「東京スポーツ杯2歳S」と、2017年からGIになった「ホープフルS」にはさまれる位置になった。難しい時期なので年によってメンバーのレベルに差が生じる。
だが、昨年の勝ち馬エリキングは菊花賞2着馬。2着ジョバンニは3冠レースすべてに出走し、いつも高い支持を集めた。日曜日の「ジャパンC」に挑戦するシンエンペラー、ダノンデサイル、コスモキュランダは2023年の京都2歳S出走馬だ。2歳戦が早まり、期待馬が分散してレースを選ぶ傾向があり、京都2歳Sのレベルは少しも低くない。
今年は種牡馬ランキング上位のエピファネイア産駒と、新種牡馬成績トップに立つコントレイル産駒がともに3頭挑戦する。路線に乗る可能性が十分にある。
血統背景の魅力は母に重賞5勝馬ホエールキャプチャを持つ、エピファネイア産駒サトノアイボリーが筆頭か。ようやくホエールキャプチャの仔らしい期待を抱かせる産駒が登場した。母と同じ芦毛。新馬戦は超スローの2000mの切れ味勝負を上がり34秒0で抜け出し、2戦目の紫菊賞は一転、前後半ともに59秒台の厳しい流れで、結果は2歳コースレコード。それを勝ち馬とクビ差同タイム2着で1分59秒3。5秒4もタイムを短縮して崩れなかった。母と同様にがまん強い。中間の好気配からスムーズに流れに乗れると思える。
同じエピファネイア産駒のウイナーズナインは芙蓉S2000mで、3コーナーすぎから激しく追い通し。着もないかと思えたが、あの手応えで勝ったのはすごい闘志だ。母ディヴィニティは、皐月賞2着、日本ダービー3着、菊花賞3着のヴェロックスの1歳下の同じ父系を持つ妹。今回の動きは軽快そのものだった。
コントレイル産駒では、大跳びのストライドにスケールを感じさせるフリーガー、4週連続長めから追って、しっかりした動きに上昇が見えるゴーイントゥスカイが、現時点では一歩リードしている。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。
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